露店の灯りに輝く、欠けた林檎飴片手

小春佳代

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…………はっ。

何、いつの記憶よ……。

桜の花びらがひらひらと膝の上に落ちた。

いくら疲れてるからって、公園のベンチに腰かけたままうたた寝とか……。

「……仲さん?!」

「わっ、久しぶり……!」

こんな場所で偶然男友達に会う、今日はそういう日のようだ。

会っていなかった月日を感じさせることもなく、私たちは何度か言葉を交わした。

あぁ、そうか。

もし今、偶然再会していたのが瀬古くんだったのなら……。

何事も無く話すことができるだろうか。

いや、やっぱり少なからずどきどきするんだ。

でも言いたいことは言うんだ。

「飲みに行こうって言ったやんか、ウソつき」って。

そして君は笑うんだろうな、悪気なく。

「いつの話っ」

それは、恋にすることさえできなかった恋。
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