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二度目の人生

やり直し

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 瞼をゆっくりとあげると、そこは光にあふれた真っ白な世界だった。

 また?

『おかしいな?何故、こんなに早くリセットがかかったんだ?』

 不意に声がして振り返ると、例の、礼奈にやり直しを告げた神とやらが立っていた。

「どういうことですか?」

『え、あ、怒ってる?』

「幸せになるために転生したんですよね?私、ろくに会話もしていない夫に殺されたんですけど?」

 怒るの当たり前だと思うけど。
長生きどころか転生して一年も経たないうちに殺されたのよ。

『いや、ちゃんと旦那に愛されて、天寿を全うするはずだったんだけど・・・』

「はずとか言われても。それで、私はこれからどうなるんですか?」

『ええと、もう一回!もう一回やり直そう』

「ええっ?嫌ですよ。自分を殺した夫とまた顔を合わすなんて」

 絶対、好きになれる気がしない。
バートンやラナ、アメリーとは会いたいけど。

『違う人生にするから!次はもっと幼くしよう!そしたら、婚約者もいないし、家族と幸せに過ごせるよ』

「大丈夫なんですか?」

『今度こそは大丈夫。前回だって本当は旦那にとってレティーナは、最愛のはずだったんだよ』

「目覚めたらすでに他に愛する方がいましたけどね。まぁ、それは別に良かったんですよ。三年後に離縁してくれたら良かったのに」

 まさか、殺されるとは思わなかったわ。
私が死んだ後、どうなったのかしら?

「あの後って、どうなったのか分かります?」

『ああ。レティーナが死んだ後?』

「ええ。放火だし、私って焼死じゃなくて刺された失血死ですよね。あ。でもあの時代は検死とかないからわからないんでしょうか?」

『あの時代はその役目を医者がやるよ。結論として、君の夫は処刑された』

 処刑。
そうよね。でもあの人がよくラナに罪を擦り付けずに認めたわね。

「よく認めましたね」

「あー、自分には関係ないと言ってたけど、レティーナの従兄だっけ、彼が随分と頑張ったみたいだよ」

「ゼフお兄様が。お兄様のいうことを聞いて実家に戻っていたら、私は死ななかったのかしら」

『さぁ、それはわからない。とにかく今回のレティーナの死は、イレギュラーなんだ。礼奈の時と同じ。死ぬはずのなかったレティーナが死んだんだよ』

 イレギュラーと言われても。
もしかして私が契約書とか言い出したのがいけないの?
 でも、最初から旦那様には他に好きな方がいたわ。

『とにかく、やり直そう。あ。レティーナって名は同じだからね。容姿も同じ。今度はもう少し幼くするよ。そうしたら今回みたいな事態は避けれるからね』



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