44 / 55
魔法を欲する理由
しおりを挟む
「兄上を責めるなっ!兄上は国の、民のためにっ!」
「やめるんだ!セント」
私はコテンと首を傾げる。
何を言ってるのかな?
振り返って、ザギとアマリアに尋ねる。
「私、責めてた?」
「いや。普通に聞いてただけだね」
「お兄ちゃん好き好きなのは良いけど、被害妄想はほどほどにしないと」
だよねぇ。
アレで責めてることになるなら、私なんて責められまくりだよ。
「説明してくれなきゃ、力になろうと思っても力になれないでしょ?別に余計なお世話だっていうのならそれはそれでかまわない」
「シアン嬢、申し訳なかった。実は・・・」
その後リフト王子が語ったのは、この見合いの目的と思われることだった。
隣国オーギュスト王国が、アザレア王国に攻め入ろうとしていること。
魔法の使えないアザレア王国は、攻めいられたら勝ち目がないこと。
だから、魔国であるジェンティアナ王国と縁を結べたらと思ったこと。
納得したわ。
この部屋に魔法を封じる装置を設置したのは、私を人質にすることでパパに協力を強要するつもりだったのね。
その選択は正しくはないけど、国交していないジェンティアナ王国の対応が分からなかったんでしょうね。
んー。普通にお願いしたら、パパは願いをきいたと思うな。
ママとのことで、アザレア王国に負い目を感じているはずだもの。
ただ・・・
メフィストは利益がないと頷かないかも。
「いつ攻め入ってくるのですか?」
「警告状では十日後です。滅ぼされたくなければ、降伏しろと」
「はぁ。ザギ、パパに連絡取って。パパとメフィストに許可を取りたい」
こうなると、あの発明品が役に立つわ。
ザギは配下とは念話できるらしいけど、私はできないもの。
『シアン?どうした?』
「んーとね、かくかくしかじかでね。面倒だから、その攻めてきたオーギュスト王国の兵を倒しちゃっても良い?」
『・・・シアン姫様、おやめください。先にこちらが手を出すと問題になります。五分ほどお待ちください。策を考えます』
「分かった。あ。見合いはそのことを頼むためだったみたいだから、パパ安心してね」
どうやらメフィストが、策略を練ってくれるらしい。
うん。多分えげつないのができると思う。
確かにこっちから手を出せば、オーギュスト王国を全滅させても他国の目は厳しくなるよね。
「魔国の宰相が、策を考えてくれるらしいので、少し待って下さい。あ、証拠としてその警告状をもらえますか?殿下たちを疑うわけじゃないですけど、うちを利用しようとする国もありますから」
世の中、善人ばかりじゃない。
むしろ、王太子ですら自分の欲のためにアゼリアを殺したくらいだもの。
「やめるんだ!セント」
私はコテンと首を傾げる。
何を言ってるのかな?
振り返って、ザギとアマリアに尋ねる。
「私、責めてた?」
「いや。普通に聞いてただけだね」
「お兄ちゃん好き好きなのは良いけど、被害妄想はほどほどにしないと」
だよねぇ。
アレで責めてることになるなら、私なんて責められまくりだよ。
「説明してくれなきゃ、力になろうと思っても力になれないでしょ?別に余計なお世話だっていうのならそれはそれでかまわない」
「シアン嬢、申し訳なかった。実は・・・」
その後リフト王子が語ったのは、この見合いの目的と思われることだった。
隣国オーギュスト王国が、アザレア王国に攻め入ろうとしていること。
魔法の使えないアザレア王国は、攻めいられたら勝ち目がないこと。
だから、魔国であるジェンティアナ王国と縁を結べたらと思ったこと。
納得したわ。
この部屋に魔法を封じる装置を設置したのは、私を人質にすることでパパに協力を強要するつもりだったのね。
その選択は正しくはないけど、国交していないジェンティアナ王国の対応が分からなかったんでしょうね。
んー。普通にお願いしたら、パパは願いをきいたと思うな。
ママとのことで、アザレア王国に負い目を感じているはずだもの。
ただ・・・
メフィストは利益がないと頷かないかも。
「いつ攻め入ってくるのですか?」
「警告状では十日後です。滅ぼされたくなければ、降伏しろと」
「はぁ。ザギ、パパに連絡取って。パパとメフィストに許可を取りたい」
こうなると、あの発明品が役に立つわ。
ザギは配下とは念話できるらしいけど、私はできないもの。
『シアン?どうした?』
「んーとね、かくかくしかじかでね。面倒だから、その攻めてきたオーギュスト王国の兵を倒しちゃっても良い?」
『・・・シアン姫様、おやめください。先にこちらが手を出すと問題になります。五分ほどお待ちください。策を考えます』
「分かった。あ。見合いはそのことを頼むためだったみたいだから、パパ安心してね」
どうやらメフィストが、策略を練ってくれるらしい。
うん。多分えげつないのができると思う。
確かにこっちから手を出せば、オーギュスト王国を全滅させても他国の目は厳しくなるよね。
「魔国の宰相が、策を考えてくれるらしいので、少し待って下さい。あ、証拠としてその警告状をもらえますか?殿下たちを疑うわけじゃないですけど、うちを利用しようとする国もありますから」
世の中、善人ばかりじゃない。
むしろ、王太子ですら自分の欲のためにアゼリアを殺したくらいだもの。
38
お気に入りに追加
686
あなたにおすすめの小説
冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます
里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。
だが実は、誰にも言えない理由があり…。
※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。
全28話で完結。
少女漫画の当て馬女キャラに転生したけど、原作通りにはしません!
