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幹部

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 魔王シリウスを支える魔族たち。

 まずはメフィスト。
山羊のツノのある魔族で、片眼鏡をかけた側近。

 口うるさいけど知識も能力もダントツで、実質ナンバーツー。

 食堂に入って来た、ヒョウのような耳と尻尾を揺らした女性タイプの魔族。

「アマリャ」

「ラッキー!姫様だぁ。おはようございますぅ。あー、相変わらず可愛い!ほっぺたぷにぷに~」

 アマリアは金の髪と赤い目をした見た目十六歳くらいの魔族で、胸元を覆うだけの下着のような服に、膝より短めのスカートを着ている。

 うーん、あのタイプのスカートなら転びにくいと思うんだけど。

「アマリア!また貴女はそのような格好をして!それに、その口調も改めなさいと言ったでしょう!」

「げっ。メフィストまでいた」

「げ、とは何ですか!」

「め、めめ・・・ちゅと。メッしちゃ・・・ふぇっ・・・」

 怒ったら駄目だと言いたかったんだけど・・・うーん、幼児ってすぐに感情が昂っちゃうな。

 ふぇぇと泣き出した私を、魔王様が抱き上げる。

「メフィスト、叱るならシアンがいないところでやれ」

「・・・申し訳ございません。シアン様、姫様を叱ったわけではないのですよ。泣き止んで下さい」

「ゔぅー、メメチュト、メッしない?」

「はい、しませんよ。ああ。目をこすっては駄目ですよ」

 前世を思い出したせいか、魔王様や側近たちの甘やかしを恥ずかしいと思う自分がいる。

 のと同時に、前世では甘やかされた記憶がないから・・・孤児だったわけだし、無条件で愛されることの幸せをすごく感じた。

 普通に、前世の記憶をとりもどず前は、イヤイヤ期もあった。

 ただ、多少のイヤはあったものの、シアンは比較的大人しめだったと思う。

 前世のアゼリアがいた孤児院では、とにかくイヤだと泣き喚く子もいて、年下の面倒を見ていたアゼリアは手を焼いていた。

 その記憶を思い出してはいなかったものの、シアンはアゼリアの生まれ変わり。

 深層にある記憶から、父親や周囲のみんなを困らせてはいけない、と無意識に思っていたのかもしれない。

 メフィストに顔を拭いてもらいながら、私はアマリアに手を伸ばした。

「アマリャ」

「抱っこですか~?フラウやナーガさんみたくフカフカの胸じゃないんで、抱かれ心地は悪いかもですけどぉ」

 アマリアのお胸は、貧・・・とても慎ましやかなお胸である。

 というか、フラウの胸が見ため年齢よりもデカすぎなのよね。

 ちなみにナーガというのも幹部のひとり。
 下半身が蛇らしいけど、普段は足首まで隠れるドレスを着てるから、実際のところ見たことはない。

 見た目二十五歳くらいの妖艶な女性で、フラウと同じくらいお胸が立派。

 というか、あのお胸に抱き締められると、窒息するかもしれないので、アマリアでお願いしたい。
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