19 / 56
チートって何?
しおりを挟む
「ロゼ様って、チートだったんですね」
レイの言葉に首を傾げる。
チートって・・・なに?
「あ。チートっていうのは、天才というか、もう無茶苦茶な強さの無双状態の人って感じです。ロゼ様、まだ六歳なのに魔法も完璧じゃないですか」
そう。
私は六歳になった。
レイが侍女になって半年。
基本レイは私専属なのだけど、他の使用人の魔族たちとも仲良く出来ているみたいで、彼女の交友レベルの高さに驚いた。
でもレイではなかったとしても、レイニー様も高位貴族のご子息たちばかりと仲良くされてたわ。
「完璧かどうかはわからないけど、そろそろ復讐しに行こうかな」
「復讐?ですか?」
「レイ。私はね、セドリック様もあの時いたみんなも許してないの。ロゼとして生まれ変わって今の私は幸せだけど、あの時の悔しさは忘れてない」
ロゼとして生まれて六年たった今でも、あの時の悔しさは全然なくなってくれないの。
レイニー様を、聖女を王太子妃にしたかったのなら、普通に婚約解消してくれれば良かったのよ。
もちろん婚約解消された娘を、あのお父様が許してくれるとは思わない。
年寄りの後妻とか、政略結婚の駒として使われるのは間違いない。
それでも、あの冤罪で押さえつけられて首を刎ねられた絶望に比べたら、何倍もマシだったと思うのよ。
年寄りの後妻になって酷い扱いをされたりと、幸せになれなかったかもしれない。
それでも、死んだ方がマシだと思う目にあったとしても、私は私の意思で物事を決めたかった。
せめて自分の生死くらい、自分で決めたかった。
ローズリッテとして公爵家に生まれた時から、私には自由がなかった。
婚約者を勝手に決められ、そのために淑女教育も王太子妃教育も、とても厳しいものだった。
お母様は私が幼い頃、一歳にならないうちに亡くなっていた。
私を産んだことで、弱かった身体がもたなかったらしい。
だから、厳しい淑女教育も王太子妃教育も、誰も労わってくれる人はいなかった。
あの辛い教育を耐え、婚約者に寄り添おうと頑張った結果が処刑?
冗談じゃないわ。
「そうですよね。私がローズリッテ様だったとしても同じ気持ちになったと思います。しかも彼らにはローズリッテ様を処刑した記憶はあるんですよ?それなのに、何とも思わず生きてるなんて!」
「セドリック様とフェルゼン公爵、アークライン国王陛下、あとは私を押さえつけてたセドリック様の護衛騎士。この四人は絶対に許さないわ。私は自分で復讐するためにパパに魔法を教わったの」
「ロゼ様。私にもお手伝いさせてください。ローズリッテ様を殺した彼らを、地獄に送れるのなら、私は何でもやります!」
レイの言葉に首を傾げる。
チートって・・・なに?
「あ。チートっていうのは、天才というか、もう無茶苦茶な強さの無双状態の人って感じです。ロゼ様、まだ六歳なのに魔法も完璧じゃないですか」
そう。
私は六歳になった。
レイが侍女になって半年。
基本レイは私専属なのだけど、他の使用人の魔族たちとも仲良く出来ているみたいで、彼女の交友レベルの高さに驚いた。
でもレイではなかったとしても、レイニー様も高位貴族のご子息たちばかりと仲良くされてたわ。
「完璧かどうかはわからないけど、そろそろ復讐しに行こうかな」
「復讐?ですか?」
「レイ。私はね、セドリック様もあの時いたみんなも許してないの。ロゼとして生まれ変わって今の私は幸せだけど、あの時の悔しさは忘れてない」
ロゼとして生まれて六年たった今でも、あの時の悔しさは全然なくなってくれないの。
レイニー様を、聖女を王太子妃にしたかったのなら、普通に婚約解消してくれれば良かったのよ。
もちろん婚約解消された娘を、あのお父様が許してくれるとは思わない。
年寄りの後妻とか、政略結婚の駒として使われるのは間違いない。
それでも、あの冤罪で押さえつけられて首を刎ねられた絶望に比べたら、何倍もマシだったと思うのよ。
年寄りの後妻になって酷い扱いをされたりと、幸せになれなかったかもしれない。
それでも、死んだ方がマシだと思う目にあったとしても、私は私の意思で物事を決めたかった。
せめて自分の生死くらい、自分で決めたかった。
ローズリッテとして公爵家に生まれた時から、私には自由がなかった。
婚約者を勝手に決められ、そのために淑女教育も王太子妃教育も、とても厳しいものだった。
お母様は私が幼い頃、一歳にならないうちに亡くなっていた。
私を産んだことで、弱かった身体がもたなかったらしい。
だから、厳しい淑女教育も王太子妃教育も、誰も労わってくれる人はいなかった。
あの辛い教育を耐え、婚約者に寄り添おうと頑張った結果が処刑?
冗談じゃないわ。
「そうですよね。私がローズリッテ様だったとしても同じ気持ちになったと思います。しかも彼らにはローズリッテ様を処刑した記憶はあるんですよ?それなのに、何とも思わず生きてるなんて!」
「セドリック様とフェルゼン公爵、アークライン国王陛下、あとは私を押さえつけてたセドリック様の護衛騎士。この四人は絶対に許さないわ。私は自分で復讐するためにパパに魔法を教わったの」
「ロゼ様。私にもお手伝いさせてください。ローズリッテ様を殺した彼らを、地獄に送れるのなら、私は何でもやります!」
63
お気に入りに追加
444
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。


少女漫画の当て馬女キャラに転生したけど、原作通りにはしません!
菜花
ファンタジー
亡くなったと思ったら、直前まで読んでいた漫画の中に転生した主人公。とあるキャラに成り代わっていることに気づくが、そのキャラは物凄く不遇なキャラだった……。カクヨム様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる