10 / 56
聖女を探して
しおりを挟む
許したくない、じゃなくて、許せないだわ。
そう決意を込めてパパを見上げると、パパは優しく頷いてくれた。
「ロゼが自分でやっつけたいなら、魔法の使い方を学ばないとな。すぐに教師の段取りをしよう。それともパパがやって良いならパパがやろうか?」
「やだ。ロゼがする」
「なら、ノイン。魔法の教師の準備をしろ」
自分で出来るなら自分でやりたいわ。
魔王の娘に生まれたんだから、どちらにしろ魔法は学ばなければならないし。
それとも魔法を覚えるのに時間がかかるかしら?
なら、セドリック様に子供が生まれたら困るし、パパに頼んだ方が良い?
「魔法覚えるの、時間かかる?王太子に子供できると困るから、時間かかるならパパにお願いする」
「子供か。ロゼは子供には罪はないと思ってるんだね?」
「だってローズリッテが殺された時、その子供は生まれてもないもの。だから、その子供には罪はない。生まれた後に親が殺されたら・・・ちょっとかわいそう」
「ノイン、聞いたか?うちのロゼはなんて可愛くて賢くて優しい子なんだ」
「ええ。本当に」
パパの親バカ発言にノインが頷く。
ちょっと恥ずかしいけど、ローズリッテの時はこんな風に親に溺愛された記憶はないから・・・なんだか嬉しい。
「なら、子ができないように薬を飲ませておきましょう。いっそ、出来ないように・・・いえ、淑女の前で失礼しました」
「ノイン、気をつけろ。ロゼは穢れなき乙女なのだ」
「はい。ロゼ様、申し訳ございません」
確かにロゼは五歳だけど・・・
中身のローズリッテは十六歳。
しかも王太子妃教育も受けていて、卒業後に結婚する予定だったから、一応、その、閨教育も受けているのよね。
だから、意味はわかる。
そんな風に気を使われると逆に恥ずかしいわ。
「パパ、ノイン。お任せするから、子供は出来ないようにして。最終的に私に復讐させてくれたら、あとはお仕置きしててもかまわないから」
私が魔法を習得するまでにどのくらいかかるのか分からないけど、それまで幸せに暮らしてるなんて許せないもの。
「かしこまりました。陛下と相談の上、対処いたします」
「ロゼ。他に何か希望はあるか?」
パパに尋ねられ、一瞬答えに詰まる。
殺されたすぐ後は・・・そんなこと考えもしなかった。
彼女のことも恨んでいたし、セドリック様と同罪だと思ってた。
でも・・・
もしかしたら、セドリック様が先走っただけかもしれない。
だから。
「あのね。聖女を探して欲しい。どうして聖女の力を失うと分かってて、私を助けたのか聞きたいの」
そう決意を込めてパパを見上げると、パパは優しく頷いてくれた。
「ロゼが自分でやっつけたいなら、魔法の使い方を学ばないとな。すぐに教師の段取りをしよう。それともパパがやって良いならパパがやろうか?」
「やだ。ロゼがする」
「なら、ノイン。魔法の教師の準備をしろ」
自分で出来るなら自分でやりたいわ。
魔王の娘に生まれたんだから、どちらにしろ魔法は学ばなければならないし。
それとも魔法を覚えるのに時間がかかるかしら?
なら、セドリック様に子供が生まれたら困るし、パパに頼んだ方が良い?
