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乱入者と異変

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「母上!ローズマリア嬢が来ていると聞きました!」

 バタン!と音を立てて扉が開き・・・後ろから引き止めようとした侍従が追いかけてきているのが見えた。

 現れたレオナルドに、王妃は額に青筋を浮かべた。

「レオナルド!貴方に王妃のお茶会に乱入する権利を与えましたか?私は以前の時に伝えたはずです!二度目はない、次にやったら陛下に廃籍をお願いすると!」

「王妃殿下。私も王太子殿下にお伝えしたいことがありますから、今回のみお許しいただければ、と思います」

「セニヨン伯爵令嬢がそう言うのなら。ですが、レオナルド貴方には後で罰を与えます。いいですね?」

 そこまでは口を出すつもりはない。
王家の躾の話であって、私には関係のないことだからだ。

 だが、私が初めてレオナルドと話したいと言ったことで、レオナルドの顔には喜色が浮かんだ。

「ローズマリア嬢!」

「まず、殿下。私のことはセニヨン伯爵令嬢とお呼びください。殿下がいくら王家の輝ける太陽だとしても、無関係の令嬢の名を呼ぶものではありません。私はともかく誤解をなさる方もいらっしゃるでしょうし、殿下には婚約者がいらっしゃるのです。レグルス公爵令嬢を悲しませる言動は控えるべきだと思います」

「ッ!しかしっ!」

「殿下。殿下が私のことを思ってくださるお気持ちはありがたいと思います。ですが、私には心から慕っている相手がおります。オズワルド公爵家ならば、公爵令嬢として政略結婚を受け入れろと言われたでしょう。ですが、私はそれを受け入れたくなかった。だから、セニヨン公爵家の養女になったのです。そして、オズワルド公爵令嬢であるリリーシアお姉様を婚約者としても私をお望みだとお聞きして、お祖母様は伯爵家に降爵することを選んでくださったのです」

 私の発言した内容に、レオナルドの顔には不満があり有りと見える。

 その傲慢なところ、ゲームの中で私を切り捨てたレオナルドと同じね。

「そこっ、まで、僕を受け入れないと言うのかっ!セニヨン伯爵家に罰を与えてもいいのだぞっ!」

「レオナルド!そんな暴挙に出るというなら、今すぐ貴方を王家から廃籍しますよ!」

「母上は黙っていてくださいっ!何故だ!何故だ!ローズマリアと婚約しなければっ!ローズマリアがっ!!」

 レオナルドは叱責する王妃様に怒鳴り返し、頭を抱えるように喚き出す。

 私はその発言の内容に、固まった。

 どういうこと?何故?ローズマリアが魔王にならなければ?勇者になれないって、どういうことなの?
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