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チートって何?

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「ロゼ様って、チートだったんですね」

 レイの言葉に首を傾げる。
チートって・・・なに?

「あ。チートっていうのは、天才というか、もう無茶苦茶な強さの無双状態の人って感じです。ロゼ様、まだ六歳なのに魔法も完璧じゃないですか」

 そう。
私は六歳になった。

 レイが侍女になって半年。
基本レイは私専属なのだけど、他の使用人の魔族たちとも仲良く出来ているみたいで、彼女の交友レベルの高さに驚いた。

 でもレイではなかったとしても、レイニー様も高位貴族のご子息たちばかりと仲良くされてたわ。

「完璧かどうかはわからないけど、そろそろ復讐しに行こうかな」

「復讐?ですか?」

「レイ。私はね、セドリック様もあの時いたみんなも許してないの。ロゼとして生まれ変わって今の私は幸せだけど、あの時の悔しさは忘れてない」

 ロゼとして生まれて六年たった今でも、あの時の悔しさは全然なくなってくれないの。

 レイニー様を、聖女を王太子妃にしたかったのなら、普通に婚約解消してくれれば良かったのよ。

 もちろん婚約解消された娘を、あのお父様が許してくれるとは思わない。

 年寄りの後妻とか、政略結婚の駒として使われるのは間違いない。

 それでも、あの冤罪で押さえつけられて首を刎ねられた絶望に比べたら、何倍もマシだったと思うのよ。

 年寄りの後妻になって酷い扱いをされたりと、幸せになれなかったかもしれない。

 それでも、死んだ方がマシだと思う目にあったとしても、私は私の意思で物事を決めたかった。

 せめて自分の生死くらい、自分で決めたかった。

 ローズリッテとして公爵家に生まれた時から、私には自由がなかった。

 婚約者を勝手に決められ、そのために淑女教育も王太子妃教育も、とても厳しいものだった。

 お母様は私が幼い頃、一歳にならないうちに亡くなっていた。

 私を産んだことで、弱かった身体がもたなかったらしい。

 だから、厳しい淑女教育も王太子妃教育も、誰も労わってくれる人はいなかった。

 あの辛い教育を耐え、婚約者に寄り添おうと頑張った結果が処刑?

 冗談じゃないわ。

「そうですよね。私がローズリッテ様だったとしても同じ気持ちになったと思います。しかも彼らにはローズリッテ様を処刑した記憶はあるんですよ?それなのに、何とも思わず生きてるなんて!」

「セドリック様とフェルゼン公爵、アークライン国王陛下、あとは私を押さえつけてたセドリック様の護衛騎士。この四人は絶対に許さないわ。私は自分で復讐するためにパパに魔法を教わったの」

「ロゼ様。私にもお手伝いさせてください。ローズリッテ様を殺した彼らを、地獄に送れるのなら、私は何でもやります!」

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