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愚か者たちなど生きる価値なし

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 結論からいうと、オーギュスト王国の魔術師団は壊滅した。

 十五人のうち、団長らしき男はメフィストの尋問にあった。

 死ぬことが牢の中で、メフィストが質問を投げかけ、その答えが気に入らなければ腕を、足を、引きちぎる。

 ターナニーナの双子の血で魔法陣が描かれた牢内にいる限り、どれだけの激痛でも、どれだけの出血でも、死ぬことができない。

 それはそれは満面の笑みで、メフィストは尋問を繰り返したそうだ。(ザギ談)

 そして、残りの十四人はその団長の悲鳴を聞きながら、ザギの実験体にされていた。

 痛みを感じなくなる魔道具を体に埋め込まれ、十四人全員がオーギュスト王国へと送り返された。

 アザレア王国への襲撃準備中の騎士団を潰して来い。

 それが、ザギが十四人に与えた任務だ。

 それをしないなら、と言われて、十四人はかつての同胞たちに牙を向いた。

 人間というものは、痛みを感じるからこそ、危機管理が出来る生き物だ。

 その痛みを感じなくなったら?

 刺されても、斬られても、痛みを感じない十四人は片腕が斬り落とされたことにも魔法を放つ。

 やがて、どちらも動かなくなったのを、上空から見ていたザギは、つまらなそうに呟いた。

「耐久性がなさすぎ。簡単に死なないように双子の血を組み合わせた方が良さそうかな」

 そして興味を失ったように、ジェンティアナ王国へと転移して帰った。

「騎士団も魔術師団も潰れたから、アザレア王国に侵攻するところじゃないと思うよ」

「メフィストは?」

「あー、あの人間でしばらく遊んでたみたいだけど。そのうち報告に来ると思う。国民に罪はないけど、王族はすげ替えるんじゃないかな」

「メフィストに任せておけば、心配はいらない」

 パパの言葉に、頷く。
とにかく、アザレア王国のリフト王子とセント王子との約束は果たせそうだ。

 別に国交をしようとか言うつもりはないけど、これで少しはパパとママのしたことのお詫び?にはなっただろうか。

 それと・・・

 パパの罪悪感が少しでも軽くなったなら良いけど。

 まぁ、オーギュストの王族はロクなもんじゃないから、すげ替えでいいと思う。

 子供子供リフト王子たちを人質にしようという時点で、情状酌量の余地はない。

 そういう意味でも、騎士団と魔術師団が壊滅したのは良かったと思う。

「メフィストに任せとけば、間違いないかぁ」

 私がアレコレ言わなくても、魔国の宰相様は超優秀なのである。

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