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最終話:私は魔王の娘

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 あのあと、オーギュスト王国は隣国に吸収された。

 騎士団と魔術師団を全て失い、残ったのは王族付きの騎士だけ。

 そんな中、メフィストが魔術師団団長を王宮へと戻し・・・あの男は王族を全員皆殺しにした。

 どうやらメフィストは、元凶の王族を全て殺したなら、男の家族を見逃してやると言ったらしい。

 実際にメフィストは、男の家族には何もしていない。

 というか多分だけど、単なる脅し文句というか、言っただけだと思うわ。

 メフィストに限ったことではないけど、パパの部下、幹部たちって「悪いことをした本人と家族は別」という考えだもの。

 簡単に全てを滅ぼしてしまえるから・・・逆に寛容になるのかも。

 許せないことは許さないけど、その罪を誰も彼もに負わせたりしない。

 あの家出騒動の時、私に対して失礼な物言いだったセント王子にも、ザギは何もしなかった。

 あとで聞いたら、私が望めば罰したけど、望まないでしょ?と言われた。

 その、セント王子とリフト王子とも、時々お茶会をしている。

 アザレア王国から、改めて婚約を打診されたけど、丁寧にお断りした。

 半分は魔族である私は、人間の国に嫁ぐことはない。

 心から愛する人ができて、その人も心から私を愛してくれたなら、婿に来てもらうつもりだけど、今現在そんな相手はいない。

 まだ、ヒヨコが殻をつけた状態の私が恋愛を知るのは・・・何年か何十年か先になるのだろう。

 今はお茶会をしているリフト王子やセント王子も、そのうち婚約者ができて、結婚して、子供が生まれて・・・そして年老いていく。

 アゼリアとしての生を十五年で終えた私は、パパやみんなの愛情を受けながら、その何倍も何十倍もシアンとして生きていく。

「パパ!またドレス買ったの?いらないって言ったでしょ!」

「だ、だが、アザレア王国で人気のドレスが、シアンに似合うと言われて・・・」

「もう!リフト殿下に上手く操られてどうするの!大体、社交しないんだからドレスなんて必要ないの!」

 オーギュスト王国の脅威が去り、アザレア王国はオーギュスト王国を吸収した隣国とも上手くやれているようだ。

 どうやら魔国と国交している、ということで隣国に一目置かれているらしい。

 国交というか、殿下たちとお茶を飲んだり、買い物をしたりしてるだけだけど。

「姫様、姫様。せっかく陛下がお忍びで買いに行ったんだから、喜んであげなよ」

「ザギ・・・それは内緒だと・・・」

「パパ、ありがとう。でも、メフィストに叱られるから、やめてね?」

 このあと、パパの執務量が倍増した。
 メフィストに監視されながら執務を行うパパの隣で、私もハンコ押しのお手伝いをすることにした。

「パパ、がんばれ」

 今日も、ジェルティアナ王国は平和だ。


*****完*****
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感想 13

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みんなの感想(13件)

Vitch
2023.11.15 Vitch

【妄想劇場】
 侵略から数日後、リーダーは瀕死の状態で、医務室で治療を受けていた。

医師「やり過ぎですよ姫様」
シアン「だって四肢欠損もしてないし、血も出てないてしょ?」
ザギ「だからって24時間耐久くすぐり拷問とか……」
メフィスト「姫様か一番のドSですね」
シアン「なんでー??」

みおな
2023.11.15 みおな

シアンはというかアゼリアは魔法すきだから、どっちかというと魔法にどれだけ耐えれるか、とかやりそう。

解除
Vitch
2023.11.14 Vitch

【妄想劇場】
メフィストが教えてくれた。

「姫様が生まれる前にですが、ザギはとある魔力持ちの人間の野盗を捕らえて、どこまで魔力を絞れるかとやって、全員が『殺して下さい』と……」

「ザギのほうが弩エスだね」

みおな
2023.11.14 みおな

ザギ「僕はSじゃないよっ!メフィストと一緒にしないで!」

解除
Vitch
2023.11.08 Vitch

>心臓は胴体にないらしい……

映画ドラ◯もん「魔界大冒険」で、
魔王の心臓に銀の矢を撃ち込めば倒せる……んだけど、
肝心の心臓が宇宙にあるんだよね。

みおな
2023.11.08 みおな

そうなんですか?すげー、宇宙かぁ。
ターナニーナ姉妹の心臓はさすがに宇宙にはないです😭

解除

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