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2 宮旭日の許嫁
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しおりを挟む琴理は初めて知る話だった。
「それは心護様が何歳くらいの話ですか?」
「中学二年生の頃です。あの時の被害は心護様へのつきまといですね」
「心護様もお強いので危ないことはなかったんですが、だんだん拍車がかかっていったので、旦那様のお知り合いの刑事を頼りました」
「警察に知り合いがいるのですか?」
「旦那様の学友だった方です。ですがその方も宮旭日家が退鬼師の家系ということは知らないとのことで、あくまで人間による被害で相談に乗ってもらったという形です」
中学二年生に成人したストーカーがいたらさぞ問題だろう。それともよくあることなのだろうか?
「お待たせいたしました」
詩が戻ってきたので、撮影役を頼み三人で一枚ずつ取り出していく。
「……当然と言えば当然ですが、すべて盗撮ですね」
「通学路の琴理様ばかり……学校内や花園邸内のものはありませんね」
「あ、これは学校ではないですか?」
主彦が手に取った一枚を見せてきたので、琴理と涙子も覗き込む。
「制服が中学のものですね。……風景から見て、文化祭のときのものだと思います。一般にも開放されていたときのもののようです」
「一般客としてなら学内にも入れた立場……でしょうか」
涙子が口元に手を当てながら言う。
「保護者や地域の住民の方、入学を考えている方なら可能です。厳しい入場制限はしていなかったので」
その言葉に、主彦は眉根を寄せた。
「ちょっと危なくないですか? 琴理様の学校、女子高ですよね?」
「普段は侵入など出来ないようになっていますが、文化祭は学内にも警備員も置くので一般開放しているんです。こう見ると対策をしていてもおかしな人は入ってしまえるのですね……」
「文化祭を楽しみにされている方には申し訳ありませんが、見直した方がいいかもしれませんね……」
「今度、生徒会に話してみます。文化祭は中高一緒に開催しているので。……っ!」
「琴理様?」
息を呑んだ琴理に、すぐに涙子が気づく。
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