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謝罪を

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「姫様、フラウから連絡が来たよ。王宮に戻ろうか」

 ザギは私を抱き上げたまま、虚空を見上げてそう言った。

「連絡?来たの?」

 そういえば、同族ならどこにいても連絡が取れるって言ってたっけ。

「陛下が、萎びた野菜みたいにしおしおになってるって。どうする?まだ帰らない?」

 しおしお・・・

 パパ魔王様のことは気になるけど、今帰ることは正しい?

 判断がつかなくて、ザギの顔を見る。

 ザギは、優しい表情で私を見ていた。

「まだいても良いけど、さっきみたいな馬鹿がまた現れないとも言えないよ?あれは周囲はマトモだったから大事にならなかったけどさ」

 確かに、さっきのは子供だけが喚いてたから周囲が謝ってくれたけど、大人が喚き出したら、ザギもしなきゃならなくなるよね。

 本当は、お泊まりすることも考えてたんだけど、さっきの子供みたいなのが現れたら、宿屋の人にも迷惑かけるし。

「ん。帰る」

 子供みたいに、何も言わずに家出って形で反抗するんじゃなくて、ちゃんと伝えたいことを言わなきゃ。

 子供だけどさ、外見的には。

 ザギは私の頭を優しく撫でて「良い子だね」と笑う。

 だって私の我儘で、人間の国と揉めることになったら大変だもの。

 普通ならそんなに大事にならないかもしれないけど、この国はかつて公爵令嬢が婚約者の王太子を捨てて、魔王の元へ嫁いでる。

 その魔王と公爵令嬢の娘の私の存在は、火種になってしまう。

「じゃ、帰ろっか」

 そう言って、ザギに抱かれたまま転移した先で・・・

 パパ魔王様が土下座していた。

 は?
誰?パパに土下座なんて教えたの。

「なに・・・してるの?」

「パパが悪かった!シアンがそんなに再婚が嫌だとは思わなかったんだ!」

 魔王様の言葉に、私はザギの手をペチペチ叩いて下ろしてもらう。

 そして土下座中のパパと、その後ろに立つメフィストを睨んだ。

「私は!お父様が再婚するのが嫌で、家を出たわけじゃないから!」

「だ、だが、俺が相談しなかったから出て行ったのだろう?」

「そうだよ!だって私が母親を欲しがってるってじゃない。私、別に母親が欲しいなんて思ったことないよ?お父様が、奥さんが欲しいならそれは仕方ないって思ってる。だから、再婚を反対するつもりはない。でも、再婚する理由に、使わないで!」

「シアン様、陛下はシアン様のことを考えて・・・」

「そんなの、お父様やメフィストのじゃない!再婚するなら、その人を好きでその人と一緒になりたいって理由でして!私を巻き込まないで!」

 だって、私は母親が欲しいなんてかけらも思ってないもの!

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