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伯爵令嬢になった理由
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カイルと気持ちが通じ合ったことで、お父様とお母様、そしてお祖母様に報告することにした。
年齢的にまだ結婚は出来ないけど、ちゃんと婚約者として王家に届出を出してもらわなきゃ。
「そう。やっぱりカイルこのとを好きだったのね」
報告したら、お祖母様にやっぱりと言われた。
え?私ってそんなにわかりやすいの?そんなにバレバレなの?
「婚約を結ぶのに問題のない相手なら、成人後に平民になる必要がないでしょう?だからきっと、カイルと一緒になりたいのだと思っていたのよ」
「お祖母様、どうしてそれを」
「クリストフがね、セニヨン公爵家は自分が継ぐから、伯爵家はローズに継がせたらどうかって。伯爵家ならギリギリ平民の婿をもらうことも可能だし、何ならカイルを伯爵家の養子扱いにして、ローズをセニヨン公爵家から嫁に出しても良いわ」
クリストフお兄様には、ロイドとサリフィルとの顔合わせの時に、五年後に平民になるつもりなことを知られている。
お祖母様に言ってしまわれたのね。
でも、お祖母様はなにも言わずにずっと見守って下さっていたの。
ありがたくて、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、お祖母様」
「いいのよ。私たちもカイルなら文句はないわ。レオナルドのこともあるから、陛下たちには私から話しておきます」
「え、あの、王太子殿下がどうかされたんですか?レグルス公爵令嬢のフローレンス様と婚約されたのですよね?」
今回は、リリーシアの失踪ということがあったとはいえ、王家からレグルス公爵家へ再打診という形を取らざる得なかった。
私が断り、リリーシアが逃げ、唯一残ったのが、歳の離れたフローレンス様だけ。
それで駄目なら侯爵家に当たることになるけど、今までほとんどそんな事例はない。
「あの子、いまだにローズが良いと言って聞かないらしいわ。一人息子だから、廃籍されないと思っているのね。困った子だこと。もっとも、どれだけ喚いてもレグルス公爵家との婚約は破棄できないわ。五歳も年下のご令嬢に本来なら行くはずのない婚約を受け入れてもらったのだもの。セルジオもレグルス側から拒否されない限り、絶対に婚約者は変更しないと宣言したそうよ。そして、納得しないならもうレオナルドを廃籍するとまで言ったそうよ」
廃籍!
レオナルドは唯一の王家の嫡子だ。
それを、廃籍するとまで言わなければならなかった国王陛下たちに同情する。
セニヨン公爵家の養女になった時、訪れたレオナルドにはっきりお断りしたけど、あの時も納得していなかったわね。
一度ちゃんと顔を合わせて、断るべきかしら?
私が伯爵令嬢になったのは、貴方と婚約したくないからって、言っても良いかしら?
年齢的にまだ結婚は出来ないけど、ちゃんと婚約者として王家に届出を出してもらわなきゃ。
「そう。やっぱりカイルこのとを好きだったのね」
報告したら、お祖母様にやっぱりと言われた。
え?私ってそんなにわかりやすいの?そんなにバレバレなの?
「婚約を結ぶのに問題のない相手なら、成人後に平民になる必要がないでしょう?だからきっと、カイルと一緒になりたいのだと思っていたのよ」
「お祖母様、どうしてそれを」
「クリストフがね、セニヨン公爵家は自分が継ぐから、伯爵家はローズに継がせたらどうかって。伯爵家ならギリギリ平民の婿をもらうことも可能だし、何ならカイルを伯爵家の養子扱いにして、ローズをセニヨン公爵家から嫁に出しても良いわ」
クリストフお兄様には、ロイドとサリフィルとの顔合わせの時に、五年後に平民になるつもりなことを知られている。
お祖母様に言ってしまわれたのね。
でも、お祖母様はなにも言わずにずっと見守って下さっていたの。
ありがたくて、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます、お祖母様」
「いいのよ。私たちもカイルなら文句はないわ。レオナルドのこともあるから、陛下たちには私から話しておきます」
「え、あの、王太子殿下がどうかされたんですか?レグルス公爵令嬢のフローレンス様と婚約されたのですよね?」
今回は、リリーシアの失踪ということがあったとはいえ、王家からレグルス公爵家へ再打診という形を取らざる得なかった。
私が断り、リリーシアが逃げ、唯一残ったのが、歳の離れたフローレンス様だけ。
それで駄目なら侯爵家に当たることになるけど、今までほとんどそんな事例はない。
「あの子、いまだにローズが良いと言って聞かないらしいわ。一人息子だから、廃籍されないと思っているのね。困った子だこと。もっとも、どれだけ喚いてもレグルス公爵家との婚約は破棄できないわ。五歳も年下のご令嬢に本来なら行くはずのない婚約を受け入れてもらったのだもの。セルジオもレグルス側から拒否されない限り、絶対に婚約者は変更しないと宣言したそうよ。そして、納得しないならもうレオナルドを廃籍するとまで言ったそうよ」
廃籍!
レオナルドは唯一の王家の嫡子だ。
それを、廃籍するとまで言わなければならなかった国王陛下たちに同情する。
セニヨン公爵家の養女になった時、訪れたレオナルドにはっきりお断りしたけど、あの時も納得していなかったわね。
一度ちゃんと顔を合わせて、断るべきかしら?
私が伯爵令嬢になったのは、貴方と婚約したくないからって、言っても良いかしら?
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