「魔法覚えるの、時間かかる?王太子に子供できると困るから、時間かかるならパパにお願いする」
「子供か。ロゼは子供には罪はないと思ってるんだね?」
「だってローズリッテが殺された時、その子供は生まれてもないもの。だから、その子供には罪はない。生まれた後に親が殺されたら・・・ちょっとかわいそう」
「ノイン、聞いたか?うちのロゼはなんて可愛くて賢くて優しい子なんだ」
「ええ。本当に」
パパの親バカ発言にノインが頷く。
ちょっと恥ずかしいけど、ローズリッテの時はこんな風に親に溺愛された記憶はないから・・・なんだか嬉しい。
「なら、子ができないように薬を飲ませておきましょう。いっそ、出来ないように・・・いえ、淑女の前で失礼しました」
「ノイン、気をつけろ。ロゼは穢れなき乙女なのだ」
「はい。ロゼ様、申し訳ございません」
確かにロゼは五歳だけど・・・
中身のローズリッテは十六歳。
しかも王太子妃教育も受けていて、卒業後に結婚する予定だったから、一応、その、閨教育も受けているのよね。
だから、意味はわかる。
そんな風に気を使われると逆に恥ずかしいわ。
「パパ、ノイン。お任せするから、子供は出来ないようにして。最終的に私に復讐させてくれたら、あとはお仕置きしててもかまわないから」
私が魔法を習得するまでにどのくらいかかるのか分からないけど、それまで幸せに暮らしてるなんて許せないもの。
「かしこまりました。陛下と相談の上、対処いたします」
「ロゼ。他に何か希望はあるか?」
パパに尋ねられ、一瞬答えに詰まる。
殺されたすぐ後は・・・そんなこと考えもしなかった。
彼女のことも恨んでいたし、セドリック様と同罪だと思ってた。
でも・・・
もしかしたら、セドリック様が先走っただけかもしれない。
だから。
「あのね。聖女を探して欲しい。どうして聖女の力を失うと分かってて、私を助けたのか聞きたいの」
65
お気に入りに追加
438
あなたにおすすめの小説
少女漫画の当て馬女キャラに転生したけど、原作通りにはしません!
菜花
ファンタジー
亡くなったと思ったら、直前まで読んでいた漫画の中に転生した主人公。とあるキャラに成り代わっていることに気づくが、そのキャラは物凄く不遇なキャラだった……。カクヨム様でも投稿しています。
【完結】お父様。私、悪役令嬢なんですって。何ですかそれって。
紅月
恋愛
小説家になろうで書いていたものを加筆、訂正したリメイク版です。
「何故、私の娘が処刑されなければならないんだ」
最愛の娘が冤罪で処刑された。
時を巻き戻し、復讐を誓う家族。
娘は前と違う人生を歩み、家族は元凶へ復讐の手を伸ばすが、巻き戻す前と違う展開のため様々な事が見えてきた。
女子高生研ぎ師見習い 悪役令嬢に転生しました❗ 〜農高出身転生者の私、勇者の剣を研いだけど、結局追放されました。よっしゃー!~
みちのあかり
ファンタジー
桜 凛(さくら りん)は調理師を目指す農業高校生。調理クラブの先輩から道具の手入れの大切さを叩きこまれ、研ぎの魅力に目覚める。大好きな恋愛シミュレーションゲームの二次制作をしていたら、なぜかゲームの世界の悪役令嬢リリアの子供時代に転生してしまった。
義母義姉からは疎まれ、母屋にも入れてもらえない日々。学園入学する前に餓死しそうよ!
そんな中、農業高校での実習を思い出し、自給自足の生活を。
恋愛フラグ? そんなものよりまずご飯! 自給自足の子供時代
シャベル片手にコカトリスを倒す!
冒険者なら丁寧な言葉遣いなんて使ってられるか!
やさぐれ街道まっしぐら!
偉い人にも忖度なし!
どんどんレベルを上げましょう!
学園編
元王の養女になったリリア。
勇者達の指導係になったり、魔導具開発したり大忙しの学園生活。
目指すは卒業パーティでの追放劇。
早く勇者達から手を切って追放されたいリリアは無事に追放されるように頑張るけれど、ゲームヒロインちゃんが許してくれません。
カクヨムなどで投稿しています。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
婚約破棄されて勝利宣言する令嬢の話
Ryo-k
ファンタジー
「セレスティーナ・ルーベンブルク! 貴様との婚約を破棄する!!」
「よっしゃー!! ありがとうございます!!」
婚約破棄されたセレスティーナは国王との賭けに勝利した。
果たして国王との賭けの内容とは――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる