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 このままあの二人の後を付いて行ったら、国王のところに行くかな?

 ザギとアマリアと目配せしあって、王子たちの後をついて行くことにした。

 国王が何かを企んでいることは間違いなさそうだが、眼下の王子二人は何も知らなそうだ。

「もう少ししたら着くだろうけど、喧嘩腰で話したら駄目だよ」

「だって兄さん!魔族だよ?」

「だけど女の子でしょ?女の子に酷いことを言うような男になっちゃ駄目だよ」

「・・・わ、わかったよ」

 おや?
あの上から目線のおぼっちゃまは、お兄さんの言うことは聞くらしい。

「姫様、彼らの前では企みは語らないと思うよ。執務室か、謁見の間に行ってみようか」

「うん」

 彼らを追い越して、廊下の奥へ進む。
 王宮の造りは大体同じだろうから・・・

「あ。あそこかも」

 ちょうど扉を開けて誰かが入ろうとしているのを見て、私たちは急いで一緒に扉を通り抜けた。

 透明になったり、空中に浮かぶこともできるけど、壁とかは通り抜けられない。

 んー、でも転移はできるんだし、通り抜けってできるようになるんじゃない?

 帰ったらザギと研究してみよう。

 それはともかく、滑り込んだ部屋は予想通り国王の執務室のようだった。

「陛下。準備が整いました」

「よし!魔族の娘が来たら、予定通りに進めろ。失敗は許されんぞ」

「大丈夫です。魔法妨害装置を発動した部屋に案内するように手配してあります。殿下にも一緒に部屋で軟禁されていただくことになりますが」

「かまわん」

 あー、やっぱり魔法の発動を妨害する系か。

 魔法妨害装置って、ザギの発明品のマントとかの効力も失われるのかな?

 先にその装置、見てみたいな。

 チラリとザギを見ると、めっちゃワクワクしてる。

 装置に興味があるんだろうなぁ。

 報告に来たその男が出ていくのに合わせて、私たちも廊下に出る。

「ね、その妨害装置ってザギの発明品の効力、消されたりしない?」

「見てみないと分かんないから、その部屋探してみようよ」

「見合い客を案内してもおかしくない部屋。さっき王子たちが向かってた方向にあると思う」

 透明マントが効かなくなるから、外してあるブレスレット。

 ザギの発明品だから、人間の作った物より性能はいいと思うけど、装置を排除できるならその方が手っ取り早くていいよね。

「アマリア、あの王子たちの気配わかる?」

「モッチー。うんとね、こっち!」

 アマリアは、気配感知の能力に優れている。

 今回、ザギと共に私の護衛に選ばれたのも、分断された時に気配で居場所を探れるから。

私たちは、アマリアの示した方向へと向かった。

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