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何もなければ良い
しおりを挟む バッカス侯爵が退出した後、私は王妃様から事情を聞いた。
バッカス侯爵は、前侯爵つまり父親が作った借金をアクド侯爵に払ってもらう代償として、サンドラ夫人を娶ったそうだ。
サンドラ夫人がバッカス侯爵に一目惚れして、父親に強請ったらしい。
当時バッカス侯爵の妹は、ピスエア子爵のご子息と恋仲だったけど、借金のせいで身売り同然に伯爵家の後妻に入らなければならない、という状態だったそうだ。
結局、バッカス侯爵はサンドラ夫人と結婚することで、妹を好きな相手と結婚させることが出来た。
侯爵には当時想う相手はいなかったし、嫡男の自分に政略結婚は当然だと考えたらしい。
侯爵の妹さん、レアナ様というらしいけど、彼女は結婚してすぐに王妃様付きの侍女として働き出した。
ピスエア子爵が、当時王太子殿下だった国王陛下と王妃様とご学友で、親しかった縁みたい。
そして、ロイドが生まれて、レアナ様はロイドの面倒も見てたそうだけど、ご自身も身籠って職を辞してたそう。
ただ、ラーナが生まれて少しして、王妃様にどうしても外せない公務が増えて、レアナ様は乳飲み子を連れたまま、ロイドの乳母としての役割もしていたのですって。
そのレアナ様の話で、兄であるバッカス侯爵とアクド侯爵の話は聞いていたそうだけど、その借金は本当に領地の干ばつ被害のせいで出来たものだったみたい。
良かったわ。
侯爵と結婚したいがために、罠にかけたとかじゃなくて。
王妃様も当時はちょっと疑ったのですって。だから調べたのだとか。
でも、なんだか納得できたわ。
兄妹なのに、どうして姪の暴走を注意しないのかしら?と思ったけど、侯爵家と子爵家ということじゃなく、お兄さんに負い目があったのね。
自分は恋愛結婚したのに、お兄さんに政略結婚をさせてしまったことで、文句は言えなかったんだわ。
あの侯爵夫人も、常識を疑う言動だけど、自分が我儘を言ってもそれが叶って、好きな相手と結婚できたものだから、お金や身分をチラつかせたら叶うと思ってしまったのかもしれないわね。
セニヨン公爵家は、お祖母様が降嫁した王女殿下だし、権力は相当あるわよ。
でも、バッカス侯爵は悪い人ではなさそうだし、あの感じだと妻と娘のことはそれなりに愛してそうだし、夫人もタチアナもこれ以上問題起こさなきゃ良いけど。
どこか、他国とかに嫁に行かせたらどうかしら?
タチアナ理論だと、他国の令嬢は自国の令嬢より身分が低いのよね?
その理屈でいけば、他国で大人しくできるんじゃないかしら?
バッカス侯爵は、前侯爵つまり父親が作った借金をアクド侯爵に払ってもらう代償として、サンドラ夫人を娶ったそうだ。
サンドラ夫人がバッカス侯爵に一目惚れして、父親に強請ったらしい。
当時バッカス侯爵の妹は、ピスエア子爵のご子息と恋仲だったけど、借金のせいで身売り同然に伯爵家の後妻に入らなければならない、という状態だったそうだ。
結局、バッカス侯爵はサンドラ夫人と結婚することで、妹を好きな相手と結婚させることが出来た。
侯爵には当時想う相手はいなかったし、嫡男の自分に政略結婚は当然だと考えたらしい。
侯爵の妹さん、レアナ様というらしいけど、彼女は結婚してすぐに王妃様付きの侍女として働き出した。
ピスエア子爵が、当時王太子殿下だった国王陛下と王妃様とご学友で、親しかった縁みたい。
そして、ロイドが生まれて、レアナ様はロイドの面倒も見てたそうだけど、ご自身も身籠って職を辞してたそう。
ただ、ラーナが生まれて少しして、王妃様にどうしても外せない公務が増えて、レアナ様は乳飲み子を連れたまま、ロイドの乳母としての役割もしていたのですって。
そのレアナ様の話で、兄であるバッカス侯爵とアクド侯爵の話は聞いていたそうだけど、その借金は本当に領地の干ばつ被害のせいで出来たものだったみたい。
良かったわ。
侯爵と結婚したいがために、罠にかけたとかじゃなくて。
王妃様も当時はちょっと疑ったのですって。だから調べたのだとか。
でも、なんだか納得できたわ。
兄妹なのに、どうして姪の暴走を注意しないのかしら?と思ったけど、侯爵家と子爵家ということじゃなく、お兄さんに負い目があったのね。
自分は恋愛結婚したのに、お兄さんに政略結婚をさせてしまったことで、文句は言えなかったんだわ。
あの侯爵夫人も、常識を疑う言動だけど、自分が我儘を言ってもそれが叶って、好きな相手と結婚できたものだから、お金や身分をチラつかせたら叶うと思ってしまったのかもしれないわね。
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でも、バッカス侯爵は悪い人ではなさそうだし、あの感じだと妻と娘のことはそれなりに愛してそうだし、夫人もタチアナもこれ以上問題起こさなきゃ良いけど。
どこか、他国とかに嫁に行かせたらどうかしら?
タチアナ理論だと、他国の令嬢は自国の令嬢より身分が低いのよね?
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