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やり直しの人生

今度こそ

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「そう・・・王太子殿下が・・・」

 殿下は私・・・いや、レティーナのことを好きだった。

 王族故に、いくら聖女といえど平民の私に、素直に気持ちを言えなかったのかもしれない。

 それに、レティーナも私も、殿下のことを全く恋愛対象として見ていなかった。

 そのせいで、余計に殿下は拗らせてしまったのかもしれないと思う。

 いや。
殿下の本心を知っていたからといって、あんな態度を取る人を好きにはなれなかったとは思う。

 思うけど、私を殺した殿下を憎いとは思えなかった。

 人を好きになる気持ちは、もどかしいほど自分の思い通りにならないと聞くから。

 私はまだそんな気持ちは知らないけど、いつか誰かを好きになった時に、理解るかもしれない。

「それで、これからどうすれば良いんです?」

 もう、転生は打ち止めかしら。
これ以上、殺されるのもうんざりだし、改善が見られないなら、本気で動物に転生の方がいいかもしれない。

『ちょっと、ちょっとだけ待って。この空間、長くはいられないけど、一日くらいは大丈夫だから!その間にイレギュラーの有無とか調査するから!』

「この何もない空間に一日・・・」

 なんだか精神を病みそうなんだけど。
真っ白い空間って、ものすごく何かクルものがあるのよね。

『もうやり直しはしたくないよね?礼奈の魂は完全にレティーナと混じってることで、やり直しをしても精神を病むことはないけど』

「やり直すのは構わないですけど、毎回殺されるのはうんざりです。私はただ、家族と幸せに暮らしたいだけなのに」

『だから、超特急で調べるから!転生させちゃうと、手出しが出来ないんだ。今なら次の転生先の障害を取り除けるから!』

 そこまで言われると、頷かざる得ない。
出来ることなら、私もこの転生を最後にしたい。

 やっぱり人に憎まれたり、恨まれたりすることは辛い。

 生きていく中でどうしようもないことだとはわかっているけど、それでも辛くないといえば嘘になる。

 なので、その障害とやらを取り除けるか、もしくは原因がはっきりするまで、この場所で待つことにした。

 一日だけの辛抱だ。
それに立っていられるということは、座ることもできるだろう。

 私はその場に座り込み、体を休めることにした。

 今の状態はおそらく精神体ということだろうけど、疲れを感じるということは心が疲弊しているのだろう。

 私は目を瞑ると、次こそは必ず幸せわ掴むと心に決めた。
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