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悪役令嬢、熱く語る
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「殿下は、お好きな方も気になる方もいらっしゃらないとおっしゃいますの?」
現在、熱くダミアンを詰問中の私。
ダミアン本人が好きな人がいるのなら、その人にダミアンのことをどう思うか聞いてあげようと思ったのに、当のダミアンがハッキリしない。
「気になる人はいないわけでもないというか、なんというか」
「結局、どちらですの?もしかして婚約者がいらっしゃる方なのでしょうか?一応、お相手の方のお気持ちは確かめますわよ?政略結婚の場合もありますし」
「言ってみなよ、ほら」
ああ。
私は現在、カイルの膝の上よ。
ダミアンに好きな人はいないのか聞きに行くと言ったら、一緒に行くと言われ、何故かお膝の上に座らされた。
良いけど。恥ずかしくないわけじゃないけど、もう慣れたし。
で、カイルに言えと言われたダミアンは、視線を彷徨わせ・・・
「アデら・・・」
「却下」
「・・・せめて最後まで言わせてくれ。まぁ、カイルならそう言うだろうとは思っていたが。他に知り合いらしき知り合いもいないからな。そもそも挨拶以外の言葉を交わす令嬢も少ない」
殿下が言おうとしていた言葉を、カイルが一刀両断に却下してたけど、もしかしてアデライン?私の名を言おうとしてた?
でも、その後の殿下の言葉で納得した。
確かに、ダミアンに挨拶する令嬢は多くいる。
王太子に挨拶もしない人は少ないし、クラスメイトなら挨拶くらいはする。
でも、挨拶以外の・・・
友人のような会話をできるのは、どうしても身分的に限られて来る。
うちのクラスのご令嬢は皆優秀だから、話は合うと思うけど、逆に弁えているから自分たちから話しかけたりしないのよね。
そういう意味では、私になるんでしょうね。
「一度皆様でお茶会をしましょうか?殿下の婚約者候補を探すのだと暗に伝えて。そうすれば婚約者候補になれない方は参加を控えるでしょうし、逆に婚約者がいても殿下の婚約者になりたい方は参加されると思いますわ。別にすぐに決める必要はないですわ。単に知り合うキッカケだと思えば」
「しかし、男が僕ひとりだというのは・・・」
「少し気まずいですか?なら、ホストとして私とカイル様も参加しましょう。あと、お兄様にも参加させますわ、婚約者と一緒に。そういえば、側近候補の方々には婚約者はいらっしゃいますの?別に彼らにまで世話を焼くつもりはありませんけど、殿下が気まずいなら彼らも参加させては?」
騎士団長子息と教皇子息だから、婚約者がいてもおかしくはないけど。
というか、ラノベの中ではいたけど。
現実社会ではどうなんだろう。
現在、熱くダミアンを詰問中の私。
ダミアン本人が好きな人がいるのなら、その人にダミアンのことをどう思うか聞いてあげようと思ったのに、当のダミアンがハッキリしない。
「気になる人はいないわけでもないというか、なんというか」
「結局、どちらですの?もしかして婚約者がいらっしゃる方なのでしょうか?一応、お相手の方のお気持ちは確かめますわよ?政略結婚の場合もありますし」
「言ってみなよ、ほら」
ああ。
私は現在、カイルの膝の上よ。
ダミアンに好きな人はいないのか聞きに行くと言ったら、一緒に行くと言われ、何故かお膝の上に座らされた。
良いけど。恥ずかしくないわけじゃないけど、もう慣れたし。
で、カイルに言えと言われたダミアンは、視線を彷徨わせ・・・
「アデら・・・」
「却下」
「・・・せめて最後まで言わせてくれ。まぁ、カイルならそう言うだろうとは思っていたが。他に知り合いらしき知り合いもいないからな。そもそも挨拶以外の言葉を交わす令嬢も少ない」
殿下が言おうとしていた言葉を、カイルが一刀両断に却下してたけど、もしかしてアデライン?私の名を言おうとしてた?
でも、その後の殿下の言葉で納得した。
確かに、ダミアンに挨拶する令嬢は多くいる。
王太子に挨拶もしない人は少ないし、クラスメイトなら挨拶くらいはする。
でも、挨拶以外の・・・
友人のような会話をできるのは、どうしても身分的に限られて来る。
うちのクラスのご令嬢は皆優秀だから、話は合うと思うけど、逆に弁えているから自分たちから話しかけたりしないのよね。
そういう意味では、私になるんでしょうね。
「一度皆様でお茶会をしましょうか?殿下の婚約者候補を探すのだと暗に伝えて。そうすれば婚約者候補になれない方は参加を控えるでしょうし、逆に婚約者がいても殿下の婚約者になりたい方は参加されると思いますわ。別にすぐに決める必要はないですわ。単に知り合うキッカケだと思えば」
「しかし、男が僕ひとりだというのは・・・」
「少し気まずいですか?なら、ホストとして私とカイル様も参加しましょう。あと、お兄様にも参加させますわ、婚約者と一緒に。そういえば、側近候補の方々には婚約者はいらっしゃいますの?別に彼らにまで世話を焼くつもりはありませんけど、殿下が気まずいなら彼らも参加させては?」
騎士団長子息と教皇子息だから、婚約者がいてもおかしくはないけど。
というか、ラノベの中ではいたけど。
現実社会ではどうなんだろう。
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