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最終章

親が親なら子も子だわ

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「それで謝っているつもりなら、ピスタス侯爵家はファンブルク王国には必要ないわね」

 私の言葉に、一層チェリー様は喚き出す。

「なんて横暴な王女様なのっ!そんな人に無理矢理従わされて、イヴァン様かわいそう!王女様だからって、侯爵であるお父様にそんなこと言うなんて失礼だと思わないのっ!」

「王女殿下。発言には気をつけられた方がよろしいのでは?学園でもその調子で、我儘な発言を繰り返し、王族の権威を振り翳しているようですし。そのような態度だから、大国の国王陛下からも婚約破棄されるのではないですかな。ああ、失敬。コレは他言無用でしたな」

「えーっ?王女様って、婚約破棄されてるの?もしかして、そのことを隠すためにイヴァン様を婚約者に縛り付けてるの?ひどぉーい!」

 私とアルフレッド陛下の婚約とその解消は、貴族の当主のみが知っている。

 細かい事情までを知らせる必要はないから、確かに私がアルフレッド陛下から婚約解消されたように見えても仕方ない。

 仕方ないけど・・・
お兄様の側近候補たちの愚行は、高位貴族の子息令嬢たちはご存知で、その親たちも知っているはずなのに、こんな発言をする高位貴族がいるなんて。

 お兄様の側近候補たちといい、ピスタス侯爵といい、ファンブルク王国の貴族って大丈夫かしら?

 一度綺麗に、膿出しをした方が良くない?

「やれやれ。ピスタス侯爵、もう少し思慮深い発言を心がけたらどうかね?」

「何を・・・あっ、クレスト公爵・・・」

「レティーナ殿下とサウスクラウド国王陛下との婚約は、君の娘のような愚かな言動をした子息令嬢の尻拭いだったと聞いていないのか?まぁ、それを知らないことは罪ではないが、今のような発言をすることはあまりにも愚か者のすることだと思うがね」

 ロイド様、リリアナお義姉様のお父上であるクレスト公爵は、冷ややかな目でピスタス侯爵たちを見つめた。

 チェリー様は、父親が冷や汗をかきながら俯きがちに視線を逸らしていることに戸惑うように、ピスタス侯爵とクレスト公爵様を交互に見ている。

「お、お父様?どうして反論なさらないの?ねぇってば!」

「言われていることが正しいから、反論できないのよ。王族に対する不敬を問わなくても、ピスタス侯爵家の嫡子はフロランス様ただお一人だったのに、その嫡子を勘当するとおっしゃったんだもの。ピスタス侯爵家は存続出来ないわ」

「なっ、何言ってるのよ!私がいるじゃない!あ、でも公爵様に嫁いだら・・・で、でも私の子供とかどうにでもなるわよ!」

 やっぱり、侯爵令嬢のつもりなのね。
事実を説明して、理解するかしら?

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