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新たな舞台へ

王妃教育と教師

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 私の王妃教育の教師は五人。
ダンスに、マナー、語学に、歴史、そして魔法学だ。

 そのうちの四人が女性で、魔法学のみ男性らしい。

 というのもまだ魔法学のみが始まっていないから、どんな方が教師なのか分からない。

 ダンスやマナーは多少はファンブルクでも学んでいたからあれだけど、魔法に関しては完全な素人だから、お優しい先生だと良いけど。

「レティーナ様?緊張されているのですか?」

「そうね、セレナ。私は魔法に関しては何の知識もないから・・・厳しい先生だったら、頑張れるかしら?」

「レティーナ様。やはり、国王陛下にお話した方がよろしいのではないですか?」

 心配そうなセレナに、首を横に振る。

 自分でも、どうしてこんなに意地になっているのかわからない。
 でも、どうしてもアルフレッド陛下に話したくなかった。

 魔法学以外の教師は全員が、高位貴族のご夫人方だった。
 しかも、それぞれが未婚のご令嬢のいる方々。

 自分の娘が国王陛下の寵姫になることを、望まれてるのだと思う。

 あからさまなイジメや暴力は振るわれないけど、言葉の端々にそれを感じる。

 アルフレッド陛下は多分、ご令嬢方が私の良い友人、味方になればと思って、ご夫人方を私の教師にされたのだと思う。

 王弟である叔父家族に疎まれ、ご両親を亡くしたアルフレッド陛下は、自分に対する憎しみなどには機敏だけど、愛情に関しては疎いところがある。

 何故好かれるわけがないと思っているのか、その根拠がわからないわ。

 見目が麗しくて、国王陛下というご身分なのよ?

 もしかしたら、ずっとアルフレッド陛下を想っていらしたご令嬢だっているのかもしれない。

 それを、いきなり他国からやって来た幼い王女が婚約者だなんて、納得いかなくて当たり前だと思う。

 私だって、その立場ならそう思うもの。

「まさか数ヶ月あったのに、高位貴族に根回しが出来てないとは思いませんでした」

「・・・まだ国内の情勢も安定していないから、仕方がないのかもしれないわね。でも、それなら婚約だってもう少し先にしたら良かったのに」

 本来なら、母親である王妃様がそのあたりのことをなさるはずだったのよね。

 どうしても男の陛下では、女性のそういう微妙に陰湿な感情を把握することは出来ないのだと思う。

 それでも、ここが自国なら私も頑張れるのだけど・・・

 セレナ以外に味方がなく、そのセレナも他国の高位貴族に口を出すことはできない。

 アルフレッド陛下に告げれば、おそらく教師は変更になるだろう。
 だけど、それをすればその高位貴族と私の関係は悪化する。

 ため息がもれた。

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