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悪役令嬢、約束する

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 ダミアンは、メロディに良く話しかけるようになった。

 メロディの方は、まだ戸惑いがあるみたいだったけど。

 クラスメイトは、基本的に好意的にそれを見守っている。

 Aクラスのみんなは、高位貴族の令息令嬢は婚約者持ちが大半だし、下位貴族の令嬢は就職先や婚約者を探しているとはいえ、相手が王太子殿下となると《ない》ということになるようだ。

 まぁね。
いくら優秀だとはいえ、高位貴族より上に立つ身分になる『覚悟』とか諸々を考えれば、良い距離感ででいれば卒業後に重用してもらえるかもしれないものね。

 それをいないのは、マチルダのようにの人間。

 ま、ダミアンには嫌われたみたいだし?アデライン公爵家とローレンス公爵家に睨まれたんだから、ゾルガー侯爵家には明るい未来はないわ。

 だって、あの茶会のあとにがなかったもの。

 舐めてんのかしら。
アデライン公爵家からドレス代と抗議文が届いてるのよ?

 しかも、ローレンス公爵家連名なのよ?

 一応、アデライン公爵家には謝罪文が届いたけど、普通はその日のうちに当主と夫人、そしてマチルダがやって来て謝らなければならないのよ?

 当然、ペイジ男爵家に赴いてメロディ

 やった相手が男爵令嬢だから、とでも思っているのかしらね。

 もちろん、お父様とお母様には報告済み。

 ダミアンにもね。
ダミアンがどう考えるのかどう動くのかは分からないけど、少なくともはこういうことの対処には慣れてるはず。

 そうしたら、ダミアンはメロディとの距離を縮めたのよね。

 多分マチルダだけじゃなく、メロディに対して何かして来そうな相手への牽制なんだと思う。

「めんどくさいから、さっさと婚約すれば良いのに」

「カイル様。本音が漏れていますわ。あくまでもメロディ様のお気持ち次第ですわ」

「ダミアンが決めれば、逃げられない気がするけどなぁ」

「あら?私はメロディ様の味方でしてよ?メロディ様が嫌だとおっしゃるなら、お味方しますわ。そしてカイル様、カイル様は味方ですわよね?」

 だから、メロディの気持ちに沿ってくれるよね?

 私の問いに、カイルは一瞬きょとんとして、それから満面の笑みで微笑んだ。

「もちろん!シアさえ僕のそばにいてくれるなら、ダミアンが誰とくっつこうとどうでもいいよ。でも、シア。僕ペイジ嬢の婚約の役に立ったら、何かご褒美くれる?」

「・・・メロディ様のお力になって下さったなら、良いですわ」

「約束だよ」

 カイルの笑みになんか失敗した気もするけど、ま、いっか。
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