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証拠
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お祖母様から渡された、タチアナが関わっていたという証拠。
それは一通の手紙。
今までのタチアナならば、ラーナ相手ということと、他家が何故か婚約者候補にもならないことで強く出ていられただろう。
そして、アルビナ伯爵令息とも関わらなかったはずだ。
彼は従兄ではあるけれど、タチアナに恋情を抱いていることは周囲の誰もが気付いていて、ロイドに懸想しているタチアナからすれば邪魔な存在である。
だけど、私という邪魔な存在が新たに出来たことで、アルビナ伯爵令息を利用することにした、ということだと思う。
そこには、私の容姿。つまりアザリウム王国では珍しい黒髪であることを記し、私がロイドの婚約者からおりなければならない状態にして欲しいと書かれていた。
従兄だからか、それとも回りくどい書き方では伝わらないからなのか、少なくとも三ヶ月は監禁しておくようにと書かれていたのだ。
婚約者からおりなければならない状態を言い逃れたとしても、監禁という言葉がはっきりと書かれていることで、タチアナを罪に問える。
手紙はすぐに燃やすように書かれていたけど、アルビナ伯爵令息からすれば愛しい相手からの手紙。
大切に保管していたらしく、それをリリーシアは服の中に入れて逃げ出したようだ。
その時点で、リリーシアに記憶があったのか、それとも逃げる途中で何かあって無くしたのかは分からない。
でもリリーシアの機転のおかげで、タチアナを断罪できる。
「だが、セニヨン公爵令嬢の方は大丈夫なのか?まぁ、アザリウムの王太子殿下には新しい婚約者は出来たと聞いたが」
「ご心配ありがとうございます。ですが、今回の婚約を解消することは許されないはずです。それでも、もしものことはあるかもしれませんが、私も自分の気持ちをよく考えて、向き合おうと思っています」
お祖母様の前で、カイルに好きだと言おうと思うとは言えない。
まぁ、お祖母様のことだから薄々は気付いているかもしれないけど。
カイルには責務とかではなく、カイル自身の気持ちで私のことを好きかそうでないかを答えて欲しい。
もし私の気持ちに応えられなかったとしても、カイルが望むならこのままセニヨン公爵家に仕えてもらおうと思うし、私は他国に留学でもして新たな恋を探せばいいと考えている。
「ホリック様のことも、お祖母様と相談してヒルデ様と結ばれるように手を尽くすつもりです。まぁお兄様はレーチェル殿下のことをずっと待つとおっしゃっていましたけど」
「ああ。僕もできる限りのことをしよう」
ロイドはしっかりと頷いた。
それは一通の手紙。
今までのタチアナならば、ラーナ相手ということと、他家が何故か婚約者候補にもならないことで強く出ていられただろう。
そして、アルビナ伯爵令息とも関わらなかったはずだ。
彼は従兄ではあるけれど、タチアナに恋情を抱いていることは周囲の誰もが気付いていて、ロイドに懸想しているタチアナからすれば邪魔な存在である。
だけど、私という邪魔な存在が新たに出来たことで、アルビナ伯爵令息を利用することにした、ということだと思う。
そこには、私の容姿。つまりアザリウム王国では珍しい黒髪であることを記し、私がロイドの婚約者からおりなければならない状態にして欲しいと書かれていた。
従兄だからか、それとも回りくどい書き方では伝わらないからなのか、少なくとも三ヶ月は監禁しておくようにと書かれていたのだ。
婚約者からおりなければならない状態を言い逃れたとしても、監禁という言葉がはっきりと書かれていることで、タチアナを罪に問える。
手紙はすぐに燃やすように書かれていたけど、アルビナ伯爵令息からすれば愛しい相手からの手紙。
大切に保管していたらしく、それをリリーシアは服の中に入れて逃げ出したようだ。
その時点で、リリーシアに記憶があったのか、それとも逃げる途中で何かあって無くしたのかは分からない。
でもリリーシアの機転のおかげで、タチアナを断罪できる。
「だが、セニヨン公爵令嬢の方は大丈夫なのか?まぁ、アザリウムの王太子殿下には新しい婚約者は出来たと聞いたが」
「ご心配ありがとうございます。ですが、今回の婚約を解消することは許されないはずです。それでも、もしものことはあるかもしれませんが、私も自分の気持ちをよく考えて、向き合おうと思っています」
お祖母様の前で、カイルに好きだと言おうと思うとは言えない。
まぁ、お祖母様のことだから薄々は気付いているかもしれないけど。
カイルには責務とかではなく、カイル自身の気持ちで私のことを好きかそうでないかを答えて欲しい。
もし私の気持ちに応えられなかったとしても、カイルが望むならこのままセニヨン公爵家に仕えてもらおうと思うし、私は他国に留学でもして新たな恋を探せばいいと考えている。
「ホリック様のことも、お祖母様と相談してヒルデ様と結ばれるように手を尽くすつもりです。まぁお兄様はレーチェル殿下のことをずっと待つとおっしゃっていましたけど」
「ああ。僕もできる限りのことをしよう」
ロイドはしっかりと頷いた。
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