ベルガモットの空言

小春佳代

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天邪鬼は心を隠し続けることに決めました

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過去を振り返ってみれば
私はいつもいつも
潜在的な意識の中で
人と違う場所に行きたがる人間だった

流行ってる歌は
廃れてから初めて聴きたくなったし
学生最後の年は
自由を満喫せずに小金を稼ぐことに没頭
周りはもう大人になって落ち着いているのに
騒ぎたくて仕方ない

この性質を出来るだけ隠して生きることが重要
優等生万歳
みんなを幸せにすることが私の役目なの

嘘はひとつもない
人々が笑うと嬉しい
大前提がそれ



誰にも見せないもう一人の私が
くるくると踊ってる
黒いロングスカートが円になって広がり揺れる
赤い爪をした指先には羽根のついた万年筆

天の邪鬼はいつの時代も
恋の詩うたさえ綴れられれば満たされる

過去の恋も今の恋も栄養だ

くるくるとした踊りに合わせて
さらさらと万年筆から
空中に流れ書きされる言葉の数々

大人になれなかった
心まで大人になれなかった

隠しながら生きるよ

君たちは笑っててね
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