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「アイリス、美味しい?こっちも食べるかしら?」
「アイリス。果物はどう?」
「果実水もあるよ。桃とオレンジと林檎と・・・どれがいいかな?」
自分の食事はそっちのけで、甲斐甲斐しく私の世話を焼こうとする三人に、パンケーキを切っていたナイフを置いた。
「アイリス?どうしたの?美味しくなかった?」
「甘いものでない方がいいのかもしれない。誰か、卵とベーコンを」
「僕のトーストでよければ食べるかい?手をつけていないから」
そう。手をつけていないのである。
三人とも、目の前の食事に手をつけず、私の世話を焼いているのだ。
ちなみに、パンケーキなのは私だけ。
両親と兄?の前にはトーストにサラダ、卵にベーコンが並んでいる。
王族の食事は毒味をされるから、温かいまま運ばれて来ることはない。
そうラノベで読んだ通り、目の前のパンケーキも冷めていた。
冷めてても美味しいのは、たくさんのクリームやフルーツが一緒だからだろう。
でも、温かかったらもっと美味しいだろうな、と思う。
まぁ、それはともかく。
はっきり言おう。推定七歳くらいの子供=アイリスをそんなに甘やかしたら、我儘放題になると思う。
使用人は仕方ない。
たとえガキンチョでも王族。叱るとか出来ないのは分かる。
でも、父親も母親も兄らしき人も、全員が甘やかすのは駄目だと言いたい。
「・・・お野菜のサラダをください」
控えているメイドさんに頼むと、国王陛下に王妃様、王子様らしき人が目を見開いた。
「アイリスが・・・」
「アイリスが話した・・・」
は?なに、そのクララが立った的なの。
ええ?アイリスってば家族と話してなかったの?
うーん。どういうこと?
会ってないから会わなくても寂しくないって言ってたよね。
だから、育児放棄かと思ったんだけど、違うの?
アイリスに確認したいけど、あの子眠っちゃったし。
メイドさんに聞いても教えてくれなさそうだし、両親に直接聞くのもなぁ。
「姫様。お待たせしました」
「ありがとう」
「「「ああっ!アイリスがお礼をッ!」」」
サラダのレタスにフォークを突き刺しながら、私は内心大きなため息を吐いた。
推定七歳のアイリス、しかも寡黙設定ならいざ知らず、中身が私の時点で、礼くらい言うわ。
とにかく、情報収集しないことには、対処に困る。
アイリス、日記とか書いてないのかな。あとで探してみよう。
その後は、黙々とサラダとパンケーキを食べた。
ずっと両親と兄らしき少年が、こっちを見てたけど、とりあえず放置することにした。
「アイリス。果物はどう?」
「果実水もあるよ。桃とオレンジと林檎と・・・どれがいいかな?」
自分の食事はそっちのけで、甲斐甲斐しく私の世話を焼こうとする三人に、パンケーキを切っていたナイフを置いた。
「アイリス?どうしたの?美味しくなかった?」
「甘いものでない方がいいのかもしれない。誰か、卵とベーコンを」
「僕のトーストでよければ食べるかい?手をつけていないから」
そう。手をつけていないのである。
三人とも、目の前の食事に手をつけず、私の世話を焼いているのだ。
ちなみに、パンケーキなのは私だけ。
両親と兄?の前にはトーストにサラダ、卵にベーコンが並んでいる。
王族の食事は毒味をされるから、温かいまま運ばれて来ることはない。
そうラノベで読んだ通り、目の前のパンケーキも冷めていた。
冷めてても美味しいのは、たくさんのクリームやフルーツが一緒だからだろう。
でも、温かかったらもっと美味しいだろうな、と思う。
まぁ、それはともかく。
はっきり言おう。推定七歳くらいの子供=アイリスをそんなに甘やかしたら、我儘放題になると思う。
使用人は仕方ない。
たとえガキンチョでも王族。叱るとか出来ないのは分かる。
でも、父親も母親も兄らしき人も、全員が甘やかすのは駄目だと言いたい。
「・・・お野菜のサラダをください」
控えているメイドさんに頼むと、国王陛下に王妃様、王子様らしき人が目を見開いた。
「アイリスが・・・」
「アイリスが話した・・・」
は?なに、そのクララが立った的なの。
ええ?アイリスってば家族と話してなかったの?
うーん。どういうこと?
会ってないから会わなくても寂しくないって言ってたよね。
だから、育児放棄かと思ったんだけど、違うの?
アイリスに確認したいけど、あの子眠っちゃったし。
メイドさんに聞いても教えてくれなさそうだし、両親に直接聞くのもなぁ。
「姫様。お待たせしました」
「ありがとう」
「「「ああっ!アイリスがお礼をッ!」」」
サラダのレタスにフォークを突き刺しながら、私は内心大きなため息を吐いた。
推定七歳のアイリス、しかも寡黙設定ならいざ知らず、中身が私の時点で、礼くらい言うわ。
とにかく、情報収集しないことには、対処に困る。
アイリス、日記とか書いてないのかな。あとで探してみよう。
その後は、黙々とサラダとパンケーキを食べた。
ずっと両親と兄らしき少年が、こっちを見てたけど、とりあえず放置することにした。
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