ラスボス魔王の悪役令嬢、モブを目指します?

みおな

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姉はどこへ?

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「それでお姉様は見つかったのですか?」

 私の問いに、お祖母様は首を横に振る。

 え?見つかっていないの?

「どこに行ったのか、行方が分からないのよ。それで、ローズに心当たりはないかって聞いて欲しいと王家から連絡が来たの」

「心当たりと言われても」

 私がローズマリアになってからは、ほとんど交流しないうちに養女になったから、リリーシアの行きそうな場所も友人も何も知らない。

「それから・・・こちらが本題なのだけど」

 お祖母様が眉間に皺を寄せて切り出す。
 失踪よりも大事な話?

「王家から、ローズをレオナルド殿下の婚約者にと申し出があったわ」

「・・・は?私はロイド殿下と婚約していると・・・」

「ええ。そう申し上げたのだけど、ザハード王国には国からお詫びをするから、婚約を解消してレオナルド殿下と婚約するように、と」

 はぁ?
レオナルドと婚約したくないから、わざわざロイドと婚約したというのに、冗談じゃないわよ。

 ロイドも断ってくれるとは思うけど・・・

 でも、国王陛下から言われたというのなら、断ったらセニヨン公爵家に迷惑がかかる?

 さすがに、家に迷惑がかかるのは困る。

 だからといって、レオナルドと婚約なんて嫌だけど。

 私だって、ゲーム内とこの世界が違うものだってことくらい分かってる。

 分かってるけど、両親のローズマリアへの扱いは同じだった。

 両親に疎まれたローズマリアの支えは、姉のリリーシアと婚約者のレオナルドのはずだった。

 だけど、私はリリーシアをどうしても好きになれなかった。

 確かにリリーシアは優しかった。

 だけど、優しいだけだった。

 両親に疎まれてる私に優しくはしても、両親との仲を取り持ってはくれなかったし、両親を諌める時もどこか的外れで。

 まるで優しい自分に酔っているような、そんな気がして好きにはなれなかったのだ。

 そこに悪意はなかったのだろうけど、前世で聞いた偽善者のようで。

 レオナルドのこともそうだ。
ゲームの中では、婚約者であるローズマリアを捨てて挙げ句に殺す人だけど、この世界のレオナルドは何もしていない。

 だけど、あの粘着質な私への執着が気持ち悪くて、どうしても関わり合いたくなかった。

 レオナルドもリリーシアも、好きな相手と婚約して・・・それこそお互いでもいいけど、勝手に幸せになってくれればいい。

 私に関わらないで欲しい。

 ずっとそう思ってたし、今もそう思ってる。

 でも、王家からの打診があったということは、断りづらい状態かもしれない。
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