乙女ゲームの正しい進め方

みおな

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「ごきげんよう、アイリス王女殿下」

 エルム兄様の婚約者候補を決めるお茶会。

 お母様と共に私も参加させてもらった。

 シスルと婚約した私は、シスル同伴でないとお茶会に参加できない。

 いや。普通はできるんだけど・・・
シスルの圧が怖くて、出来ない。

 なので、今回の王妃主催のお茶会なら、お母様同伴だし、エルム兄様の婚約者候補を決めるお茶会だからご子息もいないしで、参加許可が出た。

 シスルって、こんなに束縛系だったかな。
 ヒロインには確かにツンデレのデレを発動してたけど。

 お茶会に招待されたのは、この国の伯爵家以上の家柄で、年齢が十三歳から十歳までのご令嬢十五人。

 この中から五人候補を選んで、一年後までに婚約者を決める。

 今、私に挨拶したのは、公爵家のご令嬢のジニア・カミーリア様。

 濃紅色の髪と瞳をされた、エルム兄様と同じ年齢のご令嬢。

「ごきげんよう。カミーリア様」

「どうぞ、ジニアとお呼び下さい。ご一緒しても?」

「ええ。もちろんです、ジニア様。でも、兄様とお話されなくてよろしいんですか?」

「わたくしは王太子殿下と同じクラスですから面識もありますし、年下のご令嬢がお話したいでしょうから」

 エルム兄様と同い年なのは、ジニア様のみ。
 あとは、ひとつ年下が一番多くて六人。
十一歳と十歳が四人だ。

 王太子妃を目指そうとすると、お母様である王妃様が懐妊したのを聞いてから子を授かろうとするから、どうしても年下になってしまうのだ。

 カミーリア公爵家が王太子妃を目指してないとは言わないが、ジニア様はそのために授かったお子ではないということだ。

 面識があるからと、一歩引いているところも好ましい。

 エルム兄様には、ガツガツしたご令嬢より、大人びていて、兄様を諭してくれる方が似合う気がする。

 ガツガツといえば・・・
ヒロインはどうしてるんだろう。

 交流祭で、私に冤罪?をかけてきたことは、ユーカリプタス子爵家に抗議はした。

 元々は平民だったとしても、養女となって貴族として名を連ねている限りは、貴族としての振る舞いが求められる。

 一応、ユーカリプタス子爵からは謝罪があったけど、あそこもなぁ。あんまりいい噂は聞かないんだよね。

 停学にまではなってないけど、学園にも事情は話してあって、次に問題を起こしたら停学と言われているらしい。

 問題しか起こさない気がするけど、乙女ゲームのゲーム補正とか入るのかな。

 私は少なくとも、デイジーを姉とは呼びたくないし、絶対王太子妃とか無理だし、王族としても恥だから、エルム兄様ルートには進んで欲しくない。

 そのためにも、一日も早く正式な婚約者を決めて欲しいわ。



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