菜花
ファンタジー
亡くなったと思ったら、直前まで読んでいた漫画の中に転生した主人公。とあるキャラに成り代わっていることに気づくが、そのキャラは物凄く不遇なキャラだった……。カクヨム様でも投稿しています。
土属性を極めて辺境を開拓します~愛する嫁と超速スローライフ~
にゃーにゃ
ファンタジー
「土属性だから追放だ!」理不尽な理由で追放されるも「はいはい。おっけー」主人公は特にパーティーに恨みも、未練もなく、世界が危機的な状況、というわけでもなかったので、ササッと王都を去り、辺境の地にたどり着く。
「助けなきゃ!」そんな感じで、世界樹の少女を襲っていた四天王の一人を瞬殺。 少女にほれられて、即座に結婚する。「ここを開拓してスローライフでもしてみようか」 主人公は土属性パワーで一瞬で辺境を開拓。ついでに魔王を超える存在を土属性で作ったゴーレムの物量で圧殺。
主人公は、世界樹の少女が生成したタネを、育てたり、のんびりしながら辺境で平和にすごす。そんな主人公のもとに、ドワーフ、魚人、雪女、魔王四天王、魔王、といった亜人のなかでも一際キワモノの種族が次から次へと集まり、彼らがもたらす特産品によってドンドン村は発展し豊かに、にぎやかになっていく。
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
白雪姫の継母の夫に転生したっぽいんだが妻も娘も好きすぎるんで、愛しい家族を守るためにハッピーエンドを目指します
めぐめぐ
ファンタジー
※完結保証※
エクペリオン王国の国王レオンは、頭を打った拍子に前世の記憶――自分が井上拓真という人間であり、女神の八つ当たりで死んだ詫びとして、今世では王族として生まれ、さらにチート能力を一つ授けて貰う約束をして転生したこと――を思い出した。
同時に、可愛すぎる娘が【白雪姫】と呼ばれていること、冷え切った関係である後妻が、夜な夜な鏡に【世界で一番美しい人間】を問うている噂があることから、この世界が白雪姫の世界ではないかと気付いたレオンは、愛する家族を守るために、破滅に突き進む妻を救うため、まずは元凶である魔法の鏡をぶっ壊すことを決意する。
しかし元凶である鏡から、レオン自身が魔法の鏡に成りすまし、妻が破滅しないように助言すればいいのでは? と提案され、鏡越しに対峙した妻は、
「あぁ……陛下……今日も素敵過ぎます……」
彼の知る姿とはかけ離れていた――
妻は何故破滅を目指すのか。
その謎を解き明かし、愛する家族とのハッピーエンドと、ラブラブな夫婦関係を目指す夫のお話。
何か色々と設定を入れまくった、混ぜるな危険恋愛ファンタジー
※勢いだけで進んでます! 頭からっぽでお楽しみください。
※あくまで白雪姫っぽい世界観ですので、「本来の白雪姫は~」というツッコミは心の中で。
夫婦で異世界に召喚されました。夫とすぐに離婚して、私は人生をやり直します
もぐすけ
ファンタジー
私はサトウエリカ。中学生の息子を持つアラフォーママだ。
子育てがひと段落ついて、結婚生活に嫌気がさしていたところ、夫婦揃って異世界に召喚されてしまった。
私はすぐに夫と離婚し、異世界で第二の人生を楽しむことにした。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる