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呆れてものも言えない
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王妃様に叱責されて軟禁状態のはずのレオナルドから、セニヨン公爵家に手紙が届いた。
呆れた。
廃籍すると言った王妃様は、本気だと私でも感じたのに、当の本人は冗談だとでも思っているのかしら?
私宛であったけど、封を切らずにお祖母様にお渡しした。
読まなくても分かる。
婚約を解消して、自分と婚約しろとでも書いてるんだわ。
セニヨン公爵家の養女になってから、こういう時の対処も教わった。
読んでしまえば、返事を書かないわけにはいかない。
セニヨン家は公爵家だから、同じ公爵家か王家以外なら、無視することもできるらしいけど、基本的には礼儀として返信はするらしい。
返事を出したくない場合、つまりはその手紙の主と関わり合いたくない場合は、その手紙は封を切らずに送り返す。
お祖母様は、レオナルドの手紙をセニヨン公爵家の蜜蝋で封をして、王妃様に送り返した。
その手紙の騒動があって五日後、レオナルドとリリーシアの婚約が発表された。
これは異例中の異例だと、お兄様が笑った。
普通、王族の婚約は、相手の家に婚約の打診をして、返答を待つ。これが最短で三日。最長で一ヶ月くらいだそう。
即返事というのは待ち構えていたみたいになるから、実際待ち構えていても三日は返事を出さないらしい。
そして、婚約が結ばれてから十日後から一ヶ月後に、パーティーを開いて婚約を発表するそうだ。
それが、五日。
しかも書面での発表。
レオナルドが出した手紙が原因なのは間違いない。
ゲームの中のレオナルドは、王太子としてリリーシアを選んだのだと思っていたけど、もしかしたら単に自分の我儘で選んだのかも。
それがたまたま、王家として受け入れるべき相手だった?
ゲームの舞台は五年後だから、ゲーム内の十歳のレオナルドもあんなだったのかもしれない。
でもこれで完全に、ゲームの流れは変わった。
ローズマリアが魔王になる引き金が、あの婚約破棄だったとするなら、私が魔王になることはない。
そもそも、嫌いな相手と婚約した方が絶望しそう。
「ローズ。僕はまもなくマハール王国に戻るけど、しばらく気分転換に一緒に来ないか?」
「え?マハール王国にですか?」
「レオナルド殿下は相当ゴネたらしい。国王陛下が、王妃殿下の怒りを考慮して、婚約を強引に進めたと聞いた。しばらくここから離れた方がいいだろうと、お祖母様がおっしゃっていた」
ああ。
それは面倒かも。
でもそれなら、一応婚約者なロイドのいるザハード王国に行くのが普通では?
呆れた。
廃籍すると言った王妃様は、本気だと私でも感じたのに、当の本人は冗談だとでも思っているのかしら?
私宛であったけど、封を切らずにお祖母様にお渡しした。
読まなくても分かる。
婚約を解消して、自分と婚約しろとでも書いてるんだわ。
セニヨン公爵家の養女になってから、こういう時の対処も教わった。
読んでしまえば、返事を書かないわけにはいかない。
セニヨン家は公爵家だから、同じ公爵家か王家以外なら、無視することもできるらしいけど、基本的には礼儀として返信はするらしい。
返事を出したくない場合、つまりはその手紙の主と関わり合いたくない場合は、その手紙は封を切らずに送り返す。
お祖母様は、レオナルドの手紙をセニヨン公爵家の蜜蝋で封をして、王妃様に送り返した。
その手紙の騒動があって五日後、レオナルドとリリーシアの婚約が発表された。
これは異例中の異例だと、お兄様が笑った。
普通、王族の婚約は、相手の家に婚約の打診をして、返答を待つ。これが最短で三日。最長で一ヶ月くらいだそう。
即返事というのは待ち構えていたみたいになるから、実際待ち構えていても三日は返事を出さないらしい。
そして、婚約が結ばれてから十日後から一ヶ月後に、パーティーを開いて婚約を発表するそうだ。
それが、五日。
しかも書面での発表。
レオナルドが出した手紙が原因なのは間違いない。
ゲームの中のレオナルドは、王太子としてリリーシアを選んだのだと思っていたけど、もしかしたら単に自分の我儘で選んだのかも。
それがたまたま、王家として受け入れるべき相手だった?
ゲームの舞台は五年後だから、ゲーム内の十歳のレオナルドもあんなだったのかもしれない。
でもこれで完全に、ゲームの流れは変わった。
ローズマリアが魔王になる引き金が、あの婚約破棄だったとするなら、私が魔王になることはない。
そもそも、嫌いな相手と婚約した方が絶望しそう。
「ローズ。僕はまもなくマハール王国に戻るけど、しばらく気分転換に一緒に来ないか?」
「え?マハール王国にですか?」
「レオナルド殿下は相当ゴネたらしい。国王陛下が、王妃殿下の怒りを考慮して、婚約を強引に進めたと聞いた。しばらくここから離れた方がいいだろうと、お祖母様がおっしゃっていた」
ああ。
それは面倒かも。
でもそれなら、一応婚約者なロイドのいるザハード王国に行くのが普通では?
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