26 / 56
悪役令嬢、観察する
しおりを挟む
「皆様、ごゆるりとお過ごしくださいませ」
お茶会が始まった。
元々大半はクラスメイトなので、私がわざわざ引き合わせる必要はない。
それに、王太子であるダミアンなら、主だった貴族の令嬢の名前くらい知っているだろう。
それぞれのテーブルに付いている使用人たちには、給仕をしながら様子を伺うように伝えてあるし、その総括は我が家の家令の一人であるレナードがしてくれる。
というわけで、私は離れたテーブルでカイルとお茶を飲みながら会場を眺めている。
ちなみにお兄様であるジュリアンは、エリザベス様に連れられてみんなのテーブルを回っている。
すまんね、兄。
私がエリザベス様に頼んだのだよ。
もちろん私も挨拶回りはする予定だけど、ここはやっぱり未来のアデライン公爵家の女主人として、エリザベス様のに頑張ってもらいたい。
「あら」
「どうかした?シア」
「いえ。なんでもありませんわ」
ダミアンが、話しかけてくるゾルガー侯爵令嬢が煩わしいのか、メロディのところへと避難して行くのが見えた。
気持ちは分かる。
前世でも、しつこいのは嫌われてた。
追われると逃げたくなるというか。
まぁ、好きな相手だったら追われても嬉しいんだろうけど、ヒロインがタイプだったら、ゾルガー侯爵令嬢はダミアンのタイプじゃないもんね。
メロディのいるテーブルは、エリザベス様とお兄様、そしてゾルガー侯爵令嬢が苦手なシンプソン侯爵令嬢がいる。
え?もちろんわざとそういう席順にした。
メロディにまた文句を言ってきたら、ほら私キレちゃうかもしれないし?
シンプソン侯爵家の次女であるマリアンヌ様は論理的なタイプの上、家格で人を判断しない。
優秀なメロディのことも認めているみたいで、Aクラス落ちしているゾルガー侯爵令嬢の家格優先的な考えを嫌っている。
でもって、実はオスカーのことを好きらしい。
ラノベの中で、マリアンヌ様はオスカーの婚約者だった。
あの二人、幼馴染なのよね。
別にオスカーも、メロディに惹かれてる様子もないし、それならと思ったのよね。
もう一人の攻略対象のメイソンの婚約者は、プライウッド伯爵令嬢。
彼女はすっっごく大人しくて、気弱な性格。
キツい性格のゾルガー侯爵令嬢が、ごちゃごちゃ言ってるのを聞いたことがある。
私が行く前にマリアンヌ様が論破していた。
気は強いけど、マリアンヌ様はお優しい人なのよね。
正義の味方?って感じ。
そこも好感度高いところ。
二人とも・・・ううん、メロディも入れて三人とも上手くいくといいけど。
お茶会が始まった。
元々大半はクラスメイトなので、私がわざわざ引き合わせる必要はない。
それに、王太子であるダミアンなら、主だった貴族の令嬢の名前くらい知っているだろう。
それぞれのテーブルに付いている使用人たちには、給仕をしながら様子を伺うように伝えてあるし、その総括は我が家の家令の一人であるレナードがしてくれる。
というわけで、私は離れたテーブルでカイルとお茶を飲みながら会場を眺めている。
ちなみにお兄様であるジュリアンは、エリザベス様に連れられてみんなのテーブルを回っている。
すまんね、兄。
私がエリザベス様に頼んだのだよ。
もちろん私も挨拶回りはする予定だけど、ここはやっぱり未来のアデライン公爵家の女主人として、エリザベス様のに頑張ってもらいたい。
「あら」
「どうかした?シア」
「いえ。なんでもありませんわ」
ダミアンが、話しかけてくるゾルガー侯爵令嬢が煩わしいのか、メロディのところへと避難して行くのが見えた。
気持ちは分かる。
前世でも、しつこいのは嫌われてた。
追われると逃げたくなるというか。
まぁ、好きな相手だったら追われても嬉しいんだろうけど、ヒロインがタイプだったら、ゾルガー侯爵令嬢はダミアンのタイプじゃないもんね。
メロディのいるテーブルは、エリザベス様とお兄様、そしてゾルガー侯爵令嬢が苦手なシンプソン侯爵令嬢がいる。
え?もちろんわざとそういう席順にした。
メロディにまた文句を言ってきたら、ほら私キレちゃうかもしれないし?
シンプソン侯爵家の次女であるマリアンヌ様は論理的なタイプの上、家格で人を判断しない。
優秀なメロディのことも認めているみたいで、Aクラス落ちしているゾルガー侯爵令嬢の家格優先的な考えを嫌っている。
でもって、実はオスカーのことを好きらしい。
ラノベの中で、マリアンヌ様はオスカーの婚約者だった。
あの二人、幼馴染なのよね。
別にオスカーも、メロディに惹かれてる様子もないし、それならと思ったのよね。
もう一人の攻略対象のメイソンの婚約者は、プライウッド伯爵令嬢。
彼女はすっっごく大人しくて、気弱な性格。
キツい性格のゾルガー侯爵令嬢が、ごちゃごちゃ言ってるのを聞いたことがある。
私が行く前にマリアンヌ様が論破していた。
気は強いけど、マリアンヌ様はお優しい人なのよね。
正義の味方?って感じ。
そこも好感度高いところ。
二人とも・・・ううん、メロディも入れて三人とも上手くいくといいけど。
499
お気に入りに追加
584
あなたにおすすめの小説
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる
mios
恋愛
ヒロインの味方をずっとしておりました。前世の推しであり、やっと出会えたのですから。でもね、ちょっとゲームと雰囲気が違います。
どうやらヒロインに利用されていただけのようです。婚約者?熨斗つけてお渡ししますわ。
金の切れ目は縁の切れ目。私、鞍替え致します。
ヒロインの味方のモブ令嬢が、ヒロインにいいように利用されて、悪役令嬢に助けを求めたら、幸せが待っていた話。
悪役令嬢予定でしたが、無言でいたら、ヒロインがいつの間にか居なくなっていました
toyjoy11
恋愛
題名通りの内容。
一応、TSですが、主人公は元から性的思考がありませんので、問題無いと思います。
主人公、リース・マグノイア公爵令嬢は前世から寡黙な人物だった。その為、初っぱなの王子との喧嘩イベントをスルー。たった、それだけしか彼女はしていないのだが、自他共に関連する乙女ゲームや18禁ゲームのフラグがボキボキ折れまくった話。
完結済。ハッピーエンドです。
8/2からは閑話を書けたときに追加します。
ランクインさせて頂き、本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
お読み頂き本当にありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ
応援、アドバイス、感想、お気に入り、しおり登録等とても有り難いです。
12/9の9時の投稿で一応完結と致します。
更新、お待たせして申し訳ありません。後は、落ち着いたら投稿します。
ありがとうございました!
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~
イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」
どごおおおぉっ!!
5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略)
ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。
…だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。
それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。
泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ…
旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは?
更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!?
ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか?
困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語!
※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください…
※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください…
※小説家になろう様でも掲載しております
※イラストは湶リク様に描いていただきました
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる