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研究者って

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「姫様、姫様!コレ、貰ってもいい?良いよね?転送で送っちゃうよ?」

「・・・」

 私は現在、絶賛ドン引き中だ。

 ザギが研究大好きなのは、理解していたけど。

 人間が作った、魔法を妨害する装置。
 興味深々なのは分かるけど。

 なんかアゼリアだった頃に、魔術師の同僚?から言われた言葉、思い出すんだけど。

『探究する事が魔術師としての成長に繋がるとしても、あり得ないわ~。気持ち悪いったらありゃしない』

 気持ち悪いとまでは思わないけど、ザギのことをちょっと良いなと思ってた人がいても、その姿見たら・・・

 いや、うん。
考えるのはやめよう。これは諸刃の刃だわ。

「よし!これでこの部屋にあった装置は取り除いたよ・・・って、なに?姫様。その微妙な表情」

「いや、何でも・・・」

「アンタのそのテンションにひいてんのよ。可愛い女の子放置して、その魔法や魔道具大好き性格どうにかしなさいよ」

 私が何でもないと続けようとしたら、アマリアが妙なツッコミを入れた。

 アマリア。
シアンとしては同意するけど、アゼリアとしては、弁護したいというか、何というか。

 ザギが心外だという顔をする。

「姫様が可愛いというのは同意するけど、して何言ってんの」

「失敬ね!私はまだ四百歳になったばっかよ!」

 ばっか・・・いやまぁ確かに、パパは八百歳だし、アマリアの種族の寿命は知らないけど、パパのを考えたら確かに若い・・・というか見た目年齢くらい?になるのかなと思うけど。

「ほんっと、研究者ってウザ。口だけは達者なんだから!」

「はいはい。君の大好きなラグムは間違ってもこんなことは言いませんね」

「な・・・!ちょっ・・・!わっ、私は別にラグムのことなんか・・・」

 アマリアの顔がポンっと音を立てて、真っ赤になる。

「アマリアってラグムのことが好きなんだ。知らなかった」

「え、あ、う、あの・・・」

「いいな。うん。お似合いだと思う。好きって言うの?もう言ったの?」

「・・・ま、まだなので・・・その、内緒に・・・」

 まだなんだ。
ラグムって、優しくて力持ち、みたいなタイプだよね。

 そっかー。

 アマリア?ってヒョウというか、猫系だよね。
 対するラグムは、犬系。

 二人が結婚して子供が生まれたら、何系が生まれるんだろ。

「装置を取り除いたなら、魔法使えるかな」

 浮遊魔法を唱えてみると、ふわっとアマリアの体が浮かび上がった。

「ん、大丈夫そ。じゃあ、とりあえずお見合いに行くかな。もし、私と引き離されても転移できるから心配しないで」

 とりあえず、お役目は果たしておこうかな。



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