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舞踏会には、エルム兄様はサフィニア様、トリヤはアゼリア様というように、それぞれの婚約者または婚約者候補と参加することになった。
よって、現在私の気がかりはあのヒロインがどうするか、である。
攻略対象全員にそっぽ向かれたヒロイン。
まぁ、この世界は乙女ゲームに類似したキャラが存在していても、乙女ゲームそのものではないものね。
そこをヒロインは理解・・・していないんだろうなぁ。
大体、乙女ゲームの中では、攻略対象に婚約者や婚約者候補なんていなかった。
いたら問題だわ。
略奪だもの。そんなの乙女ゲームでもなんでもないでしょ。
私と同じ、転生者らしきヒロイン。
彼女が自分の立ち位置をちゃんと理解していることを願うわ。
別に、不幸になって欲しいわけじゃないもの。
できることならその身にあった相手と結ばれて、幸せになって欲しい。
「シスル様。お迎えに来てくださり、ありがとうございます」
エスコートのために、王宮に訪れてくれたシスルの手を取る。
「そんなのは当然・・・あれ?」
私の手を取ったシスルが、普段と違う視線の高さに戸惑った顔をする。
会場に向かう公爵家の馬車の中で、私はほんの少しだけドレスの裾を持ち上げて、ソレをシスルに見せた。
つま先は五センチ、踵は八センチの高さの厚底ブーツである。
「それ・・・」
「せっかく、シスル様と公の場でダンスが出来るのです。少しくらい似合いだと思われたいので」
実はアゼリア様にも、この厚底ブーツを渡してある。
トリヤは体格も良く背も高めなので、アゼリア様が私よりは年上といえど、どうしても大木に蝉になってしまうのだ。
私は前世の記憶もあり履き慣れてたけれど、さすがにこの世界の人には・・・と思ったけど、運動神経抜群のアゼリア様は、あっという間に履きこなしてしまった。
うーん。やっぱり体幹が整ってると、バランス感覚がいいのかしら?
「背が高かろうが低かろうが、リズ以外とは踊らないから関係ない」
「ふふっ。いずれは公爵家を継がれるシスル様が、誰とも踊らないというわけにもいきませんわ。私だって、公爵夫人としてダンスの申し込みを受けることもあるでしょうし」
「公爵夫人・・・」
私は少しずつだけど、シスルのご機嫌をどう言えば損ねないか学習出来ている、と思う。
今回の舞踏会は学園主催だから、私以外と踊らないというのも可能だけど、社交界に出ればそうはいかない。
下位貴族ならともかく、シスルは公爵家嫡男。私も結婚するまでは王族だもの。
よって、現在私の気がかりはあのヒロインがどうするか、である。
攻略対象全員にそっぽ向かれたヒロイン。
まぁ、この世界は乙女ゲームに類似したキャラが存在していても、乙女ゲームそのものではないものね。
そこをヒロインは理解・・・していないんだろうなぁ。
大体、乙女ゲームの中では、攻略対象に婚約者や婚約者候補なんていなかった。
いたら問題だわ。
略奪だもの。そんなの乙女ゲームでもなんでもないでしょ。
私と同じ、転生者らしきヒロイン。
彼女が自分の立ち位置をちゃんと理解していることを願うわ。
別に、不幸になって欲しいわけじゃないもの。
できることならその身にあった相手と結ばれて、幸せになって欲しい。
「シスル様。お迎えに来てくださり、ありがとうございます」
エスコートのために、王宮に訪れてくれたシスルの手を取る。
「そんなのは当然・・・あれ?」
私の手を取ったシスルが、普段と違う視線の高さに戸惑った顔をする。
会場に向かう公爵家の馬車の中で、私はほんの少しだけドレスの裾を持ち上げて、ソレをシスルに見せた。
つま先は五センチ、踵は八センチの高さの厚底ブーツである。
「それ・・・」
「せっかく、シスル様と公の場でダンスが出来るのです。少しくらい似合いだと思われたいので」
実はアゼリア様にも、この厚底ブーツを渡してある。
トリヤは体格も良く背も高めなので、アゼリア様が私よりは年上といえど、どうしても大木に蝉になってしまうのだ。
私は前世の記憶もあり履き慣れてたけれど、さすがにこの世界の人には・・・と思ったけど、運動神経抜群のアゼリア様は、あっという間に履きこなしてしまった。
うーん。やっぱり体幹が整ってると、バランス感覚がいいのかしら?
「背が高かろうが低かろうが、リズ以外とは踊らないから関係ない」
「ふふっ。いずれは公爵家を継がれるシスル様が、誰とも踊らないというわけにもいきませんわ。私だって、公爵夫人としてダンスの申し込みを受けることもあるでしょうし」
「公爵夫人・・・」
私は少しずつだけど、シスルのご機嫌をどう言えば損ねないか学習出来ている、と思う。
今回の舞踏会は学園主催だから、私以外と踊らないというのも可能だけど、社交界に出ればそうはいかない。
下位貴族ならともかく、シスルは公爵家嫡男。私も結婚するまでは王族だもの。
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