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最終章
初めて恋を知ったら怖くなったの
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「お母様っ」
あの後、イヴァン様の手を振り切ってお母様のお部屋へと逃げ込んだ。
イヴァン様は、追いかけて来なかった。
もしかして呆れられてしまったのかしら?
そう思った途端に、胸の奥が軋むように痛んだ。
自分で逃げてきておいて、なんて図々しいの。
自分の醜さに嫌気がさす。
私って、こんなだった?自分を嫌になることなんてなかったのに。
抱きついたまま何も言おうとしない私に、お母様は優しく背中をトントンとたたいてくれる。
「どうしたの?レティーナ。アストニア様に好きだと言われたのかしら?」
「え?あ、ど、どうして?」
「ふふっ。だってアストニア様は、レティーナのことを好きだもの。だから、女避けだと言いながら、周囲の令息を牽制するために婚約者になられたのよ」
どうしてお母様はそんなことが分かるの?
イヴァン様からお伺いしてたの?
だから婚約者(仮)になることをとめなかったの?
「まぁ直接お伺いしたわけじゃないから、絶対そうだとは言い切れないけれど。でも、アストニア様がレティーナを見る目はとてもお優しいの。レティーナを大切に思ってくれてるのが分かって、親としては嬉しかったわ」
「お母様・・・」
「それに、レティーナもアストニア様のことを好きなのがわかったから、婚約者になることを了承したのよ。アルフレッド陛下のこともあったから、今度婚約する時は絶対にレティーナが恋した相手にしようってみんなで話してたの」
私が・・・イヴァン様に恋をしてるって、お母様はそう見えたの?
「私は・・・自分の気持ちがよくわかりません。確かにイヴァン様は素敵な方で、お優しいとは思いますが、これが恋なのか私には・・・」
「そうね。レティーナにとっては、初恋だものね。私たちがレティーナが恋をしていると思ったのはね、レティーナがいつもアストニア様を見ていたからよ。いつも視線はアストニア様を探していて、見つけるとすごくホッとした表情になるの。アストニア様とメイドやリリアナが話しかけていると、どこかムッとした顔をしててね。ああ。レティーナは恋をしているんだって思ったの」
「そう、なのですね」
私は、全然気付いてなかった。自分の気持ちなのに。
でも、確かにイヴァン様のお姿がないと探してしまっていたわ。
これが、恋だというの?
この気持ちが恋だというのなら、私は怖くて仕方がない。
私は、アズリル殿下やキャス様のように、恋をして強くなれない。
私は恋を知ったことで、失う怖さに身動きが取れなくなる気がした。
あの後、イヴァン様の手を振り切ってお母様のお部屋へと逃げ込んだ。
イヴァン様は、追いかけて来なかった。
もしかして呆れられてしまったのかしら?
そう思った途端に、胸の奥が軋むように痛んだ。
自分で逃げてきておいて、なんて図々しいの。
自分の醜さに嫌気がさす。
私って、こんなだった?自分を嫌になることなんてなかったのに。
抱きついたまま何も言おうとしない私に、お母様は優しく背中をトントンとたたいてくれる。
「どうしたの?レティーナ。アストニア様に好きだと言われたのかしら?」
「え?あ、ど、どうして?」
「ふふっ。だってアストニア様は、レティーナのことを好きだもの。だから、女避けだと言いながら、周囲の令息を牽制するために婚約者になられたのよ」
どうしてお母様はそんなことが分かるの?
イヴァン様からお伺いしてたの?
だから婚約者(仮)になることをとめなかったの?
「まぁ直接お伺いしたわけじゃないから、絶対そうだとは言い切れないけれど。でも、アストニア様がレティーナを見る目はとてもお優しいの。レティーナを大切に思ってくれてるのが分かって、親としては嬉しかったわ」
「お母様・・・」
「それに、レティーナもアストニア様のことを好きなのがわかったから、婚約者になることを了承したのよ。アルフレッド陛下のこともあったから、今度婚約する時は絶対にレティーナが恋した相手にしようってみんなで話してたの」
私が・・・イヴァン様に恋をしてるって、お母様はそう見えたの?
「私は・・・自分の気持ちがよくわかりません。確かにイヴァン様は素敵な方で、お優しいとは思いますが、これが恋なのか私には・・・」
「そうね。レティーナにとっては、初恋だものね。私たちがレティーナが恋をしていると思ったのはね、レティーナがいつもアストニア様を見ていたからよ。いつも視線はアストニア様を探していて、見つけるとすごくホッとした表情になるの。アストニア様とメイドやリリアナが話しかけていると、どこかムッとした顔をしててね。ああ。レティーナは恋をしているんだって思ったの」
「そう、なのですね」
私は、全然気付いてなかった。自分の気持ちなのに。
でも、確かにイヴァン様のお姿がないと探してしまっていたわ。
これが、恋だというの?
この気持ちが恋だというのなら、私は怖くて仕方がない。
私は、アズリル殿下やキャス様のように、恋をして強くなれない。
私は恋を知ったことで、失う怖さに身動きが取れなくなる気がした。
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