ラスボス魔王の悪役令嬢、モブを目指します?

みおな

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ロイドへの報告

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「そんな・・・セニヨン嬢にそんな真似を・・・」

 内容が内容なので、至急ロイドに連絡を入れて、アザリウム王国まで来てもらった。

 私が出向いても良かったんだけど、お祖母様からお話いただいた方が正確に伝わると思ったのだ。

 タチアナに心酔しているなら、アルビナ伯爵令息が勝手にしたと、タチアナも令息も言うかもしれない。

 だけど、アザリウム王国王太子の婚約者を攫ったアルビナ伯爵令息は罪に問える。

 今は婚約は解消されたけど、当時はまだ婚約者だったのだ。

 そして、国家間の問題になる原因を作ったアルビナ伯爵家と親戚関係のバッカス侯爵家と王族が縁を結ぶことはない、と苦言を呈することも出来るだろう。

 バッカス侯爵の弟がアルビナ伯爵なのである。

 無関係だと言われる可能性は高いが、ちゃんとタチアナが望んだというをお祖母様は手に入れていた。

 正確に言うと、リリーシアを保護した辺境伯様たちが手に入れていたのだけど。

「これを使えば、バッカス侯爵家を退け、ラーナ様との婚約を押し通せるのでは?そういえば他家はどういうスタンスですか?」

「バッカス侯爵家以外には、僕と婚約をという貴族家はない。実は公爵家と別の侯爵家から以前申し込みを受けたが、想う相手がいると断りをいれてね。それで納得してくれている。納得しなかったのは、バッカス侯爵家だけなんだ」

 なるほど。
相手が子爵令嬢とは思わなかったかもしれないけど、ロイドが誠実に対応したことで他家は納得したのね。

「それで、ラーナ様は王太子妃になる覚悟は決められたのでしょうか?」

「うん。ここの来る前に話し合った。ラーナもセニヨン嬢に危険が及ぶことになるところだったと知って、覚悟を決めてくれたよ」

 国王陛下たちは、ラーナさえ王太子妃王妃になる覚悟を持つなら、と言ってくれていた。

 それならば、タチアナを断罪してラーナとの婚約を発表しても大丈夫だろう。

「それで・・・その、セニヨン嬢の姉上は・・・」

「記憶は戻っていませんが、とりあえずは元気です。ただ、男性の方が近付くと怯えるのでゆっくりと静養することになると思います。幸いにも、保護してくれた方々がそのまま診てくださるとおっしゃるので、お言葉に甘えています」

「男性に・・・」

「アルビナ伯爵令息は、バッカス侯爵令嬢に心酔されている方だそうですね。ですので、姉には興味は持たなかったようですが、髪を切られていたことを考えると、少し暴力を振るわれたのかもしれません」

 辺境伯夫人の話では頬や腕などに少し痣が出来ていたそうだ。

 逃げる時に出来たものかもしれないけど、怯えから考えてカツラが取れた時に暴力を受けた可能性があると思う。
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