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悪役令嬢、お見合いおばさん?になる

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「そうですわ!殿下の婚約者候補を選ぶパーティーをしましょう!」

 ジュリアンお兄様に婚約者が出来、私もカイルと婚約できた。

 ヒロインはとても良い子で、ハーレムエンドを目指す様子はない。

 あとは王太子ダミアンに婚約者が出来れば、全てオーケーじゃない?

 王妃様の件だって、ダミアンが望んで婚約者を決めたなら諦めるだろうし。

 諦めなかったとしても、私に婚約者がいて息子にも婚約者がいる状態なら、無理強いはできないはず。

 そんなことをしたら、ダミアンが廃嫡されるくらいの問題だもの。

 私の、これは最適!と思える提案に、カイルは小さくため息を吐いた。

 いや、なんで?

「なんでわざわざ、シアがダミアンの婚約者を探してやらないといけないの。ほっとけば良いんだよ」

「あら、良い案だと思いましたのに。王太子殿下に婚約者が出来れば、王妃様が私を婚約者にと望むこともなくなるでしょうし。カイル様もご安心下さると思いましたのに駄目でしたか?」

「・・・いや、良い案だね。そうだよ、さっさと婚約者を決めてしまえば、僕のシアに群がる虫を減らせる」

 うん?虫?
まぁ、いっか。カイルも賛成してくれたみたいだし。

 この学園のAクラスに在籍している令嬢で、婚約者や好きな相手がいない令嬢が対象ね。

 本当は年下も視野に入れたいけど、優秀かどうかが分からないのよね。

 噂で優秀と聞いてても、実際は・・・ということもあるし。

 その点、学園での成績は家格で加味されないから確実なのよね。

 好きな相手までいないとなると、あんまり集まらないかしら。

 そもそも、何と言って集めたら良い?
王太子殿下の婚約者候補選び・・・ではあからさま過ぎるわよね。

 私の中ではメロディ一択なんだけど、メロディって別に殿下に興味なさそうなのよね。

 他に好きな人でもいるのかしら。

「なんて言って集めれば良いでしょうか?殿下の婚約者に人に来てもらっても仕方ありませんし」

「普通に、ダミアンの婚約者候補を選ぶパーティーで良いんじゃない?」

「あからさま過ぎませんかしら。王家から苦情が来そうですわ」

「うーん、今回僕たちは王妃様にんだから、二度と迷惑かけられないように決めてやるって言えば良いんじゃない?」

 それは・・・
それもそうね。

 そもそも婚約者がいるのに婚約を打診だなんて、ローレンス公爵家とアデライン公爵家を馬鹿にしているわよね。

 迷惑料として、私たちがダミアンの婚約者候補を選ぶってのも、アリかもだわ。
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