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断罪の時間です
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私は冷ややかな声と一緒に、アイテール様の加護の力を少し放出しました。
威圧に似た冷ややかな空気が辺りを・・・あら?実際辺りの温度が下がりましたわね。さすが、アイテール様の加護ですわ。
私は、嫌がらせを受け始めてから早々にアイテール様に相談していました。
何かあった時、アイテール様をお呼びしたのでは大事になります。少しだけ魔法のように加護の力を使うことはできないか、と。
アイテール様は、私の右手に私にしか見えない印を描き、それが消えるまでは冷気の力を、左手に描いた印が消えるまでは熱気の力を使えるようにして下さいました。
『我を呼べば一瞬だろうに』
「一瞬では困りますもの。それに、創造神様の加護のことは知られたくありませんし」
『どうせあの王子と結婚するのだろう?加護がバレたところで支障はあるまいに』
アイテール様はそう言われますが、アルフレッド様と結婚・・・
ぼっと音を立てて顔が赤くなった気がします。暑いですわ。
『あの王子のことだと、そのようになるのか。そうか・・・』
「な、なんですの?」
『良かったな。ローズ・・・いや、花』
「アイテール様・・・」
創造神アイテール様はー
きっとずっと私のことを、神崎花が死にローズ・ジェラルドとして生きるようになったことを気にかけて下さっていたのでしょう。
万物の神である方が・・・ちっぽけな人間である私のことを。
「アイテール様、ありがとうございます」
『花が、ローズが幸せに生涯を終えるために、我は加護を与えたのだ。もしもローズの手に余るような事態になったら、必ず我を呼べ』
「はい。必ず」
そううなづくとアイテール様は消えていかれたけど・・・
アイテール様、この加護って力が強すぎるような・・・
ほら、噴水の水が凍りそうな・・・駄目ですわ。私まで凍ってしまいます。いや、アイテール様の加護ですから私に害はないでしょうけど。
噴水が凍ったら、私まで凍死してしまいます。慌てて、噴水から出ました。制服が水を吸って重たいですわ。
これ、熱気の力で乾かないかしら?本当は風の力とかあれば熱風で乾かせるんでしょうけど。
『風の力貸してあげようか~?』
あら?何か可愛らしい声が聞こえたような。気のせいですわね。
『え~、気のせいじゃないよ~?ほらほら、シルフって願ってみてよ~』
私、疲れてるのかしら?空耳が・・・
え?シルフ?シルフって、前世の記憶でいうところの、風の精霊の?
恐る恐る、シルフに制服を乾かしたいと願ってみると、温かい風が足元から頭の天辺まで吹き抜け、重たく冷たかった制服が一気に乾きます。
(すごい!あ、ありがとうございます、シルフ様)
『いいよ~。アイテール様の加護持ちでしょ~?何かアテルナちゃんの加護も付いてるみたいだし~。また用があったら呼んでね~』
(まあ!ありがとうございます)
「風の魔力?それに氷の魔力なの?何故?ローズ・ジェラルドは魔力はないはずじゃ・・・」
シルフ様との念話に気を取られていた私は、目の前で凍りつきそうになり震えながら発言したブランディア伯爵令嬢に視線を向けました。
忘れてましたわ。シルフ様の登場があまりに衝撃的で。というか、彼女たちは魔力持ちですわよね。自分たちの魔力で冷気を払いのければ・・・
無理ですわね。彼女たちは、風と水と土の魔力持ちのようですね。火の方がいません。まぁ、火は光に次いで強力な魔力とされていますから、持ってる方少ないですものね。
「ブランディア伯爵令嬢?誰の名を呼び捨てている?」
その場をさらに凍てつかせそうな声が響き渡りました。
あら?レオンハルト殿下。お久しぶりですわ。
威圧に似た冷ややかな空気が辺りを・・・あら?実際辺りの温度が下がりましたわね。さすが、アイテール様の加護ですわ。
私は、嫌がらせを受け始めてから早々にアイテール様に相談していました。
何かあった時、アイテール様をお呼びしたのでは大事になります。少しだけ魔法のように加護の力を使うことはできないか、と。
アイテール様は、私の右手に私にしか見えない印を描き、それが消えるまでは冷気の力を、左手に描いた印が消えるまでは熱気の力を使えるようにして下さいました。
『我を呼べば一瞬だろうに』
「一瞬では困りますもの。それに、創造神様の加護のことは知られたくありませんし」
『どうせあの王子と結婚するのだろう?加護がバレたところで支障はあるまいに』
アイテール様はそう言われますが、アルフレッド様と結婚・・・
ぼっと音を立てて顔が赤くなった気がします。暑いですわ。
『あの王子のことだと、そのようになるのか。そうか・・・』
「な、なんですの?」
『良かったな。ローズ・・・いや、花』
「アイテール様・・・」
創造神アイテール様はー
きっとずっと私のことを、神崎花が死にローズ・ジェラルドとして生きるようになったことを気にかけて下さっていたのでしょう。
万物の神である方が・・・ちっぽけな人間である私のことを。
「アイテール様、ありがとうございます」
『花が、ローズが幸せに生涯を終えるために、我は加護を与えたのだ。もしもローズの手に余るような事態になったら、必ず我を呼べ』
「はい。必ず」
そううなづくとアイテール様は消えていかれたけど・・・
アイテール様、この加護って力が強すぎるような・・・
ほら、噴水の水が凍りそうな・・・駄目ですわ。私まで凍ってしまいます。いや、アイテール様の加護ですから私に害はないでしょうけど。
噴水が凍ったら、私まで凍死してしまいます。慌てて、噴水から出ました。制服が水を吸って重たいですわ。
これ、熱気の力で乾かないかしら?本当は風の力とかあれば熱風で乾かせるんでしょうけど。
『風の力貸してあげようか~?』
あら?何か可愛らしい声が聞こえたような。気のせいですわね。
『え~、気のせいじゃないよ~?ほらほら、シルフって願ってみてよ~』
私、疲れてるのかしら?空耳が・・・
え?シルフ?シルフって、前世の記憶でいうところの、風の精霊の?
恐る恐る、シルフに制服を乾かしたいと願ってみると、温かい風が足元から頭の天辺まで吹き抜け、重たく冷たかった制服が一気に乾きます。
(すごい!あ、ありがとうございます、シルフ様)
『いいよ~。アイテール様の加護持ちでしょ~?何かアテルナちゃんの加護も付いてるみたいだし~。また用があったら呼んでね~』
(まあ!ありがとうございます)
「風の魔力?それに氷の魔力なの?何故?ローズ・ジェラルドは魔力はないはずじゃ・・・」
シルフ様との念話に気を取られていた私は、目の前で凍りつきそうになり震えながら発言したブランディア伯爵令嬢に視線を向けました。
忘れてましたわ。シルフ様の登場があまりに衝撃的で。というか、彼女たちは魔力持ちですわよね。自分たちの魔力で冷気を払いのければ・・・
無理ですわね。彼女たちは、風と水と土の魔力持ちのようですね。火の方がいません。まぁ、火は光に次いで強力な魔力とされていますから、持ってる方少ないですものね。
「ブランディア伯爵令嬢?誰の名を呼び捨てている?」
その場をさらに凍てつかせそうな声が響き渡りました。
あら?レオンハルト殿下。お久しぶりですわ。
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