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爆乳がゴミになった世界

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ある日突然、爆乳女性の"人権"が失われた。
言い換えると、爆乳女性を守る法律が無くなってしまったのだ。セクハラも、殺人さえも"被害者無し"なのである。


爆乳女たちは忽ち身を隠した。しかし、彼女のような有名人はそうはいかない。

ショートムービーで流行っているCick chockというSNSで、1000万人超のフォロワーを持つ「ファン・リンリン」

およそ、人間とは思えないようなエッチなスタイルでいながら、歩くだけでブルンブルン揺れる爆乳が特徴である。タイトな衣服に身を包んでただ歩くだけの僅か10秒の動画が1億再生されてバズった。

・世界一のエロ体型
・全中No.1ボディ
・乳児を精通させるカラダ

そんな風に持て囃された。


しかし、今、爆乳に人権は無い。
彼女が持つ1000万人というフォロワーの数は、そのまま彼女に向けられた銃口の数となった。

1000万人超から逃げる彼女。が、一眼見た瞬間に分かる異常なスタイルでは、逃げるにはあまりにも不利だった。



人目を避けるためタクシーに乗り込み、逃げるリンリン。ニュースアプリにはレイプされた爆乳女性や、爆乳女性の惨殺死体が画像付きで上がっていた。

法律が無ければ、人の性欲はいとも簡単に殺人を起こすという現実を思い知った。リンリンは恐怖で吐きそうになる。

有名になる前は自分のスタイルが「恥ずかしかった」
有名になってからは「誇らしかった」
でも今は、ただただ「恐ろしい」


あれ?
リンリンは異変を感じ取った。
ここ、どこだろう?見慣れない団地が立ち並ぶ。


「目的地ですよ」

そんなわけがない!リンリンは背筋が凍る思いをした。このタクシーの運転手は私のことを知っている!

本能的にタクシーを降りて走り出した。
身に纏った毛皮のコートが重い。
自慢の爆乳が揺れて苦しい。
左手で胸を押さえて走るから思うように進まない。

いつ後ろから襲われる?
何か投げつけられる?
タクシーで轢かれる?

振り向く余裕が無いから、恐怖だけが増大した。


もう、脚が上がらない。胸が重過ぎて息が絶え絶えになる。でも、あのタクシー運転手は来ない。

振り切ったのか?



リンリンは辺りを見回した。
70年代の改革開放政策の時に建てられた団地の影から人が覗いている。1人、2人、3人・・・。まだまだいる様子だ。

私の全力疾走を見ていたのだろう。
ということは、私の爆乳が揺れ動いていたのも、生で見ていたのだろう。

リンリンは、察した。レイプされる、と。

物影から人がゾロゾロと出てくる。数人じゃない、数十人だ。男だけじゃない、女もいる。大人だけじゃない、子供もいる。

何?!誰?!なんで?!いつヤられる?どんな風に?
理解できない恐怖が、"5W1H"という疑問詞となって彼女の頭の中で堂々巡りした。


群衆の中の1人がリンリンに向かって走り出した。すると、それを皮切りに人々が一斉に動く。

ああ、、襲われるっ!

男がリンリンの胸に飛び込む。そのまま後ろに倒れそうになる。しかし後ろからも抱きつかれた。前後から挟まれた衝撃でリンリンの呼吸が止まる。

左脚と右脚が掴まれ、宙に浮く。股が裂ける程引っ張られた。これ以上は折れる!ヤメテっ!しかし声が出ない。

左乳を鷲掴みにされた。物凄い握力だ。ダメ、千切れちゃう!しかしまたしても声が出ない。今度は右乳が両手で引っ張れ、その瞬間、今まで感じたことがないような激痛が走った。少年が右乳に噛み付いていたのだ。明らかに無事で済まないことがわかった。既に脚が折れそうだったが、乳房の痛みがその全てを上回った。

そんな時、左大腿部にナタが振り下ろされた。一撃で骨まで到達する。衝撃を感じて間もなく、左脚の感覚が無くなる。

お尻にも複数の刃物が突き立てられているのがわかった。何度も殴られたような衝撃だが、神経に到達しているのか下半身が跳ね上がるような激烈な痛みを感じる。

右乳側面がついに食い千切られた。自慢のカラダがどんどん壊れていく。リンリンは全てを失う感覚に襲われ、絶望していた。でも命だけは助けてほしいと願った。

今度は鷲掴みされていた左乳の下から、出刃包丁による切断が始まった。全中最高の爆乳と言われたリンリンのおっぱいが、切り落とされる。左乳の皮膚が切れ、痛みと恐怖から神経反射が起き、リンリンの体が反り返る。けれどもどんなに抵抗しようと乳房の切断は止まらない。呼吸が荒くなるだけで悲鳴すら上げられない。しかし、痛みと恐怖だけは存分に感じていた。

左乳が切断されている中、右乳は殴られ続けていた。ドン、ドンと右乳から全身に伝わる衝撃を感じていたリンリンは、自分の右乳がどうなっているのか気になって目を向けた。そこには—

黄色い脂肪組織が飛び出し、そこからドクドクと真っ赤な血が流れるおっぱいの変わり果てた姿が見えた。殴られていたと思っていたが、実際はナイフで右乳が滅多刺しにされていたのだ。

ちょうどその時、リンリンの巨大な左乳が切断完了していた。リンリンは切り取られた大きな乳房を見せつけられた。本当は悲鳴をあげたかった。自分の体がここまで残酷に解体されているのだ。もうヤメテ・・・殺さないで。

神に祈るリンリンだったが、眼前の切り取られた左乳が、握り潰された。おっぱいが切断面から大量出血しながら黄色血脂肪組織が飛び出してぐちゃぐちゃになっていく。私のおっぱいが!言葉にできない怒りと恐怖と悲しみから、初めてリンリンが絶叫する。

「だめえええぇええいやぁああああああああああああああ!!うぐっ!」

絶叫が途中で強制的に止められた。腹部に何かがぶつかった。薄れる意識の中、リンリンは2人の男が柄の長いナタを交互に振り下ろす光景を見た。そのまま意識が遠のいていく。。。






リンリンはまだ死んでいなかった。
虚な状態で目を開けると、辺りに人はいなくなっていた。

助かった・・・。終わったんだ。生きてる。私生きてる。

誰か、助けて。動けない。動かない。

どこも動かないよぉ。

お願い。



よく見ると目の前に"下半身"と"肉の塊"が落ちていた。

意識を失う前の記憶を辿るリンリン。
そういえば、左のおっぱいが切り落とされて、ナタみたいなのでお腹を。。

あれ、下半身がなんで横にあるの?

私の脚なの?あれは私のお尻なの?じゃあなんで生きてるの?


もう歩けないのかな?胸は元に戻るかな?

死ぬのかな。。私。何か悪いことしたかな。。
全身の感覚がもう無いよ。。怖いよぉ。

リンリンは絶望の中でひっそりと死んでいった。






世界一のエロ女「ファン・リンリン」の死は世界中のニュースサイトを駆け巡った。

コメントには「やり過ぎ」、「上手にできたフェイク写真」、「勿体ない」、「下半身ほちい」などと、心ないものばかり並んだ。
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