ラスボス魔王の悪役令嬢、モブを目指します?

みおな

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お兄様と会うために

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 レーチェル王女の気持ちが決まっているなら、私がどうこういうことはない。

 余計なお世話だもの。
ただ、ロイドには失恋する可能性が高いから、戻ったらそのつもりで見守って欲しいと伝えた。

 慰めは余計かもしれないし、必要かもしれない。

 私には判断できないから、ラーナやロイド、王妃様にお任せすることにした。

 私の里帰りに、婚約者のロイドと妹姫のレーチェル王女、その侍女のラーナが付いてくる。

 途中でマハール王国にいるお兄様に会いたいからという理由で、ヒルデの実家のベリル男爵家に寄る。

 当然、マハール王国に帰るサリフィルも一緒に帰る。

 サリフィルにお兄様に連絡を取ってもらって、ベリル男爵家でレーチェル王女と会ってもらう。

 これが今回の予定である。

 お兄様に告白した後は、ロイドとレーチェル王女にはアザリウム王国セニヨン公爵家に数日滞在してもらう。

 タチアナの婚約者にお兄様をすえることは反対な旨を話し、代案について話し合うためである。

 ロイドがいたら、アザリウム王国に戻っても、レオナルドに接近される心配は要らないし、レオナルドやオズワルド公爵家はともかく、セニヨン公爵家の家族は私にとって自慢だから会ってもらいたい。

「楽しみです」

 レーチェル王女はまだ他国に出向いたことがないそうで、マハール王国へ向かう途中の馬車で、少し浮き立っていた。

 ちなみに馬車は、私とレーチェル王女、ロイドとラーナ、サリフィルとヒルデという形である。

 もちろんマハール負う間近で、私とレーチェル王女、ロイドとサリフィル、ヒルデとラーナという形に乗り換えるけど、まぁまたしばらくは恋人と会えないのだから、話したいこともあるだろう。

 ロイド付きのザハード王国の護衛は、ロイドとラーナのことを知ってて好意的な人たちばっかりだし、サリフィルの護衛も然り。

 当然カイルも理解しているので、問題なし。
 あ。カイルは私の乗っている馬車の御者をしている。

「お兄様には先触れを出していますから、到着した翌日には寮からベリル男爵家に出向いてくる予定ですわ」

「大丈夫でしょうか。セニヨン様からすれば、私は妹様のローズマリア様より年下の子供です。ご迷惑にならないでしょうか」

「大丈夫ですよ」

 多分、お兄様には年齢なんて関係ないだろうから。

 お兄様にとって大切なのは、亡くなった幼馴染かそうでないかだけ。

 だから婚約者が誰になろうと関係ない。

 相手を傷つけたくないから、むしろ完全なまでの政略結婚を求めている。

 だけど・・・
お兄様の心が許される日は来るのかな。
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