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あの日の真相②
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リリーが通された応接室で待っていると、侍女と共にラティエラが入って来た。
「あっ、あのっ、私リリー・マゼンダと言います」
「ラティエラ・ウィスタリアですわ。どうぞお座りになって。紅茶でよろしいかしら?ハーブティにしましょうか?」
「こ、紅茶をいただきます」
リリーはガチガチに緊張していた。
自分が望んだわけではないが、ラティエラの婚約者に追いかけ回されている当人としては、申し訳ないことこの上ない。
もしかしたら、私の婚約者に色目を使って!と怒られるかもしれない。
だが、リリーの想像とは違い、ラティエラは紅茶を淹れさせると侍女を部屋から下がらせて、リリーに頭を下げた。
「ッ!ウィスタリア様?」
「殿下がマゼンダ様に多大なご迷惑をおかけして、申し訳ありません。陛下たちからも、宰相様や父たちからも注意していただいたのですが、全く殿下には聞き入れていただけなくて」
申し訳なさそうな様子のラティエラに、リリーは慌てた。
ラティエラはリリーからすれば、雲上の人である。
筆頭公爵家のご令嬢で、王太子殿下の婚約者。
聡明で容姿端麗。それなのに、リリーのような下位貴族にも丁寧な対応。
リリーからすれば、何故あんな人の婚約者がラティエラ様?という気持ちである。
そう。
ヴィクターの婚約者がラティエラなのではない。
ラティエラの婚約者がヴィクターなのだ。
そして、このリリーの直感は的を射ていた。
「そんなっ!ウィスタリア様に謝罪していただくことではありません!」
「いいえ。最近は殿下を避けるために、昼食も持参されているとか。学園長様には話を通してあります。お昼休みは教師方の教員室をお使いになってくださいませ。それから、授業も五分前には退出しても良いと許可が取れました。下校時は殿下がお帰りになるまで教員室でお待ちください。登校後も始業前まで教員室でいらしたら良いわ」
ラティエラの言葉に、リリーは目を見開く。
まさしくそのことを相談に来たのだ。
最近は、授業終わりに教室まで来られたり、帰りに「一緒に帰ろう」と教室まで迎えに来られる。
朝は迎えに来た時にまだ家にいても「もう登校しました」と誤魔化してもらえるが、学園内ではそうはいかない。
昼休みも昼食の誘いに来られるので、授業が終わったらダッシュで裏庭や校舎裏など、ヴィクターが来なさそうなところへ逃げ出す。
リリーは、疲れ果てていた。
相手は王太子殿下。
リリーや、リリーの両親から文句を言うことも出来ない。
だから恥を承知で、ラティエラに頼みにやって来たのである。
「あっ、あのっ、私リリー・マゼンダと言います」
「ラティエラ・ウィスタリアですわ。どうぞお座りになって。紅茶でよろしいかしら?ハーブティにしましょうか?」
「こ、紅茶をいただきます」
リリーはガチガチに緊張していた。
自分が望んだわけではないが、ラティエラの婚約者に追いかけ回されている当人としては、申し訳ないことこの上ない。
もしかしたら、私の婚約者に色目を使って!と怒られるかもしれない。
だが、リリーの想像とは違い、ラティエラは紅茶を淹れさせると侍女を部屋から下がらせて、リリーに頭を下げた。
「ッ!ウィスタリア様?」
「殿下がマゼンダ様に多大なご迷惑をおかけして、申し訳ありません。陛下たちからも、宰相様や父たちからも注意していただいたのですが、全く殿下には聞き入れていただけなくて」
申し訳なさそうな様子のラティエラに、リリーは慌てた。
ラティエラはリリーからすれば、雲上の人である。
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聡明で容姿端麗。それなのに、リリーのような下位貴族にも丁寧な対応。
リリーからすれば、何故あんな人の婚約者がラティエラ様?という気持ちである。
そう。
ヴィクターの婚約者がラティエラなのではない。
ラティエラの婚約者がヴィクターなのだ。
そして、このリリーの直感は的を射ていた。
「そんなっ!ウィスタリア様に謝罪していただくことではありません!」
「いいえ。最近は殿下を避けるために、昼食も持参されているとか。学園長様には話を通してあります。お昼休みは教師方の教員室をお使いになってくださいませ。それから、授業も五分前には退出しても良いと許可が取れました。下校時は殿下がお帰りになるまで教員室でお待ちください。登校後も始業前まで教員室でいらしたら良いわ」
ラティエラの言葉に、リリーは目を見開く。
まさしくそのことを相談に来たのだ。
最近は、授業終わりに教室まで来られたり、帰りに「一緒に帰ろう」と教室まで迎えに来られる。
朝は迎えに来た時にまだ家にいても「もう登校しました」と誤魔化してもらえるが、学園内ではそうはいかない。
昼休みも昼食の誘いに来られるので、授業が終わったらダッシュで裏庭や校舎裏など、ヴィクターが来なさそうなところへ逃げ出す。
リリーは、疲れ果てていた。
相手は王太子殿下。
リリーや、リリーの両親から文句を言うことも出来ない。
だから恥を承知で、ラティエラに頼みにやって来たのである。
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