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年下のお姉様
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「ローズ、それは・・・」
お祖母様が言い淀む。
分かるわ。私も同じことを思って、レーチェル王女に言ったもの。
「クリストフお兄様にも、その幼馴染さんとレーチェル殿下は別人だと、釘を刺しました。お兄様は理解しているとおっしゃっていましたけど、無意識か深層部分で、幼馴染さんを重ねているところはあると思います。そのことは、レーチェル王女殿下にもお話しました」
「それで、殿下は」
「クリストフお兄様を好きなのは自分の方なのだと。だから、今は片想いで構わない、と。ホリック様の件が片付くまでは、レーチェル王女殿下はサリフィル・ホリック様の婚約者です。その三年の間に、お兄様にちゃんと自分自身を見てもらうとおっしゃっていましたわ」
はっきり言って、私の何倍も大人だと思う。
「レーチェル王女殿下は齢八歳ですけど、私の何倍も大人ですわ」
もちろん、不安に思うことも悲しいとか悔しいとか思うこともあると思う。
それを表面に出さずに対処できるところが、敵わないなぁと思う。
そういえば、お兄様と結婚したら私のお姉様になるのよね。
私はレイモンドがリリーシアと結婚したら、セニヨン公爵家から籍を抜いてもらって平民になるつもりだけど・・・
一年くらいは姉妹でいられるかしら?
私の中では、リリーシアは姉ではない。
実際にこの時間軸のリリーシアが、何かしたわけではない。
アレは私の知っているゲームの中でのことだ。
だけど、私の記憶がローズマリアとなってから、リリーシアを姉だとは思えなかった。
リリーシアは、私を殺す人。
レオナルドがそうなように、リリーシアだってゲームの中とは違う。
変な言い方だけど、現実をちゃんと見るべきだとは思う。
それでもやっぱり、どうしてもレオナルドの婚約者にはなりたくなかったし、リリーシアの妹ではいたくなかった。
ローズマリアになったばかりの頃は、考えが及ばなかったけど・・・
私を大切な妹だと言うのなら、何故オズワルド公爵家の歪な関係をどうにかしてくれなかったの?
私がオズワルド公爵夫妻に全く相手にされていなかったことは、一目瞭然のはず。
なのに、どうしてそれを見て見ぬふりをしたの?
ゲームではレオナルドが婚約者で、レオナルドとリリーシアの存在だけが救いだったけど。
わざわざ私を絶望させて魔王にする人と、婚約したり縋ったりするわけないでしょう?
この世界がゲームの世界でなくても、リリーシアは私の救いにはならなかった。
ただ、それだけよ。
お祖母様が言い淀む。
分かるわ。私も同じことを思って、レーチェル王女に言ったもの。
「クリストフお兄様にも、その幼馴染さんとレーチェル殿下は別人だと、釘を刺しました。お兄様は理解しているとおっしゃっていましたけど、無意識か深層部分で、幼馴染さんを重ねているところはあると思います。そのことは、レーチェル王女殿下にもお話しました」
「それで、殿下は」
「クリストフお兄様を好きなのは自分の方なのだと。だから、今は片想いで構わない、と。ホリック様の件が片付くまでは、レーチェル王女殿下はサリフィル・ホリック様の婚約者です。その三年の間に、お兄様にちゃんと自分自身を見てもらうとおっしゃっていましたわ」
はっきり言って、私の何倍も大人だと思う。
「レーチェル王女殿下は齢八歳ですけど、私の何倍も大人ですわ」
もちろん、不安に思うことも悲しいとか悔しいとか思うこともあると思う。
それを表面に出さずに対処できるところが、敵わないなぁと思う。
そういえば、お兄様と結婚したら私のお姉様になるのよね。
私はレイモンドがリリーシアと結婚したら、セニヨン公爵家から籍を抜いてもらって平民になるつもりだけど・・・
一年くらいは姉妹でいられるかしら?
私の中では、リリーシアは姉ではない。
実際にこの時間軸のリリーシアが、何かしたわけではない。
アレは私の知っているゲームの中でのことだ。
だけど、私の記憶がローズマリアとなってから、リリーシアを姉だとは思えなかった。
リリーシアは、私を殺す人。
レオナルドがそうなように、リリーシアだってゲームの中とは違う。
変な言い方だけど、現実をちゃんと見るべきだとは思う。
それでもやっぱり、どうしてもレオナルドの婚約者にはなりたくなかったし、リリーシアの妹ではいたくなかった。
ローズマリアになったばかりの頃は、考えが及ばなかったけど・・・
私を大切な妹だと言うのなら、何故オズワルド公爵家の歪な関係をどうにかしてくれなかったの?
私がオズワルド公爵夫妻に全く相手にされていなかったことは、一目瞭然のはず。
なのに、どうしてそれを見て見ぬふりをしたの?
ゲームではレオナルドが婚約者で、レオナルドとリリーシアの存在だけが救いだったけど。
わざわざ私を絶望させて魔王にする人と、婚約したり縋ったりするわけないでしょう?
この世界がゲームの世界でなくても、リリーシアは私の救いにはならなかった。
ただ、それだけよ。
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