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悪役令嬢、安堵する
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思っていたより、エイミがまともでホッとした。
これなら問題なく、平民として暮らしていってくれると思う。
聞いている限り、メイソンよりも精神的に大人な感じだし。
あの喋り方とかは、乙女ゲームのお花畑ヒロインを真似てたのかしら?
いや。何故に?
普通、ちゃんとしたヒロインを真似るでしょう?
そう言ったら、ヒロインじゃないのはわかっていたから、それならワンチャンかけてみただけとか言ってた。
意外とチャレンジャーね。
そして、メイソンの方はというと・・・
「母上か・・・」
ダミアンが頭を抱えるように、深いため息を吐いた。
そう。
メイソンに、要らぬ手紙を送った主は王妃様だった。
私がメイソンたちに危害を加えられそうなところをダミアンが助けるか、もしくは怪我をしたら王家の責任としてダミアンの婚約者にするか、したかったらしい。
あほか。
なんてめんどくさいことしようとしてるの。
以前から思ってたけど、王妃様はどうしてそこまで私にこだわるんだろう。
確かに私は筆頭公爵家の娘で、年齢もダミアンと釣り合う。
自分で言うのもなんだけど、容姿も優れているし、頭脳の方も問題はない。
まぁ中身が私な時点で、多少残念なところはなくもない・・・けど、概ねダミアンの婚約者候補として最良物件だろう。
でも、アデルバード王国は家格ではなく本人の資質で婚約者を選ぶ。
その点でもまぁ、アナスタシアが筆頭なのは違いないけど、他の人間と婚約してるのを壊してまでの必要性を感じない。
しかも私が婚約しているのは、ローレンス公爵家のカイル。
アデライン公爵家とローレンス公爵家の二家との関係を悪くしてまで、私である必要ってある?
それに、メロディがいる。
ダミアンが私に懸想しているなら、その想いを叶えるためというならギリギリわからないでもないけど、今のダミアンはメロディといい感じに思える。
なら、何故?
「ふーん、王妃様はローレンス公爵家を敵に回したいんだ」
「!」
カイルの冷たい声に、私とダミアンの顔からさぁーっと血の気が引く。
まっずーい!
本気で怒ってる!
「か、カイル、落ち着け!」
「カイル様っ!なっ、何か別の意図があるのかもしれませんわ!それに、私はカイル様以外と婚約するつもりはありませんから!」
「僕だけ?」
「もちろんです!私はカイル様をお慕いしているからこそ、婚約をお願いしたのですから!」
嘘じゃないから躊躇わずに言うと、カイルから溢れ出ていた冷気が和らぐ。
王妃様のことは、ダミアン・・・では頼りないか、お母様に頼んでみよう。
それとも直接対決しちゃう?
はっきりと問いただしたら、案外あっさり解決する?
お母様に要相談ね。
これなら問題なく、平民として暮らしていってくれると思う。
聞いている限り、メイソンよりも精神的に大人な感じだし。
あの喋り方とかは、乙女ゲームのお花畑ヒロインを真似てたのかしら?
いや。何故に?
普通、ちゃんとしたヒロインを真似るでしょう?
そう言ったら、ヒロインじゃないのはわかっていたから、それならワンチャンかけてみただけとか言ってた。
意外とチャレンジャーね。
そして、メイソンの方はというと・・・
「母上か・・・」
ダミアンが頭を抱えるように、深いため息を吐いた。
そう。
メイソンに、要らぬ手紙を送った主は王妃様だった。
私がメイソンたちに危害を加えられそうなところをダミアンが助けるか、もしくは怪我をしたら王家の責任としてダミアンの婚約者にするか、したかったらしい。
あほか。
なんてめんどくさいことしようとしてるの。
以前から思ってたけど、王妃様はどうしてそこまで私にこだわるんだろう。
確かに私は筆頭公爵家の娘で、年齢もダミアンと釣り合う。
自分で言うのもなんだけど、容姿も優れているし、頭脳の方も問題はない。
まぁ中身が私な時点で、多少残念なところはなくもない・・・けど、概ねダミアンの婚約者候補として最良物件だろう。
でも、アデルバード王国は家格ではなく本人の資質で婚約者を選ぶ。
その点でもまぁ、アナスタシアが筆頭なのは違いないけど、他の人間と婚約してるのを壊してまでの必要性を感じない。
しかも私が婚約しているのは、ローレンス公爵家のカイル。
アデライン公爵家とローレンス公爵家の二家との関係を悪くしてまで、私である必要ってある?
それに、メロディがいる。
ダミアンが私に懸想しているなら、その想いを叶えるためというならギリギリわからないでもないけど、今のダミアンはメロディといい感じに思える。
なら、何故?
「ふーん、王妃様はローレンス公爵家を敵に回したいんだ」
「!」
カイルの冷たい声に、私とダミアンの顔からさぁーっと血の気が引く。
まっずーい!
本気で怒ってる!
「か、カイル、落ち着け!」
「カイル様っ!なっ、何か別の意図があるのかもしれませんわ!それに、私はカイル様以外と婚約するつもりはありませんから!」
「僕だけ?」
「もちろんです!私はカイル様をお慕いしているからこそ、婚約をお願いしたのですから!」
嘘じゃないから躊躇わずに言うと、カイルから溢れ出ていた冷気が和らぐ。
王妃様のことは、ダミアン・・・では頼りないか、お母様に頼んでみよう。
それとも直接対決しちゃう?
はっきりと問いただしたら、案外あっさり解決する?
お母様に要相談ね。
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