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最推しが尊い。しかも甘すぎ注意報発令中

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 ええと、どうして私は、アルフレッド様のお膝の上に座らされているのでしょうか?

 私は今日、婚約者であるアルフレッド様に呼ばれて王宮を訪れています。
 てっきり庭園かどこかでお茶会をするのかと思っていたら、アルフレッド様の私室に招かれました。
 ・・・いいんですかね、婚約者とはいえ、男女が2人きりでお部屋にいて。
 いや、お部屋の外には護衛の方がいますけどね。そして、ほんの少し扉は開けられていますけどね。

 王宮のメイドさんがお茶の準備を終えて部屋を出ていくと、向かいに座ろうとしていた私をアルフレッド様の手が捕まえた。

「アルフレッド様?」

「ローズ、ここに座って?」

 そのまま、座った自分の膝の上に私を下ろした。

 はい?ええええ?どうして膝の上に座らなきゃいけないんですか?
 おかしいですよね?婚約したら、これが普通とかないですよね?
 え、えええ?誰にも聞けないし、これって普通なんですか?

「アルフレッド様、な、何故お膝の上に・・・」

「可愛いな、ローズ。婚約したんだし、いいよね?」

「え、えっ、待ってください。これって普通なんですか?」

 慌てる私の髪を撫でながら、アルフレッド様はニコニコと微笑っています。

 アルフレッド様ってこんなだったかしら?うゔっ。本当に、発言すらしないモブだったから分からないわ。
 だけど、15歳なのに。こんな、こんな女性慣れしているの?

 アルフレッド様って、もしかしてタラシなの?

「ローズ?いけない子だね。よからぬことを考えてるだろう?」

「はっ!いいええ?そんなことないです」

 急いで顔をブンブンと振るものの、アルフレッド様はニコニコと笑いながら私を見ている。

 い、いけないわ。アルフレッド様の笑顔が魔王様の、ソレだわ。
 逆らっちゃいけないわ。これは逆らったら食べられてしまうやつよ。

 アルフレッド様が微笑みながら、こてんと首を傾げた。

 あああああああああっ!
あざといわ。私の心臓、動いてる?大丈夫?胸がギュンってなったわ!過剰供給よっ!最推しのあざとい笑顔!!

「ローズ、レオンハルトに薔薇を贈ったって本当?」

「はあ?」

 はっ!いけないわ。思わず、言ってしまったけど、こんな口の利き方したのシルヴィア様にバレたら、バレたら・・・

 考えただけで、震えてしまう。せっかくジェラルド公爵家で改良した薔薇を贈って、ご機嫌を回復できたのに。

「誤解ですわ。私が薔薇を贈ったのは、レオンハルト殿下の婚約者のシルヴィア様にですわ」

「アンダーソン公爵令嬢に?」

「ええ。シルヴィア様は私の淑女教育の先生なのです。私は、平民でしたから・・・学園に通うようになるまで、不安要素の淑女の在り方を教えてくださってるのです」

 そして、先日の失言で怒らせてしまったんです!シルヴィア様は、鬼教官なんです!怖いんです!

 先日、レオンハルト殿下が訪れたことは、どうやらアルク兄様から聞いているらしく、アルフレッド様の魔王様の気配が薄れました。

「ああ。レオンハルトは本当に駄目な子だね。なるほどね」

「王宮には献上しましたけど。それに、レオンハルト殿下に何かを差し上げる必要がないですわ」

「ふふっ。なら、僕になら何かくれるのかな?」

「アルフレッド様にですか?わ、私に差し上げれるものがあれば」

 私は、公爵家のみんなに大切にされていますし、何でも与えてもらえてますけど、その中から差し上げるのは違う気がするんですよね。

「じゃあ、お願いしてもいい、かな?」

 アルフレッド様の手が私の頬に触れて、そっと頬を撫でます。
 私は、その銀の瞳に吸い寄せられるように、アルフレッド様の顔を見上げたー




 
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