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お祖父様とお祖母様?

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「伯爵家に婿入り?誰が?」

 ローズリッテに兄弟はいなかった。

 一人娘のローズリッテが王家に嫁いだら、叔父の末息子である従弟がフェルゼン公爵家に養子として入ることになっていたのだから。

「ローズリッテ嬢の父親、です」

 ローズリッテの母親、私のお母様は、私が幼い頃に病気で亡くなられている。

 元々体が弱く、出産に耐えられなかったのだと聞いた。

 お父様が私を嫌っているのは、そのせいなのかもしれない。

 私は、ローズリッテとしてもロゼとしても、お母様と縁遠い。

 もしかしたらパパも、私を嫌いかも・・・

 不安で胸が痛い。

「パパ・・・」

「ロゼ、どうした?」

「パパ・・・ママが亡くなったの、ロゼのせい?」

 パパの胸元に顔を埋める形で、小声で何とか絞り出した。

 どうしよう。お前のせいだと言われたら。

 顔が上げられない私を、パパがギュッと抱きしめて、背中を撫でてくれる。

「ロゼ。ママが亡くなったのは、パパのせいだ。ママが実家に、人間の元に帰ると言うのを止められなかった。孫のことは可愛いだろうと。俺のことや魔族のことは認められなくても、娘と孫は可愛いと思うはずだと、甘く見ていた。だから、ロゼのせいじゃない」

「ロゼのママのお父様もお母様も・・・ローズリッテのお父様みたいに、ロゼのこと嫌いなの?そういえば、パパのお父様とお母様は?」

「ああ。父上と母上とは、以前喧嘩をしてから会っていないな。ノイン。今、父上たちは?」

「魔王城の深層で暮らされております。そういえば、ロゼ様はお会いしたことがありませんでしたね」

 魔王城の深層?
ここって魔王城だよね?同じ城にいるのに、会ってないの?

 それって、魔族だと普通なの?

「会いたいか?」

「・・・お祖父様とお祖母様、ロゼのこと・・・嫌い?」

 嫌われてるなら、会いたくない。
会わなくても問題なさそうだし。

 だけどパパは、キョトンとした顔をして、ノインと顔を見合わせた。

「嫌ってるか?」

「まさか。陛下との喧嘩の際も、先代様たちはロゼ様を一緒に連れて行こうとなさってたじゃないですか」

「ああ、そういえばそうだった。それで腹が立って深層に転移魔法で叩き込んだんだった」

 え?パパが深層に転移させたの?

「パパ?」

「とにかく、父上たちがロゼを嫌っているなんて有り得ない」

「なら、会いたい」

「分かった。ノイン、父上たちに連絡を入れておいてくれ。話が逸れたな。それで、ローズリッテの父親が伯爵家の入婿になったのか?」

 そうだった。
お祖父様たちの話じゃなくて、ローズリッテの死後の話を聞いていたんだったわ。


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