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「少し慣れるために普段から履いておこうかしら」
前世では履いていたけど、さすがにドレス姿では歩きにくいかもしれない。
それにダンスも踊らなきゃだし。
ああ。もちろんダンスの練習はちゃんとしてある。
王女として転生し、家族との関係も改善する中で、マナーもダンスも勉強も、ひととおり頑張った。
最初は、シスコンを拗らせていたエルム兄様がダンスの練習相手だったけど、シスルと婚約してからは、王宮でシスルがダンスの相手を務めてくれた。
というか、エルム兄様を相手にしていると、シスルがブラック化したので、極力シスルとしか踊らないようにした。
なので蝉状態とはいえど、シスルとのダンスには、不安はない。
「姫様。フロックス公爵令息様がいらっしゃいました」
「お通しして」
私が応えると、シスルが女性と共に現れた。
「あら?リーズ様」
「アイリス姫様。今日はドレスの採寸に参りましたわ~」
「・・・今日もお元気で何よりですわ」
リーズ様は男爵家の次女の方で、婚約者だったテーラーの方と成婚後に、正式にドレスデザイナーとして活躍されている。
リーズ様は、とても腕の良いデザイナーで、王家御用達でもあるんだけど・・・
ちょーっとテンションが高めというか、何というか。
正真正銘の女性なのだけど、どこかオネエ感があるのよね。
私的には好きだけど、貴族の中には、合わない人も多いみたい。
「舞踏会用のドレスですけど!何色になさいます?アイリス姫様は可愛らしいですから、淡いお色が似合いますわ~!」
「そうですね。まだシスル様のお色一色にするには、私は子供ですから・・・シスル様、薄紫のシャツでも良いかしら?」
シスルの髪と瞳の銀一色のドレスだと、私には大人っぽ過ぎるのだ。
どちらにしろシスルは、私の薄紫と淡いピンクのどちらかを衣装に入れるから、私もその色のドレスにするつもりだ。
「うん」
「なら、リーズ様。薄紫に銀の刺繍をお願いします」
「かしこまりましたわ。では採寸いたしますから、フロックス様は一旦出ていて下さいな」
ドレスはピッタリしたものになるから、下着姿での採寸になる。
いくら婚約者といえど、肌を晒すわけにはいかない。
シスルが退室してから、シーラに着替えを手伝ってもらい、採寸する。
「リーズ様。ドレス丈は、これを履いた状態で、足が見えないようにお願いします」
「あら?あら。あら。踵だけでなく、全体的に底が厚みがありますのね。踵も随分と太いですわ。あら、まぁ!背が高くなりましたわ」
「大木に蝉では、シスル様に恥をかかせてしまいますもの。これなら少しは格好がつくでしょう?」
私は厚底ブーツを履いて、にっこりと微笑んだ。
前世では履いていたけど、さすがにドレス姿では歩きにくいかもしれない。
それにダンスも踊らなきゃだし。
ああ。もちろんダンスの練習はちゃんとしてある。
王女として転生し、家族との関係も改善する中で、マナーもダンスも勉強も、ひととおり頑張った。
最初は、シスコンを拗らせていたエルム兄様がダンスの練習相手だったけど、シスルと婚約してからは、王宮でシスルがダンスの相手を務めてくれた。
というか、エルム兄様を相手にしていると、シスルがブラック化したので、極力シスルとしか踊らないようにした。
なので蝉状態とはいえど、シスルとのダンスには、不安はない。
「姫様。フロックス公爵令息様がいらっしゃいました」
「お通しして」
私が応えると、シスルが女性と共に現れた。
「あら?リーズ様」
「アイリス姫様。今日はドレスの採寸に参りましたわ~」
「・・・今日もお元気で何よりですわ」
リーズ様は男爵家の次女の方で、婚約者だったテーラーの方と成婚後に、正式にドレスデザイナーとして活躍されている。
リーズ様は、とても腕の良いデザイナーで、王家御用達でもあるんだけど・・・
ちょーっとテンションが高めというか、何というか。
正真正銘の女性なのだけど、どこかオネエ感があるのよね。
私的には好きだけど、貴族の中には、合わない人も多いみたい。
「舞踏会用のドレスですけど!何色になさいます?アイリス姫様は可愛らしいですから、淡いお色が似合いますわ~!」
「そうですね。まだシスル様のお色一色にするには、私は子供ですから・・・シスル様、薄紫のシャツでも良いかしら?」
シスルの髪と瞳の銀一色のドレスだと、私には大人っぽ過ぎるのだ。
どちらにしろシスルは、私の薄紫と淡いピンクのどちらかを衣装に入れるから、私もその色のドレスにするつもりだ。
「うん」
「なら、リーズ様。薄紫に銀の刺繍をお願いします」
「かしこまりましたわ。では採寸いたしますから、フロックス様は一旦出ていて下さいな」
ドレスはピッタリしたものになるから、下着姿での採寸になる。
いくら婚約者といえど、肌を晒すわけにはいかない。
シスルが退室してから、シーラに着替えを手伝ってもらい、採寸する。
「リーズ様。ドレス丈は、これを履いた状態で、足が見えないようにお願いします」
「あら?あら。あら。踵だけでなく、全体的に底が厚みがありますのね。踵も随分と太いですわ。あら、まぁ!背が高くなりましたわ」
「大木に蝉では、シスル様に恥をかかせてしまいますもの。これなら少しは格好がつくでしょう?」
私は厚底ブーツを履いて、にっこりと微笑んだ。
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