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勉強

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 メフィストから多くのことを学ぶ。
  
 食事のマナー。淑女としてのマナー。魔国の歴史。人間の国の言葉。人間の国の歴史。

 私はアゼリアだった頃、ろくな教育を受けていなかった。

 私に求められていたのは、ただ戦場に向かい戦うこと。

 サザンウィンド王国の王太子の役に立つこと。

 何も学ぶことはなかった・・・ううん、魔法に関しては独学だけどで学んだっけ。

 だから、本来なら堅苦しいマナーも、歴史も、言語だって、学ぶことが楽しい。

 メフィストって、本当に教育者に向いてる。

 飴と鞭の使い方が上手いというか。褒めて伸ばすというか。

 私はまだ見た目年齢三歳だから・・・実年齢は分からない。聞くわけにもいかないし。魔王様が八百歳で二十歳の見た目なら、百歳くらいか?

 まぁ、とにかくまだ幼児の体だから、できないことの方が多い。

滑舌も悪いし、ナイフとフォークも使えない、というか魔王様が使わせてくれない。危ないからって。

 魔王様は私にすっごい甘いと思う。

 その点、メフィストはダメなことはダメって注意してくる。

 できないことをやれとは言わないけど、食べ物をポロポロこぼしたり、口を開けたまま食べ物を噛んだりとかすると叱られる。

 その代わり、ちゃんと出来ると褒めてくれるし、ご褒美のデザートとかお菓子とかが貰える。

 なので、勉強を頑張るのが楽しい。

「さざんういんどおうこく、めつぼうのげんきょう」

 今日は人間の国の歴史の勉強。
メフィストから渡される教科書には、ちゃんとふりがなが振ってある。

 魔国語でね。
不思議なことに、シアンとして生まれ変わったからなのか、魔国語の読み書きも魔国語で話すことも、違和感がない。

 魔国で生まれて育つから、なのかも。

 アゼリアは孤児だったから、あまり読み書きは得意ではなかったけど、話すことや聞き取ることは出来た。

 やっぱり生まれ育つことで、住んでるところの言葉は耳で覚えるのかも。

 ん?サザンウィンド王国の滅亡の元凶?

 サザンウィンド王国って、アゼリアとして私が生きていた国のこと?

 え?滅亡?あの国、滅んだの?

 アゼリアはあの日、王太子に殺されてしまったから、あの先の未来のことは知らない。

 別に悲しいとも思わない。
あの国に、私に優しい人なんていなかった。

 ああ、でも、孤児院のみんなはどうなったんだろう。

 まだ小さな子もたくさんいた。
食べることもままならなくて、生きるのも大変だったけど、それでもあの子達が幼いまま死ねば良いとは思わない。

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