95 / 107
伯爵令嬢になった理由
しおりを挟む
カイルと気持ちが通じ合ったことで、お父様とお母様、そしてお祖母様に報告することにした。
年齢的にまだ結婚は出来ないけど、ちゃんと婚約者として王家に届出を出してもらわなきゃ。
「そう。やっぱりカイルこのとを好きだったのね」
報告したら、お祖母様にやっぱりと言われた。
え?私ってそんなにわかりやすいの?そんなにバレバレなの?
「婚約を結ぶのに問題のない相手なら、成人後に平民になる必要がないでしょう?だからきっと、カイルと一緒になりたいのだと思っていたのよ」
「お祖母様、どうしてそれを」
「クリストフがね、セニヨン公爵家は自分が継ぐから、伯爵家はローズに継がせたらどうかって。伯爵家ならギリギリ平民の婿をもらうことも可能だし、何ならカイルを伯爵家の養子扱いにして、ローズをセニヨン公爵家から嫁に出しても良いわ」
クリストフお兄様には、ロイドとサリフィルとの顔合わせの時に、五年後に平民になるつもりなことを知られている。
お祖母様に言ってしまわれたのね。
でも、お祖母様はなにも言わずにずっと見守って下さっていたの。
ありがたくて、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、お祖母様」
「いいのよ。私たちもカイルなら文句はないわ。レオナルドのこともあるから、陛下たちには私から話しておきます」
「え、あの、王太子殿下がどうかされたんですか?レグルス公爵令嬢のフローレンス様と婚約されたのですよね?」
今回は、リリーシアの失踪ということがあったとはいえ、王家からレグルス公爵家へ再打診という形を取らざる得なかった。
私が断り、リリーシアが逃げ、唯一残ったのが、歳の離れたフローレンス様だけ。
それで駄目なら侯爵家に当たることになるけど、今までほとんどそんな事例はない。
「あの子、いまだにローズが良いと言って聞かないらしいわ。一人息子だから、廃籍されないと思っているのね。困った子だこと。もっとも、どれだけ喚いてもレグルス公爵家との婚約は破棄できないわ。五歳も年下のご令嬢に本来なら行くはずのない婚約を受け入れてもらったのだもの。セルジオもレグルス側から拒否されない限り、絶対に婚約者は変更しないと宣言したそうよ。そして、納得しないならもうレオナルドを廃籍するとまで言ったそうよ」
廃籍!
レオナルドは唯一の王家の嫡子だ。
それを、廃籍するとまで言わなければならなかった国王陛下たちに同情する。
セニヨン公爵家の養女になった時、訪れたレオナルドにはっきりお断りしたけど、あの時も納得していなかったわね。
一度ちゃんと顔を合わせて、断るべきかしら?
私が伯爵令嬢になったのは、貴方と婚約したくないからって、言っても良いかしら?
年齢的にまだ結婚は出来ないけど、ちゃんと婚約者として王家に届出を出してもらわなきゃ。
「そう。やっぱりカイルこのとを好きだったのね」
報告したら、お祖母様にやっぱりと言われた。
え?私ってそんなにわかりやすいの?そんなにバレバレなの?
「婚約を結ぶのに問題のない相手なら、成人後に平民になる必要がないでしょう?だからきっと、カイルと一緒になりたいのだと思っていたのよ」
「お祖母様、どうしてそれを」
「クリストフがね、セニヨン公爵家は自分が継ぐから、伯爵家はローズに継がせたらどうかって。伯爵家ならギリギリ平民の婿をもらうことも可能だし、何ならカイルを伯爵家の養子扱いにして、ローズをセニヨン公爵家から嫁に出しても良いわ」
クリストフお兄様には、ロイドとサリフィルとの顔合わせの時に、五年後に平民になるつもりなことを知られている。
お祖母様に言ってしまわれたのね。
でも、お祖母様はなにも言わずにずっと見守って下さっていたの。
ありがたくて、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、お祖母様」
「いいのよ。私たちもカイルなら文句はないわ。レオナルドのこともあるから、陛下たちには私から話しておきます」
「え、あの、王太子殿下がどうかされたんですか?レグルス公爵令嬢のフローレンス様と婚約されたのですよね?」
今回は、リリーシアの失踪ということがあったとはいえ、王家からレグルス公爵家へ再打診という形を取らざる得なかった。
私が断り、リリーシアが逃げ、唯一残ったのが、歳の離れたフローレンス様だけ。
それで駄目なら侯爵家に当たることになるけど、今までほとんどそんな事例はない。
「あの子、いまだにローズが良いと言って聞かないらしいわ。一人息子だから、廃籍されないと思っているのね。困った子だこと。もっとも、どれだけ喚いてもレグルス公爵家との婚約は破棄できないわ。五歳も年下のご令嬢に本来なら行くはずのない婚約を受け入れてもらったのだもの。セルジオもレグルス側から拒否されない限り、絶対に婚約者は変更しないと宣言したそうよ。そして、納得しないならもうレオナルドを廃籍するとまで言ったそうよ」
廃籍!
