64 / 107
お兄様と会うために
しおりを挟む
レーチェル王女の気持ちが決まっているなら、私がどうこういうことはない。
余計なお世話だもの。
ただ、ロイドには失恋する可能性が高いから、戻ったらそのつもりで見守って欲しいと伝えた。
慰めは余計かもしれないし、必要かもしれない。
私には判断できないから、ラーナやロイド、王妃様にお任せすることにした。
私の里帰りに、婚約者のロイドと妹姫のレーチェル王女、その侍女のラーナが付いてくる。
途中でマハール王国にいるお兄様に会いたいからという理由で、ヒルデの実家のベリル男爵家に寄る。
当然、マハール王国に帰るサリフィルも一緒に帰る。
サリフィルにお兄様に連絡を取ってもらって、ベリル男爵家でレーチェル王女と会ってもらう。
これが今回の予定である。
お兄様に告白した後は、ロイドとレーチェル王女にはアザリウム王国セニヨン公爵家に数日滞在してもらう。
タチアナの婚約者にお兄様をすえることは反対な旨を話し、代案について話し合うためである。
ロイドがいたら、アザリウム王国に戻っても、レオナルドに接近される心配は要らないし、レオナルドやオズワルド公爵家はともかく、セニヨン公爵家の家族は私にとって自慢だから会ってもらいたい。
「楽しみです」
レーチェル王女はまだ他国に出向いたことがないそうで、マハール王国へ向かう途中の馬車で、少し浮き立っていた。
ちなみに馬車は、私とレーチェル王女、ロイドとラーナ、サリフィルとヒルデという形である。
もちろんマハール負う間近で、私とレーチェル王女、ロイドとサリフィル、ヒルデとラーナという形に乗り換えるけど、まぁまたしばらくは恋人と会えないのだから、話したいこともあるだろう。
ロイド付きのザハード王国の護衛は、ロイドとラーナのことを知ってて好意的な人たちばっかりだし、サリフィルの護衛も然り。
当然カイルも理解しているので、問題なし。
あ。カイルは私の乗っている馬車の御者をしている。
「お兄様には先触れを出していますから、到着した翌日には寮からベリル男爵家に出向いてくる予定ですわ」
「大丈夫でしょうか。セニヨン様からすれば、私は妹様のローズマリア様より年下の子供です。ご迷惑にならないでしょうか」
「大丈夫ですよ」
多分、お兄様には年齢なんて関係ないだろうから。
お兄様にとって大切なのは、亡くなった幼馴染かそうでないかだけ。
だから婚約者が誰になろうと関係ない。
相手を傷つけたくないから、むしろ完全なまでの政略結婚を求めている。
だけど・・・
お兄様の心が許される日は来るのかな。
余計なお世話だもの。
ただ、ロイドには失恋する可能性が高いから、戻ったらそのつもりで見守って欲しいと伝えた。
慰めは余計かもしれないし、必要かもしれない。
私には判断できないから、ラーナやロイド、王妃様にお任せすることにした。
私の里帰りに、婚約者のロイドと妹姫のレーチェル王女、その侍女のラーナが付いてくる。
途中でマハール王国にいるお兄様に会いたいからという理由で、ヒルデの実家のベリル男爵家に寄る。
当然、マハール王国に帰るサリフィルも一緒に帰る。
サリフィルにお兄様に連絡を取ってもらって、ベリル男爵家でレーチェル王女と会ってもらう。
これが今回の予定である。
お兄様に告白した後は、ロイドとレーチェル王女にはアザリウム王国セニヨン公爵家に数日滞在してもらう。
タチアナの婚約者にお兄様をすえることは反対な旨を話し、代案について話し合うためである。
ロイドがいたら、アザリウム王国に戻っても、レオナルドに接近される心配は要らないし、レオナルドやオズワルド公爵家はともかく、セニヨン公爵家の家族は私にとって自慢だから会ってもらいたい。
「楽しみです」
レーチェル王女はまだ他国に出向いたことがないそうで、マハール王国へ向かう途中の馬車で、少し浮き立っていた。
ちなみに馬車は、私とレーチェル王女、ロイドとラーナ、サリフィルとヒルデという形である。
もちろんマハール負う間近で、私とレーチェル王女、ロイドとサリフィル、ヒルデとラーナという形に乗り換えるけど、まぁまたしばらくは恋人と会えないのだから、話したいこともあるだろう。
ロイド付きのザハード王国の護衛は、ロイドとラーナのことを知ってて好意的な人たちばっかりだし、サリフィルの護衛も然り。
当然カイルも理解しているので、問題なし。
あ。カイルは私の乗っている馬車の御者をしている。
「お兄様には先触れを出していますから、到着した翌日には寮からベリル男爵家に出向いてくる予定ですわ」
「大丈夫でしょうか。セニヨン様からすれば、私は妹様のローズマリア様より年下の子供です。ご迷惑にならないでしょうか」
「大丈夫ですよ」
多分、お兄様には年齢なんて関係ないだろうから。
お兄様にとって大切なのは、亡くなった幼馴染かそうでないかだけ。
だから婚約者が誰になろうと関係ない。
相手を傷つけたくないから、むしろ完全なまでの政略結婚を求めている。
だけど・・・
お兄様の心が許される日は来るのかな。
24
お気に入りに追加
432
あなたにおすすめの小説

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。

『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故
ラララキヲ
ファンタジー
ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。
娘の名前はルーニー。
とても可愛い外見をしていた。
彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。
彼女は前世の記憶を持っていたのだ。
そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。
格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。
しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。
乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。
“悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。
怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。
そして物語は動き出した…………──
※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。
※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。
◇テンプレ乙女ゲームの世界。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
【完結】悪役令嬢が可愛すぎる!!
佐倉穂波
ファンタジー
ある日、自分が恋愛小説のヒロインに転生していることに気がついたアイラ。
学園に入学すると、悪役令嬢であるはずのプリシラが、小説とは全く違う性格をしており、「もしかして、同姓同名の子が居るのでは?」と思ったアイラだったが…….。
三話完結。
ヒロインが悪役令嬢を「可愛い!」と萌えているだけの物語。
2023.10.15 プリシラ視点投稿。

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

変な転入生が現れましたので色々ご指摘さしあげたら、悪役令嬢呼ばわりされましたわ
奏音 美都
恋愛
上流階級の貴族子息や令嬢が通うロイヤル学院に、庶民階級からの特待生が転入してきましたの。
スチュワートやロナルド、アリアにジョセフィーンといった名前が並ぶ中……ハルコだなんて、おかしな
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる