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第二章
卒業パーティ①
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卒業パーティの日はあっという間にやって来た。この日の為にアルスト殿下から贈られたドレスと装飾品を身に包み、鏡の前で自分の姿を確認する。カラーは勿論、殿下の瞳を象徴するエメラルドグリーン。チュールを幾重にも重ね合わせたふんわりとしたドレスで広範囲に細かな刺繍が施されている。袖は同じチュール生地を使用し、バックスタイルは少し大胆に開いていて編み上げ式だ。
「こんなに背中が開いているドレスは初めてで何だかドキドキしてしまうわ」
鏡に背を映しながら自分の姿に落ち着かないあたし。背中を強調する為か長い髪は結い上げられている。胸に手を当てると殿下から贈られたホワイトダイヤとブラウンダイヤを組み合わせた豪華なペンダントが指に触れる。耳にも同じデザインのピアスが揺れている。
殿下の髪の色と同じブラウンダイヤモンドは物事に動じず、負のエネルギーを跳ね除ける強いパワーを持つと言われている。石言葉は、明るさ・セクシー・カリスマ性・威厳。まるで殿下そのものという感じがする。
「とてもお似合いですよお嬢様」
「ありがとう」
「それに……」
「?」
「毎回思ってはいたのですが、今回なんて特にそうですけど。殿下は余程、お嬢様をご自分の物だって見せびらかしたいご様子ですよね」
「……!!」
アルスト殿下カラーに全身包まれた自分の姿に思わず顔が熱くなる。殿下とあたしの婚約は誰もが知っている事ではあるけど、改めてそれを分かる形で披露する殿下……。マイリ―はまるで自分の事の様に頬に手を当てながらあたしを眺め、嬉しそうに瞳を輝かせている。
「そんな事しなくても皆ご存知ですのに……」
嬉しいけど何だか恥ずかしくて、くすぐったい気持ちになる。執事から殿下の到着の知らせが入り、あたしはいそいそと玄関ロビーへと向かった。正装に身を包んだ殿下の姿を見つけてカーテシーをした。
「お待たせして申し訳ありません。お迎え有難う御座います」
「あぁ、ティアナ。まるで女神の様だ、よく似合っている」
熱を帯びた瞳であたしの姿を見て、殿下はドレス姿を褒めて下さる。あぁ、今日の殿下も素晴らしくお顔が良くて、クラクラしてしまいそうになる。
「ティアナ、少しだけ、待ってね……」
そう言いながら鼻を押さえる様にして後ろを向かれて、従者のデペッシュから受け取ったハンカチで何かモゾモゾとされた後……大きく深呼吸をしてからこちらを振り向いた。少し鼻先が赤い気がするけど大丈夫だろうか。殿下越しに見えるデペッシュが何とも言えない表情で「婚約者見て鼻血って……」とか呟いていたのが気になるけど、そこには触れないでおこうと思う。
「では、行こうか」
「はいっ、殿下」
殿下が用意してくれていた王族仕様の大きな馬車へと二人で乗り込み、卒業パーティの会場でもある王宮へと向かった。
「こんなに背中が開いているドレスは初めてで何だかドキドキしてしまうわ」
鏡に背を映しながら自分の姿に落ち着かないあたし。背中を強調する為か長い髪は結い上げられている。胸に手を当てると殿下から贈られたホワイトダイヤとブラウンダイヤを組み合わせた豪華なペンダントが指に触れる。耳にも同じデザインのピアスが揺れている。
殿下の髪の色と同じブラウンダイヤモンドは物事に動じず、負のエネルギーを跳ね除ける強いパワーを持つと言われている。石言葉は、明るさ・セクシー・カリスマ性・威厳。まるで殿下そのものという感じがする。
「とてもお似合いですよお嬢様」
「ありがとう」
「それに……」
「?」
「毎回思ってはいたのですが、今回なんて特にそうですけど。殿下は余程、お嬢様をご自分の物だって見せびらかしたいご様子ですよね」
「……!!」
アルスト殿下カラーに全身包まれた自分の姿に思わず顔が熱くなる。殿下とあたしの婚約は誰もが知っている事ではあるけど、改めてそれを分かる形で披露する殿下……。マイリ―はまるで自分の事の様に頬に手を当てながらあたしを眺め、嬉しそうに瞳を輝かせている。
「そんな事しなくても皆ご存知ですのに……」
嬉しいけど何だか恥ずかしくて、くすぐったい気持ちになる。執事から殿下の到着の知らせが入り、あたしはいそいそと玄関ロビーへと向かった。正装に身を包んだ殿下の姿を見つけてカーテシーをした。
「お待たせして申し訳ありません。お迎え有難う御座います」
「あぁ、ティアナ。まるで女神の様だ、よく似合っている」
熱を帯びた瞳であたしの姿を見て、殿下はドレス姿を褒めて下さる。あぁ、今日の殿下も素晴らしくお顔が良くて、クラクラしてしまいそうになる。
「ティアナ、少しだけ、待ってね……」
そう言いながら鼻を押さえる様にして後ろを向かれて、従者のデペッシュから受け取ったハンカチで何かモゾモゾとされた後……大きく深呼吸をしてからこちらを振り向いた。少し鼻先が赤い気がするけど大丈夫だろうか。殿下越しに見えるデペッシュが何とも言えない表情で「婚約者見て鼻血って……」とか呟いていたのが気になるけど、そこには触れないでおこうと思う。
「では、行こうか」
「はいっ、殿下」
殿下が用意してくれていた王族仕様の大きな馬車へと二人で乗り込み、卒業パーティの会場でもある王宮へと向かった。
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