レオナルドは唯一の王家の嫡子だ。
それを、廃籍するとまで言わなければならなかった国王陛下たちに同情する。
セニヨン公爵家の養女になった時、訪れたレオナルドにはっきりお断りしたけど、あの時も納得していなかったわね。
一度ちゃんと顔を合わせて、断るべきかしら?
私が伯爵令嬢になったのは、貴方と婚約したくないからって、言っても良いかしら?
7
お気に入りに追加
415
あなたにおすすめの小説
ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
ヒロインがいない。
もう一度言おう。ヒロインがいない!!
乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。
※ざまぁ展開あり
【完結】悪役令嬢に転生したようです。アレして良いですか?【再録】
仲村 嘉高
恋愛
魔法と剣の世界に転生した私。
「嘘、私、王子の婚約者?」
しかも何かゲームの世界???
私の『宝物』と同じ世界???
平民のヒロインに甘い事を囁いて、公爵令嬢との婚約を破棄する王子?
なにその非常識な設定の世界。ゲームじゃないのよ?
それが認められる国、大丈夫なの?
この王子様、何を言っても聞く耳持ちゃしません。
こんなクソ王子、ざまぁして良いですよね?
性格も、口も、決して良いとは言えない社会人女性が乙女ゲームの世界に転生した。
乙女ゲーム?なにそれ美味しいの?そんな人が……
ご都合主義です。
転生もの、初挑戦した作品です。
温かい目で見守っていただければ幸いです。
本編97話・乙女ゲーム部15話
※R15は、ざまぁの為の保険です。
※他サイトでも公開してます。
※なろうに移行した作品ですが、R18指定され、非公開措置とされました(笑)
それに伴い、作品を引き下げる事にしたので、こちらに移行します。
昔の作品でかなり拙いですが、それでも宜しければお読みください。
※感想は、全て読ませていただきますが、なにしろ昔の作品ですので、基本返信はいたしませんので、ご了承ください。
転生できる悪役令嬢に転生しました。~執着婚約者から逃げられません!
九重
恋愛
気がつけば、とある乙女ゲームの悪役令嬢に転生していた主人公。
しかし、この悪役令嬢は十五歳で死んでしまう不治の病にかかった薄幸な悪役令嬢だった。
ヒロインをいじめ抜いたあげく婚約者に断罪され、心身ともに苦しみ抜いて死んでしまう悪役令嬢は、転生して再び悪役令嬢――――いや悪役幼女として活躍する。
しかし、主人公はそんなことまっぴらゴメンだった。
どうせ転生できるならと、早々に最初の悪役令嬢の人生から逃げだそうとするのだが……
これは、転生できる悪役令嬢に転生した主人公が、執着婚約者に捕まって幸せになる物語。
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
ヒロインの味方のモブ令嬢は、ヒロインを見捨てる
mios
恋愛
ヒロインの味方をずっとしておりました。前世の推しであり、やっと出会えたのですから。でもね、ちょっとゲームと雰囲気が違います。
どうやらヒロインに利用されていただけのようです。婚約者?熨斗つけてお渡ししますわ。
金の切れ目は縁の切れ目。私、鞍替え致します。
ヒロインの味方のモブ令嬢が、ヒロインにいいように利用されて、悪役令嬢に助けを求めたら、幸せが待っていた話。
転生した元悪役令嬢は地味な人生を望んでいる
花見 有
恋愛
前世、悪役令嬢だったカーラはその罪を償う為、処刑され人生を終えた。転生して中流貴族家の令嬢として生まれ変わったカーラは、今度は地味で穏やかな人生を過ごそうと思っているのに、そんなカーラの元に自国の王子、アーロンのお妃候補の話が来てしまった。
未来の記憶を手に入れて~婚約破棄された瞬間に未来を知った私は、受け入れて逃げ出したのだが~
キョウキョウ
恋愛
リムピンゼル公爵家の令嬢であるコルネリアはある日突然、ヘルベルト王子から婚約を破棄すると告げられた。
その瞬間にコルネリアは、処刑されてしまった数々の未来を見る。
絶対に死にたくないと思った彼女は、婚約破棄を快く受け入れた。
今後は彼らに目をつけられないよう、田舎に引きこもって地味に暮らすことを決意する。
それなのに、王子の周りに居た人達が次々と私に求婚してきた!?
※カクヨムにも掲載中の作品です。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる