虐げられ令嬢の最後のチャンス〜今度こそ幸せになりたい

みおな

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やり直しの人生

目覚め

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 神様の中の誰かが、私に悪意の種を仕込んでいる。

 でも、それを防ぐ事は出来ない。
そして、それをしている理由も分からない。

 それって、この空間で待っていた意味がないということでは?

 いや。せっかく調べようとしてくれていたんだし、そんな事は考えちゃいけない。

 しかし、人に嫌われたり憎まれたりする事は、結構なストレスになる。
 挙句に殺されるんだからたまったもんじゃない。

『レティーナの持つ力は、四回の転生を経て、相当強くなっている。前回がトップクラスの聖女だったというのがその証拠だ。そして、次の転生ではその身分も強いものにしておく。貴族より平民の方が生きやすいかと思ったのが間違いだった。次こそはレティーナに幸せになってもらいたいからね』

 力を強くするとか、思うところはあるけれど、私に幸せになって欲しいと言ってくれることに関しては、嬉しいと思う。

『レティーナ。結局、キミに任せることになってしまうけど、どうかイレギュラーを跳ね除けて、幸せになって欲しい』

「私は私にできることをするだけです」

『うん。そうだね。それでこそ礼奈だ。もう会うことがないことを祈るよ』

 その言葉を最後に、私の意識は暗転した。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「んっ・・・」

「レティーナ様?レティーナ様?」

 かけられる声に意識が浮上する。
必死そうなその声は、私が瞼を震わせるように開けると、歓喜に変わった。

「レティーナ様ッ!レティーナ様がお目覚めに!すぐに陛下たちにお知らせしてっ!」

「「はいっ!」」

 その声は扉の外まで聞こえたのか、返答した相手は外にいるらしく、すぐに立ち去るような音が聞こえた。

「レティーナ様。すぐに医師をお呼びします。どこか痛いところなどございますか?」

 目尻に涙を浮かべながらも、ベッド横に跪き尋ねてくれるのは、柔らかな栗色の髪をした、十七歳くらいの少女だった。

 黒地のお仕着せを着た彼女は、とても心配そうに、でも私が目覚めたことをとても嬉しそうにしていた。

 んー。これは、しばらく意識がなかったという感じかしら。

 さすがに四回もやり直せば、何となくわかる。
 これは三度目の公爵令嬢の時と同じパターンのようだ。

 侍女がいることといい、私が眠っていたベッドが天蓋付きということといい、貴族でも上位ということだろう。

 私の容姿は基本的には変わらないから、あとは年齢と立ち位置ね・・・

 私のことを大切にしてくれているようだし、ここは記憶喪失と言うべきだろう。
 二回目と違って、大切にしてくれていた人たちのことを全く覚えていないのは、問題だから。





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