37 / 56
予想通りだったわ
しおりを挟む
パパとノイン、ラーヴァナ様の分の刺繍が終わった頃、レイがサウロン様の分の刺繍を終えた。
本当に苦手なんだ。
まさか、私が三枚刺すのより遅いとは思わなかったわ。
でも、別にスピードじゃないものね。
時間がかかるなら、その分早くから刺し始めれば良いだけ。
刺繍には、各々の瞳の色を使った。
金の瞳のパパは、金色の鳳凰を。
青い瞳のノインは、青い龍を。
赤い瞳のラーヴァナは、赤い薔薇の花を。
黒い瞳のサウロンは、黒い犬を。
刺繍の図案は、レイが前世の礼子の知識から色々と考えてくれた。
例えばノインの龍というのは、私の知ってる魔物のドラゴンとは違うのに、レイのいた世界の・・・物語?の中では同じ「りゅう」と呼ぶのですって。
漢字?というのが違うらしくて・・・よくは分からなかったけど、礼子のいた世界の神話?の方のりゅうが龍なんだとか。
どっちもかっこいいけど、青い色なら龍の方がとか言われたわ。
パパの鳳凰というのも架空のものらしいんだけど、尊ばれる生き物らしくて、ならパパにピッタリかなって。
ラーヴァナは女性だから、綺麗系にしたの。真っ赤な薔薇はラーヴァナに似合ってると思う。
サウロンの犬は、レイの言うところの、冥界の番人なんですって。ケルベロスと言って三つの頭を持つ犬だとか。
私がパパとノインのをするのは決定だったんだけど、レイにサウロン様のをしてもらったのは、サウロン様がレイを気に入ってるみたいだから、なの。
同じもらうなら、好きな人からが良いわよね。
「これを・・・パパにか?」
「素晴らしいですね。なんて美しい」
「すっごい綺麗。私に花なんて似合うかな」
「コレって・・・犬?頭が三つあるけど・・・え?レイちゃんが作ってくれたの?僕、宝物にするっ!」
渡した反応は、まぁ想定内だった。
パパは私が渡したハンカチを、胸がいっぱいだというように抱きしめる。
ノインは、刺繍された龍に見惚れたような表情だった。
ラーヴァナは、女性らしい図案に恥ずかしそうに笑って。
サウロン様はケルベロスの図案に首を傾げながらも、レイが刺したと知って感激していた。
良かったわ。喜んでもらえたみたい。
「しかし、どうしたのだ?魔族は人間と違い、別に淑女だからと刺繍やダンスを必修しなければならないわけじゃないぞ?」
「そういうんじゃなくて、みんなにお礼がしたかったの。それにもう、ローズリッテだった頃の過去には決別して、ロゼとしてしたいことをしていきたいなって思って」
別に必修だったからとかじゃなく、刺繍は好きだったわ。
もっと大きくなれば、パパの身の回りのものに、私が全て刺繍したいな。
本当に苦手なんだ。
まさか、私が三枚刺すのより遅いとは思わなかったわ。
でも、別にスピードじゃないものね。
時間がかかるなら、その分早くから刺し始めれば良いだけ。
刺繍には、各々の瞳の色を使った。
金の瞳のパパは、金色の鳳凰を。
青い瞳のノインは、青い龍を。
赤い瞳のラーヴァナは、赤い薔薇の花を。
黒い瞳のサウロンは、黒い犬を。
刺繍の図案は、レイが前世の礼子の知識から色々と考えてくれた。
例えばノインの龍というのは、私の知ってる魔物のドラゴンとは違うのに、レイのいた世界の・・・物語?の中では同じ「りゅう」と呼ぶのですって。
漢字?というのが違うらしくて・・・よくは分からなかったけど、礼子のいた世界の神話?の方のりゅうが龍なんだとか。
どっちもかっこいいけど、青い色なら龍の方がとか言われたわ。
パパの鳳凰というのも架空のものらしいんだけど、尊ばれる生き物らしくて、ならパパにピッタリかなって。
ラーヴァナは女性だから、綺麗系にしたの。真っ赤な薔薇はラーヴァナに似合ってると思う。
サウロンの犬は、レイの言うところの、冥界の番人なんですって。ケルベロスと言って三つの頭を持つ犬だとか。
私がパパとノインのをするのは決定だったんだけど、レイにサウロン様のをしてもらったのは、サウロン様がレイを気に入ってるみたいだから、なの。
同じもらうなら、好きな人からが良いわよね。
「これを・・・パパにか?」
「素晴らしいですね。なんて美しい」
「すっごい綺麗。私に花なんて似合うかな」
「コレって・・・犬?頭が三つあるけど・・・え?レイちゃんが作ってくれたの?僕、宝物にするっ!」
渡した反応は、まぁ想定内だった。
パパは私が渡したハンカチを、胸がいっぱいだというように抱きしめる。
ノインは、刺繍された龍に見惚れたような表情だった。
ラーヴァナは、女性らしい図案に恥ずかしそうに笑って。
サウロン様はケルベロスの図案に首を傾げながらも、レイが刺したと知って感激していた。
良かったわ。喜んでもらえたみたい。
「しかし、どうしたのだ?魔族は人間と違い、別に淑女だからと刺繍やダンスを必修しなければならないわけじゃないぞ?」
「そういうんじゃなくて、みんなにお礼がしたかったの。それにもう、ローズリッテだった頃の過去には決別して、ロゼとしてしたいことをしていきたいなって思って」
別に必修だったからとかじゃなく、刺繍は好きだったわ。
もっと大きくなれば、パパの身の回りのものに、私が全て刺繍したいな。
47
お気に入りに追加
430
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ決定】地味令嬢は冤罪で処刑されて逆行転生したので、華麗な悪女を目指します!~目隠れ美形の天才王子に溺愛されまして~
胡蝶乃夢
恋愛
婚約者である王太子の望む通り『理想の淑女』として尽くしてきたにも関わらず、婚約破棄された挙句に冤罪で処刑されてしまった公爵令嬢ガーネット。
時間が遡り目覚めたガーネットは、二度と自分を犠牲にして尽くしたりしないと怒り、今度は自分勝手に生きる『華麗な悪女』になると決意する。
王太子の弟であるルベリウス王子にガーネットは留学をやめて傍にいて欲しいと願う。
処刑された時、留学中でいなかった彼がガーネットの傍にいることで運命は大きく変わっていく。
これは、不憫な地味令嬢が華麗な悪女へと変貌して周囲を魅了し、幼馴染の天才王子にも溺愛され、ざまぁして幸せになる物語です。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
転生ガチャで悪役令嬢になりました
みおな
恋愛
前世で死んだと思ったら、乙女ゲームの中に転生してました。
なんていうのが、一般的だと思うのだけど。
気がついたら、神様の前に立っていました。
神様が言うには、転生先はガチャで決めるらしいです。
初めて聞きました、そんなこと。
で、なんで何度回しても、悪役令嬢としかでないんですか?
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる