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元凶はここだった
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「で、どうして私がサウロン様とそういう仲だと思われてるの?」
「あー、それは・・・」
うん?
なんだかサウロン様の歯切れが悪い。
覚えがあるわ。こういう対応の時って、やましいことがあるのよ。
「サウロン様?」
「あー。姫様ごめん!あんまり嫁嫁ってうるさいから、好みは姫様みたいな可愛い子だって言っちゃった」
あ。元凶、ここだった。
てへっと笑うサウロン様に、パパがゲンコツを落とす。
「ッ!イテッ」
「当たり前だ。お前の適当な発言でロゼの楽しみが奪われたんだからな」
「ゔー。そう言われると・・・姫様、ごめん」
手のひらを合わせて頭を下げてくるサウロン様に、文句も言えない。
いっぱいお世話になったことだし、ここは許してあげるべきかな?
イモムシさんたちがどう思ったのかは知らないけど、勝手に暴走した責任はイモムシさんたちにあるわけだしね。
「サウロン様にはお世話になったから、今回のことで貸し借りなしということにします」
「良いのか、ロゼ?」
「うん。早く片付けてお散歩行こ?何か見せてくれるんだよね?」
パパに頷くと、ノインがやれやれといった様子でため息を吐いた。
「ロゼ様はお優し過ぎます。まぁ、減刑を望まれたわけではないですから、良いでしょう。サウロン、この者たちの処分は私が行いますから、ロゼ様に見せたいものがあるのでしょう?お連れしなさい」
「ノイン。首チョンパも、消し炭も駄目だよ?お仕置きの範囲までね」
ほっとくと、一族郎党皆殺し状態になりそうだから、念を押しておく。
パパに抱かれてサウロン様の後をついて行きながら振り返ると、ノインが不満そうな表情をしているのが見えた。
良かった、念を押しておいて。
減刑を望むわけじゃないし、別に私は優しいわけでもない。
実際に襲われたわけじゃないから、怪しいってだけで罰することに躊躇しただけ。
そんなことをしたら、ローズリッテを処刑したセドリック様と同じになってしまう気がしたの。
ローズリッテは、何も悪いことはしてなかったし、あれは完全なる冤罪だったけど、セドリック様側からしたら「聖女レイニー様に危害を加えようとするかもしれない」からって言えたと思う。
「王太子妃という座を脅かされそうだから」というのと「サウロン様の妻の座を奪われそうだから」というのって大差ないと思うの。
「ノイン、不満そうだったよ?別に処分しちゃっても良かったのに」
そういうサウロン様に、首を横に振った。
「罰したいなら、サウロン様の意思でなさってください。私はそんなのに巻き込まれたくないし、ノインにもそんな役目負わせたくないので」
自分の後始末くらい、自分でしてもらわなきゃ。
「あー、それは・・・」
うん?
なんだかサウロン様の歯切れが悪い。
覚えがあるわ。こういう対応の時って、やましいことがあるのよ。
「サウロン様?」
「あー。姫様ごめん!あんまり嫁嫁ってうるさいから、好みは姫様みたいな可愛い子だって言っちゃった」
あ。元凶、ここだった。
てへっと笑うサウロン様に、パパがゲンコツを落とす。
「ッ!イテッ」
「当たり前だ。お前の適当な発言でロゼの楽しみが奪われたんだからな」
「ゔー。そう言われると・・・姫様、ごめん」
手のひらを合わせて頭を下げてくるサウロン様に、文句も言えない。
いっぱいお世話になったことだし、ここは許してあげるべきかな?
イモムシさんたちがどう思ったのかは知らないけど、勝手に暴走した責任はイモムシさんたちにあるわけだしね。
「サウロン様にはお世話になったから、今回のことで貸し借りなしということにします」
「良いのか、ロゼ?」
「うん。早く片付けてお散歩行こ?何か見せてくれるんだよね?」
パパに頷くと、ノインがやれやれといった様子でため息を吐いた。
「ロゼ様はお優し過ぎます。まぁ、減刑を望まれたわけではないですから、良いでしょう。サウロン、この者たちの処分は私が行いますから、ロゼ様に見せたいものがあるのでしょう?お連れしなさい」
「ノイン。首チョンパも、消し炭も駄目だよ?お仕置きの範囲までね」
ほっとくと、一族郎党皆殺し状態になりそうだから、念を押しておく。
パパに抱かれてサウロン様の後をついて行きながら振り返ると、ノインが不満そうな表情をしているのが見えた。
良かった、念を押しておいて。
減刑を望むわけじゃないし、別に私は優しいわけでもない。
実際に襲われたわけじゃないから、怪しいってだけで罰することに躊躇しただけ。
そんなことをしたら、ローズリッテを処刑したセドリック様と同じになってしまう気がしたの。
ローズリッテは、何も悪いことはしてなかったし、あれは完全なる冤罪だったけど、セドリック様側からしたら「聖女レイニー様に危害を加えようとするかもしれない」からって言えたと思う。
「王太子妃という座を脅かされそうだから」というのと「サウロン様の妻の座を奪われそうだから」というのって大差ないと思うの。
「ノイン、不満そうだったよ?別に処分しちゃっても良かったのに」
そういうサウロン様に、首を横に振った。
「罰したいなら、サウロン様の意思でなさってください。私はそんなのに巻き込まれたくないし、ノインにもそんな役目負わせたくないので」
自分の後始末くらい、自分でしてもらわなきゃ。
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