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番外編
リップル王女の恋物語 ジャスティンSide②
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「リップル王女がロブ兄上の婚約者候補……?」
久し振りに家族が全員集まって夕食を取っていた時、父上である国王陛下からリップル王女が我が国へと留学しに来るという話を聞いた。最初は挽回のチャンスが巡って来たと喜んでいたのだが、ロブ兄上の婚約者候補の一人として来るという話になり内心ショックのあまり途中から食事が喉を通らなくなった。
そしてもう一人の候補としてクリス兄上の婚約者であったアリエッタ嬢が名を連ねる事になったらしい。ロブ兄上が昔からアリエッタ嬢に想いを寄せている事は知っていたが、まさか本当にこの二人の婚約が実現しようとしている事に驚きだ。クリス兄上は既に別の女性と婚約する事になったらしい。……兄上たちは一体なにをやっているのだ。
更に驚いた事にクリス兄上は数年後に王位継承権を放棄して臣下にくだるらしい。クリス兄上には元々呆れる事が多かったから、今更驚くほどの事でもないのだが……それにしても、まさかリップル王女をロブ兄上に奪われるとは思わなかった。
父上がいうにはリップル王女の留学は数年前から決定していた事だったらしい。
「……私は出逢う前からこの恋は実る事は無かったという事だな」
自室へ戻ってソファーでアレコレ考えを巡らせる。例えアリエッタ嬢が正妃の座を射止めたとしても、リップル王女はそのまま側妃としてロブ兄上と婚姻される可能性が高い。逆もしかりだ。
「でも、待てよ……。もし、もしもリップル王女が試練をクリア出来なくて、私の求婚を受けてくれたなら……ロブ兄上だってアリエッタ嬢が居れば側妃は必要としない筈だし」
この国では王が希望しなければ側妃を無理に娶る必要は無い。どうしても世継ぎが生まれない場合は仕方ないが、それ以外では側妃を取った王は居ないのだ。
「あぁっ、でも私はリップル王女から嫌われているのだった……」
重大な事に気付いて落ち込む。私は何故あんなにも嫌われてしまったのだろうか。理由が知りたい。そして何としてもそれを改善するから、私を好きになって貰いたい。
結局その日の晩は一睡も眠る事が出来ぬまま、悶々として朝を迎えたのだった。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
それから暫くして、とうとうリップル王女が留学しに我が国へとやって来た。久々に見たリップル王女の姿は前にも増して光輝いていた。美しすぎる……。胸がドキドキしてどうにかなりそうだ。
「お久しぶりです、リップル王女」
高鳴る胸を抑えながら彼女の前に立った。既にリップル王女の視線は下の方へと向いている。……うっ、やはり顔は見てはくれないのか。
「ジャスティン殿下、お元気そうで安心致しました」
私の首元辺りに視線を落しながら、リップル王女はぎこちない微笑みを見せた。そんなぎこちない微笑みも最高に可愛らしい。
「これからまた学園で顔を合わせる事になりますね」
「はい、そうですわね」
「長旅でお疲れの事でしょう。今日はゆっくり休んで下さい」
「ありがとう御座います」
今はロブ兄上の婚約者候補だ。あまり馴れ馴れしく付きまとってしまうのは不味い。取り敢えず、学園では毎日挨拶を交わそう。そして出来る事なら、もっと色々な話をして徐々に距離を縮めて行くしかない。王太子妃の試練が終わるまでは、私も迂闊な行動は出来ないからな……。
私はひたすらリップル王女と顔を合わす機会を作り、ようやく彼女が私の顔を時折チラリと見てくれるようになった。少しは私の顔に慣れてくれたのだろうか。もっと見て欲しくて最近は肌の手入れにも力を入れるようになったのだが、そんな私の様子をメイドたちが不思議そうにしている。仕方ないじゃないか、この顔をどうやったら見てくれるのかが私には分からないのだから。
久し振りに家族が全員集まって夕食を取っていた時、父上である国王陛下からリップル王女が我が国へと留学しに来るという話を聞いた。最初は挽回のチャンスが巡って来たと喜んでいたのだが、ロブ兄上の婚約者候補の一人として来るという話になり内心ショックのあまり途中から食事が喉を通らなくなった。
そしてもう一人の候補としてクリス兄上の婚約者であったアリエッタ嬢が名を連ねる事になったらしい。ロブ兄上が昔からアリエッタ嬢に想いを寄せている事は知っていたが、まさか本当にこの二人の婚約が実現しようとしている事に驚きだ。クリス兄上は既に別の女性と婚約する事になったらしい。……兄上たちは一体なにをやっているのだ。
更に驚いた事にクリス兄上は数年後に王位継承権を放棄して臣下にくだるらしい。クリス兄上には元々呆れる事が多かったから、今更驚くほどの事でもないのだが……それにしても、まさかリップル王女をロブ兄上に奪われるとは思わなかった。
父上がいうにはリップル王女の留学は数年前から決定していた事だったらしい。
「……私は出逢う前からこの恋は実る事は無かったという事だな」
自室へ戻ってソファーでアレコレ考えを巡らせる。例えアリエッタ嬢が正妃の座を射止めたとしても、リップル王女はそのまま側妃としてロブ兄上と婚姻される可能性が高い。逆もしかりだ。
「でも、待てよ……。もし、もしもリップル王女が試練をクリア出来なくて、私の求婚を受けてくれたなら……ロブ兄上だってアリエッタ嬢が居れば側妃は必要としない筈だし」
この国では王が希望しなければ側妃を無理に娶る必要は無い。どうしても世継ぎが生まれない場合は仕方ないが、それ以外では側妃を取った王は居ないのだ。
「あぁっ、でも私はリップル王女から嫌われているのだった……」
重大な事に気付いて落ち込む。私は何故あんなにも嫌われてしまったのだろうか。理由が知りたい。そして何としてもそれを改善するから、私を好きになって貰いたい。
結局その日の晩は一睡も眠る事が出来ぬまま、悶々として朝を迎えたのだった。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
それから暫くして、とうとうリップル王女が留学しに我が国へとやって来た。久々に見たリップル王女の姿は前にも増して光輝いていた。美しすぎる……。胸がドキドキしてどうにかなりそうだ。
「お久しぶりです、リップル王女」
高鳴る胸を抑えながら彼女の前に立った。既にリップル王女の視線は下の方へと向いている。……うっ、やはり顔は見てはくれないのか。
「ジャスティン殿下、お元気そうで安心致しました」
私の首元辺りに視線を落しながら、リップル王女はぎこちない微笑みを見せた。そんなぎこちない微笑みも最高に可愛らしい。
「これからまた学園で顔を合わせる事になりますね」
「はい、そうですわね」
「長旅でお疲れの事でしょう。今日はゆっくり休んで下さい」
「ありがとう御座います」
今はロブ兄上の婚約者候補だ。あまり馴れ馴れしく付きまとってしまうのは不味い。取り敢えず、学園では毎日挨拶を交わそう。そして出来る事なら、もっと色々な話をして徐々に距離を縮めて行くしかない。王太子妃の試練が終わるまでは、私も迂闊な行動は出来ないからな……。
私はひたすらリップル王女と顔を合わす機会を作り、ようやく彼女が私の顔を時折チラリと見てくれるようになった。少しは私の顔に慣れてくれたのだろうか。もっと見て欲しくて最近は肌の手入れにも力を入れるようになったのだが、そんな私の様子をメイドたちが不思議そうにしている。仕方ないじゃないか、この顔をどうやったら見てくれるのかが私には分からないのだから。
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