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結局問題は

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 レーチェル王女の言う通り、お兄様はサリフィルとの偽婚約者役をすることを許容した。

 あれはロイドが発案したとはいえ、私の婚約者役を探すということで、セニヨン公爵家主導で始まったことだ。

 お兄様も、セニヨン公爵家嫡男としてそれに文句は言えないのだろう。

 と思ったら、違った!

 お兄様は、レーチェル王女に拒絶されたくなくて、頷いたみたい。

 え、キモ。リアルロリコン?

「ローズ?何か失礼なことを考えてないかい?」

「え?ま、まさか」

 最近は、前世のことを思い出すことも減ってて、貴族令嬢をやれてたんだけど、久々に前世での言葉が出ちゃったわ。

 口に出なかっただけ、私も公爵令嬢としてちゃんと成長したのかしら。

「え、ええと、それでバッカス様のことはどうしましょうか」

 結局、振り出しに戻る、でタチアナをどうするかの問題は残ったままだ。

 別にこのまま放置でもかまわないんだけど、毎回絡んでこられるのも面倒だし、それにこれ以上絡まれるとバッカス侯爵家を罰しなければならなくなる。

 夫人はともかく、侯爵は常識人みたいだから、できれば罰したくはない。

「そうですわね。私は他国のことはよくわかりませんから・・・」

「マハール王国の貴族なら多少はわかるが、アレを受け入れるような貴族か・・・」

「帰国後にお祖母様にもお願いしてみるつもりですけど、矯正されれば無理に訳ありの貴族に嫁がせなくても良いのですけど」

 王太子であるロイドの婚約者にとさえ言わなければ、誰か思い思われる相手と婚約してもらってかまわないのだけど。

 あの、傲慢な・・・自分が一番偉いみたいな性格が矯正できれば、なのよね。

 バッカス侯爵は常識あるから、娘の婚約者が例えば男爵家でも娘が望んで嫁ぐなら、って認めてくれそうだし。

 夫人は別だけど。

 でもあの年齢から矯正は無理よね。
あの人、あの後侯爵に連れられて帰ったけど、多分納得はしてないと思う。

 王妃様に「次はない」と言われた侯爵が、覚悟を決めてた様子なのも気になるし、出来れば、贅沢だけど出来れば、みんな丸くおさまって欲しい。

「夫人を・・・矯正は無理ですよね」

「難しいと思います。お若い頃から、自分の思い通りにならないと癇癪を起こしてらしたとお聞きしてます」

「でも、バッカス侯爵には強く出れない?」

「一目惚れして、結婚して・・・今も侯爵にベタ惚れだとお母様にお聞きしました」

 責任感が強くて、優しいバッカス侯爵。彼が強く出れば・・・例えば「離縁する!」とか言えば、夫人は大人しくなるんじゃないかしら?

 逆ギレするかもしれないけど、可能性はフィフティフィフティだと思うわ。
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