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やり直しの人生

教えてあげる

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「え?あ、え?どうして?」

 魅了魔法がかからないことに、戸惑いを隠せないダウニー様。

 そんなにおかしいことかしら?
学園で、お兄様にはかからなかったでしょう?
 アルフレッド陛下には、かからなかったでしょう?

 彼女が転生者にしろ、そうでないにしろ、もうどうでもいい気がするわ。

 あんなに自分のことしか考えてないんだもの。
 例え転生者だとしても、私に百害あって一利なしよね。

「何故、魅了魔法がかからないのか、教えてあげましょうか?」

 そう言いながら、王座の後ろからアルフレッド陛下のエスコートで姿を見せた。

 お父様とお兄様は、驚いていらっしゃるわ。本当に気付いてなかったのね。

 あ。お母様が悪戯を叱るようなお顔をされてる。
 これは後で、何かわね。

「は?」

「サウスクラウド王国は魔法大国なの。こちらのアルフレッド・サウスクラウド陛下のお力で、魅了だけでなく魔法は発動しないようになっているの。理解できて?」

 本当は王宮だけだけど、そんなことわざわざ言わなくてもいいわよね。

「え?だってディランもリュクールも・・・」

 あら?やっぱりあの二人、魅了されてたの。
 もちろん、それだとしても罰は罰で受けてもらうけど。

 高位貴族には高位貴族としての、義務があるもの。魅了魔法にかかっていたからなかったことに、なんてできないわ。

 だって、ダウニー様に操られて他国と戦争することになったけど、魅了魔法にかかっていただけだからなかったことにしてね?なんて出来るわけないでしょう?

 それでも、不可抗力なものだったのなら、魔法の効力が切れれば、マトモになるでしょう。

 アルフレッド陛下にお聞きしたら、魔法の使い手と会わなくなれば、魅了されていた時間にもよるけど、そのうち元の状態に戻るらしいわ。

 北の炭鉱には、枯葉の様子を知らせるように言っておきましょう。

 ちゃんと自分の言動を反省して、真面目にやっていたなら、勘当は取り消させてもいいもの。

 さすがにお兄様の側近や、嫡男としての地位は無理だけど。

 侯爵たちがどう判断するかは分からないけど、間違えて反省して、ちゃんとやり直す努力をするのなら、一度だけチャンスをあげてもいいわよね?

 素であの言動だったなら、一発アウトだけど。

 後でお父様たちと相談しておかなくちゃ。

「あら?彼らに魅了魔法を使ったの?ねぇ、魅了魔法なんて使えるの?貴女、この国の生まれじゃないの?」

 魔法を使える他国の生まれ?転生者あるあるなのかしら?




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