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やり直しの人生

王立学園

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 ファンブルク王立学園は、王都の中央に位置する王城から東に位置している。

 十三歳になった貴族の令息令嬢は、必ず通わなければならないのが王立学園だ。

 十三歳から十五歳まで、学園で貴族としての在り方や、一般常識など諸々を学ぶ。

 王立学園は社交界の縮小図で、ここでキチンと学ばないと、十六歳の社交界デビューで恥をかくことになる。

 学園では、成績順にクラスが決められる。
 たとえ王族といえど、成績が悪ければ下位クラスになる。
 お兄様はずっとAクラスだったみたいだけどね。

 この国には、魔法は常在しない。
他の国では、魔法使いがいたり、貴族が魔法を使えたりするところもあるらしいけど。

 少なくとも、私が生きてきた四回のうち、それらしき力があったのは前回の聖女の時だけだった。

 聖女の力を魔法と言っていいのかはわからないけど。

 アルフレッド陛下の、サウスクラウド王国は、魔法があるそうなの。
 平民の人たちには魔力はほとんどないらしいけど、貴族にはあるんですって。

 だからサウスクラウド王国の学園は、魔力持ちが通うそうなの。
 魔法の授業もあるのだとか。
ファンタジーの世界ね。私も転生するならそっちの方が楽しそうだったわ。

 貴族しか通わないファンブルク王国の学園には制服がない。
 ここもサウスクラウド王国と違うところね。

 だけど学ぶ場所だから、あまり華美な服装は逆に眉を顰められるのよ。
 前世でいうところのTPOを弁えてないってね。
 そこも学園での評価に繋がるみたい。

 学園は社交界に出るための予行練習の場所なの。
 ここでの評価は、そのまま貴族の間に広がるわ。

 社交界にデビューしても、学園であまりに低評価だと、お茶会や夜会に呼ばれなかったり、男の方は出世やお家の繁栄に響いたりするみたい。

 学園で起こったことは、学園生が対処するのですって。

 教師はあくまでも採点をするための試験官であって、イジメなどがあっても口出しはしないそう。

 それを止めたり咎めたりするのは、高位貴族や王族の務め。

 つまりは今の学園だと、一番地位の高いお兄様や、婚約者の公爵令嬢様が注意する立場にある。

 もちろん、お兄様や高位貴族の失態は、教師から理事長に伝えられて、クラスを落とされ、卒業時に資格なしという評価になるそうよ。

 そんな低評価を受ければ、王族から廃籍されるのですって。

 それはそうね。三年も立て直す時間があるのに、それすらも出来ない、そんな人たちに血税を使われたらたまらないもの。

 そういう話を、事細かく理事長から教わった。



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