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本編
三人の転生者
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リップル王女からの要請でわたしの邸で開かれた非公式なお茶会は、わたしの部屋でこっそりと行われた。
「リップルたんだー! うわぁ、本物はヤバイくらい綺麗ですね~」
「ちょ、ちょっとプリメラさん。リップル殿下に失礼よ」
「ふふふ、大丈夫ですわ~今日は無礼講ですから」
顔を合わせた途端にリップル王女のお姿に感激してテンションが上がるプリメラ。いや、いくら無礼講と言っても“リップルたん”呼びは無いでしょう、と内心冷や汗が止まらないわたし。
「ヒロインちゃんも可愛いですわ~これで人妻とか信じられないですわ」
「実は今、二人目がここに……」
と、自分のお腹を指差すプリメラ。
「あなた妊娠中なの!? 大丈夫なの、外出なんてして」
「大丈夫ですよ~安定期に入りましたから」
「赤ちゃん……素敵ですわ~! 私も早く欲しいです。あぁ、私も愛する人に愛されたい……」
なんだか色々と突っ込みたいけど突っ込めないわたしに変わって、プリメラが遠慮なくリップル王女に問いかける。
「愛する人って、ロブ殿下ですか?」
ドキッとする質問にわたしは息を飲む。先日は“お慕いしている方がいる”とだけ聞いたけど、それが誰の事なのか分からなかった。
「残念ながら違いますわ。……私、ジャスティン殿下をお慕いしておりますの」
「ジャスティン殿下……?」
このゲームに詳しい筈のプリメラが首を傾げる。わたしはプリメラにジャスティン殿下の事を簡単に説明をする。
「ロブ殿下とクリス殿下の弟君の第三王子のジャスティン殿下よ」
「て事は攻略対象者じゃない方ですね」
「そうですの~、以前我が国に留学されてたのですけど……その頃からずっとお慕いしておりますの」
十五歳のジャスティン殿下にはまだ婚約者が居ない。リップル王女が一つ年上ではあるけど、歳が近いのでバランスも良い様に思える。
「……ジャスティン殿下は、リップル王女のお気持ちはご存知なのですか?」
「いいえ、私の片想いですの」
少し寂しそうにリップル王女が呟く。
「今回お父様からの命令でこの国に来ましたけど、一番の目的はジャスティン殿下と少しでもお近づきになれれば……と思って」
「じゃあ、王太子妃の試練は? リップルたんも婚約者候補ですよね」
「仕方ないから受けますけど……本音を言えば、どうでも良いですわ。私とロビウムシス殿下では政略的な婚約しか結ばれませんもの。だからアリエッタには何が何でも王太子妃になって貰わなければ困りますの」
そう言ってわたしを見る二人の視線が痛い……。
「アリエッタ様が試練をクリア出来ないと、リップルたんの恋も成就しない……責任重大ですね」
「うう……プレッシャーが……」
例えリップル王女もわたしも正妃になれなかったとしたら、きっと再び王太子妃候補として他の女性を捜し出して試練を受けさせるだろう。ロブ殿下の隣りに立ちたいのなら、とにかく試練をクリアするしか道がないという事だ。
考えてもどうしようもない。今はただ試練の日を待つ事しか出来ないのだから。
「リップルたんだー! うわぁ、本物はヤバイくらい綺麗ですね~」
「ちょ、ちょっとプリメラさん。リップル殿下に失礼よ」
「ふふふ、大丈夫ですわ~今日は無礼講ですから」
顔を合わせた途端にリップル王女のお姿に感激してテンションが上がるプリメラ。いや、いくら無礼講と言っても“リップルたん”呼びは無いでしょう、と内心冷や汗が止まらないわたし。
「ヒロインちゃんも可愛いですわ~これで人妻とか信じられないですわ」
「実は今、二人目がここに……」
と、自分のお腹を指差すプリメラ。
「あなた妊娠中なの!? 大丈夫なの、外出なんてして」
「大丈夫ですよ~安定期に入りましたから」
「赤ちゃん……素敵ですわ~! 私も早く欲しいです。あぁ、私も愛する人に愛されたい……」
なんだか色々と突っ込みたいけど突っ込めないわたしに変わって、プリメラが遠慮なくリップル王女に問いかける。
「愛する人って、ロブ殿下ですか?」
ドキッとする質問にわたしは息を飲む。先日は“お慕いしている方がいる”とだけ聞いたけど、それが誰の事なのか分からなかった。
「残念ながら違いますわ。……私、ジャスティン殿下をお慕いしておりますの」
「ジャスティン殿下……?」
このゲームに詳しい筈のプリメラが首を傾げる。わたしはプリメラにジャスティン殿下の事を簡単に説明をする。
「ロブ殿下とクリス殿下の弟君の第三王子のジャスティン殿下よ」
「て事は攻略対象者じゃない方ですね」
「そうですの~、以前我が国に留学されてたのですけど……その頃からずっとお慕いしておりますの」
十五歳のジャスティン殿下にはまだ婚約者が居ない。リップル王女が一つ年上ではあるけど、歳が近いのでバランスも良い様に思える。
「……ジャスティン殿下は、リップル王女のお気持ちはご存知なのですか?」
「いいえ、私の片想いですの」
少し寂しそうにリップル王女が呟く。
「今回お父様からの命令でこの国に来ましたけど、一番の目的はジャスティン殿下と少しでもお近づきになれれば……と思って」
「じゃあ、王太子妃の試練は? リップルたんも婚約者候補ですよね」
「仕方ないから受けますけど……本音を言えば、どうでも良いですわ。私とロビウムシス殿下では政略的な婚約しか結ばれませんもの。だからアリエッタには何が何でも王太子妃になって貰わなければ困りますの」
そう言ってわたしを見る二人の視線が痛い……。
「アリエッタ様が試練をクリア出来ないと、リップルたんの恋も成就しない……責任重大ですね」
「うう……プレッシャーが……」
例えリップル王女もわたしも正妃になれなかったとしたら、きっと再び王太子妃候補として他の女性を捜し出して試練を受けさせるだろう。ロブ殿下の隣りに立ちたいのなら、とにかく試練をクリアするしか道がないという事だ。
考えてもどうしようもない。今はただ試練の日を待つ事しか出来ないのだから。
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